ドラレコ設置義務化＝事故防止に活用―知床事故検討委

　北海道・知床半島沖で２６人が乗った観光船「ＫＡＺＵ　I（カズワン）」が沈没した事故を受け、国土交通省は２８日、有識者による対策検討委員会を開き、小型旅客船にドライブレコーダーの設置を義務付ける方針を明らかにした。 　設置はカズワン乗客の家族からの提案で、同省は事業者による操船訓練や、事故時の状況把握に活用したい考えだ。今後、対象船舶の種類や機器の性能などについて詳細な検討を進め、必要な法令改正を行う。　 　同省によると、設置義務対象はカズワンのような不定期航路の小型観光船を想定。自動車用に市販されている機器で、前方の映像や操船者の声などが記録できることを条件にするという。 　浸水や沈没に耐えることができる性能は、費用が高額になるため条件から外した。同省の担当者は「沈没を未然に防ぐための安全対策だ」と強調した。 　同省は２０１６年の軽井沢バス事故後、貸し切りバス事業者にドライブレコーダーの装着と、記録を利用した指導監督を義務付けた。この例を参考に、操船訓練への活用方法などのガイドラインを作成して事業者に示すという。（了）【時事通信社】