ウクライナ「難民貴族」発言の法人、群馬県調査へ 学費トラブル

　ロシアによる侵攻を受けて前橋市に避難したウクライナ人学生と日本語学校を運営する同市の学校法人「ニッポンアカデミー」が学費を巡りトラブルになっている問題で、群馬県は近く、法人への調査を始め、私立学校法に基づく是正措置などが必要かを判断する方針を決めた。学生や市にも聞き取りを行う。法人理事長による「難民貴族」などの発言も強く問題視している。

　一部の学生は当初無料と聞いていた期間についても学費の支払いを求められたなどと反発している。清水澄理事長は2月24日に記者会見し、官民からの手厚い支援があるのに法人側の請求に従わない学生を「難民貴族」「（これ以上支援したら）乞食（こじき）になる」などと表現した。

　山本一太知事は1日の会見で、「理事長が『難民貴族、泥棒、乞食』という表現を使ったのは不適切な表現で大変残念」と批判した。

　県は法人と日本語学校に法令違反や不適切な対応がなかったか調べる一方、学生への相談などの支援も検討する。山本知事は「県は戦乱でふるさとを失った難民を温かく受け入れる考えで、今回の事態をかなり深刻に捉えている。対応が必要ならしっかり検討する」と述べた。【田所柳子】