動画を静止画に加工か＝協力男性「１問解答した」―一橋大入試・警視庁

　一橋大（東京都国立市）で１月、外国人留学生向けの入学試験中に数学の問題が流出した事件で、大学院生李歳寒容疑者（２８）が受験生王嘉※（※王ヘンに路）容疑者（２２）から動画を受け取り、静止画に加工して知人の男子大学生に送信した疑いがあることが１０日、捜査関係者への取材で分かった。 　大学生が「１問解答し伝えた」と話していることも判明。警視庁は同日、偽計業務妨害容疑で２人を送検した。 　捜査関係者などによると、試験は１月３１日、「日本語」「総合科目」「数学」の３科目が行われ、李容疑者はいずれの試験問題も「（王容疑者から）動画で送られてきた」と供述している。数学を除く２科目は「自分で解いて回答した」と話した。 　数学に関しては、試験開始約３分後、事前に解答への協力を依頼していた大学生に中国の通信アプリで転送した。この際、試験問題は静止画７枚で送信されており、何らかの方法で加工したとみられるという。 　大学生は受け取った静止画を見て入試問題と気付いたが、１問だけ解いて李容疑者に返信した。同容疑者に勉強を教わったことがあり、「断れなかった」という趣旨の話をしている。　 　試験は６７人が受験し、王容疑者を含む２９人が合格した。 　王容疑者の自宅からは約１センチの小型ワイヤレスイヤホンなどが押収されており、同庁は不正行為に使われた疑いがあるとみて調べている。（了） 【時事通信社】