副社長、買い支え把握か＝部下から事前報告―ＳＭＢＣ日興相場操縦・東京地検

　ＳＭＢＣ日興証券幹部らによる相場操縦事件で、金融商品取引法違反容疑で逮捕された副社長執行役員の佐藤俊弘容疑者（５９）が、問題となった「ブロックオファー」取引前、株価維持のための買い支えをする旨の報告を部下から受けていたことが２５日、関係者への取材で分かった。 　東京地検特捜部は、佐藤容疑者が不正な買い支えを事前に認識していた点を重視。是正を求めず取引を黙認したとみて、事件の解明を進める。　 　佐藤容疑者は２０２１年４月８日、部下の元エクイティ部長山田誠被告（４４）＝同法違反罪で起訴＝らと共謀し、市場外で大株主から株を買い取って投資家に転売するブロックオファー取引の対象となった１銘柄の株価下落を避けるため、買い注文を大量に入れて株価を維持しようとした疑いが持たれている。 　関係者によると、山田被告らが交わしていたメールや音声記録などから、取引日前に山田被告らが佐藤容疑者に「株を買い支える」といった報告をしていたことが判明したという。山田被告らの起訴内容となったこれより前の５銘柄の一部についても、佐藤容疑者は取引後に同様の報告を受けたとみられ、特捜部は同容疑者が不正の認識を以前から持っていた可能性があるとみている。 　佐藤容疑者は２０年３月から、同社のブロックオファー取引全般を統括する立場にあった。特捜部は、同取引の対象５銘柄で相場操縦をしたとして、山田被告ら部下５人と法人としての同社を起訴している。（了）【時事通信社】