「闘う手段」「安心材料」＝現場から期待の声―コロナ飲み薬

　新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」が２４日、厚生労働省の専門部会で承認了承された。局面を大きく変えると期待され、最前線でコロナ患者を診察する医師、神経をすり減らす高齢者施設の職員からは「闘う手段だ」「安心材料になる」との声が上がる。 　札幌市で発熱外来を設ける「栄町ファミリークリニック」の中川貴史院長（４５）は「感染者にすぐに処方できれば、早い段階で切れ目のない対応ができる。『ゲームチェンジャー』になり得る」と期待する。変異株「オミクロン株」の市中感染が確認されたことで今後の感染拡大が懸念される中、「薬は一つの闘う手段になる」と語った。 　大阪市の「小畠クリニック」の小畠昭重院長（６２）も「早期に使うと効果のある薬。簡単に使えるようになれば、インフルエンザみたいに飲み薬で対応できる病気になるのでは」と期待を寄せる。 　東京都内のある特別養護老人ホームには、約８０人が入所する。来年１月上旬までに入所者への３回目ワクチン接種を終える予定だ。面会も専用ブースを設けたり、ワクチン接種していない家族には窓越しに電話で話してもらったりするなど、細心の注意を払っている。 　勤務する４０代の女性看護師は「要介護度の高い人が多く、重症化リスクが高い。薬ができれば安心材料になる」と話した。（了）【時事通信社】