先端技術の流出対策強化へ＝「経済安保ＰＴ」発足―大阪府警

　企業や大学などが保有する先端技術の情報流出を防ぐため、大阪府警が警備部外事課に設置した「経済安全保障プロジェクトチーム（ＰＴ）」の発足式が２１日、府警本部で開かれた。 　井上一志本部長は、府警が昨年摘発した大手化学メーカー「積水化学工業」（大阪市北区）元社員による漏えい事件を挙げ、「事件は氷山の一角にすぎず、技術流出の脅威への対策は喫緊の課題。それぞれの知識、経験、能力を発揮し、チーム一丸となって効果的な取り組みに努めてほしい」と訓示した。 　府警によると、ＰＴにはサイバーに詳しい捜査員ら警備部以外の部門からも人材を登用し、１１月に１０人体制で発足。高度な先端技術を持つ企業や大学、研究機関などに出向いて、実際にあった手口などの具体例を紹介しながら未然防止対策について助言や提案をしていく。　 　府警が昨年１０月に摘発した事件では、中国企業がインターネット交流サイト（ＳＮＳ）で元社員に接触。「情報交換」という誘い文句で、営業機密に当たるスマートフォンに関する技術情報を漏えいさせていた。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕大阪府警が設置した経済安全保障プロジェクトチームの発足式＝２１日午前、同府警本部