久しぶり入浴に笑顔＝ホテルなど無料開放―福島

　最大震度６強を観測した地震の被災地では、１９日も一部地域で断水が続いた。福島県南相馬市では、被災者に向けホテルや旅館などが入浴施設を無料開放。自宅の断水が続く中での久しぶりの入浴に、利用者は「気持ちよかった」と笑顔を見せた。 　相馬地方広域水道企業団によると、現在も相馬市など一部地域で断水しており、復旧作業が続けられている。 　南相馬市の「ホテル西山　南相馬店」は、午前６～９時と午後１～１０時、ホテル内の浴場を無料で開放。早朝から多くの利用者が来館した。　 　相馬市から夫婦で訪れた豊田みよ子さん（６４）は「数日ぶりに入浴し気持ちよかった。本当に助かる」と満足げ。自宅は断水が続き、地下水をくみ上げるモーターも故障し、復旧には１カ月ほどかかるという。「せめて水だけでも早く復旧してくれたら」と話した。 　同ホテルによると連日、数百人が浴場を利用しているという。宇野晶彦支配人は「同じ地域に暮らす者として困っている人を助けたい。ゆっくりと体の疲れを取ってほしい」と語った。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕無料開放されたホテルの浴場を訪れた利用者＝１９日午前、福島県南相馬市