「結婚=幸せ」「離婚=不幸せ」という単純な図式にはあてはまらないのが夫婦問題。憧れの結婚をしてもブルーな毎日を送る人もいれば、悩んだ末に離婚をして次の幸せに向かえる人もいます。私、岡野あつこが実際に目撃した「男女の不思議な物語」をお届けします。

 

「“自称”脚本家の夫を支え続けた」~F乃さんのケース

 

夫が関係を持っていたのは役者志望の女の子だった…

子どもの頃からお芝居を観るのが好きで、地元の劇団に所属していたこともあるF乃さんが、夫のRさんと知り合ったのは27歳。学生時代の友人に誘われて、知り合いが主催している芝居を観にいった時のことでした。

 

芝居の後の打ち上げにも参加したF乃さんは、偶然隣の席に座ることになった劇団の脚本を書いていたRさんと芝居の話で盛り上がり、「あの時は『彼しかいない!』って、運命を感じたんですよね。その晩は彼の自宅に泊まってしまいました」とF乃さん。そのまま同棲することになり、1年後には子どもができたことをきっかけに結婚。F乃さんは現在、2歳になる子どもと3人で暮らしています。

 

今年の冬で40歳になる夫のRさんは、1年に1度だけお声がかかる劇団の脚本を書いているだけで、ほかに収入は一切なし。Rさんいわく、「アルバイトをすると、日銭を稼ぐことに追われてエネルギーを消耗する。そうなると創作意欲もなくなり、本来書きたいシナリオが書けなくなるんだよ」。芝居に集中したい気持ちが理解できるF乃さんは、夫の考えを尊重し、会社員としての自分の収入だけで夫と子どもを支えている状況です。「私が彼の夢を応援できないなら、ほかに誰が彼の才能を信じてあげられるの?」と。

 

 

■取材と称してキャバクラに…

 

ところが、今春、結婚してはじめてRさんが泥酔して朝帰りするということがありました。それまでも、劇団の人との打ち合わせで飲みに行って帰宅が遅くなることは時々あったものの、朝帰りははじめて。「いつもと違う」と感じたF乃さんは、そのまま寝てしまったRさんの財布を開けて調べてみたところ、出てきたのはキャバクラの領収書と若くて可愛い女性の写真入りの名刺でした。

 

Rさんが起きたところで問い詰めてみると、「脚本のネタになる取材だから仕方ないだろう」とF乃さんは一蹴されてしまったと言います。「それほど自由に使えるお金が夫にあるわけでもないとタカをくくっていたこともあり、その言い訳を素直に信じてしまっていたんですよね」とF乃さんはため息まじりに語ります。

 

その日以降、たびたび「今夜も取材だ」と出かけては朝帰りをすることが多くなっていったそうです。「脚本は進んでいるの?」とF乃さんがたずねても、「長編だから、そんなにすぐには書きあがらない」「小説化をするかもしれないので、今、出版社の編集者と意見の食い違いで戦っている」「芥川賞候補になるんじゃないか、って話もある」などと、かわされてしまうのでした。

 

「私はなんのために朝から晩まで働いて夫を支えているのに、どうして家事も育児もひとりでやっているんだろう」と思うことが多くなったというF乃さん。ある時、1年に一度だけの脚本づくりの依頼の回数を増やしてもらおうと、友人を通じて直接、劇団の主催者に掛け合うことにしました。

 

主催者に会って事情を話してお願いをしたところ、「2年前からRくんには会っていませんよ」とのこと。F乃さんとRさんが知り合った打ち上げの晩を最後に会っておらず、主催者はRさんの才能に見切りをつけて次の年から脚本家を交代することにしたと言うのです。

 

「だったら、連日のキャバクラはなんだったの?」と愕然としたF乃さん。その晩、Rさんに問いただしたところ、「はじめて行ったキャバクラで、席についた女の子が役者志望だったことから話が盛り上がった。それ以来、キャバクラには行っていないが、女の子とは関係が続いている」とのこと。役者を目指す若い女性にとって、脚本家を名乗る大人の男性がどれほど魅力的に見えるかはF乃さん自身がよく知っていること。まるで昔の自分のことのようで、胸がしめつけられる思いでした。

 

度重なる朝帰りについても、「彼女のマンションで演技指導をしていただけだよ」と悪びれずに言う夫に対し、「私もそろそろ目をさます時が来たのかもしれないわ……」と冷静な気持ちで、子どもと二人で生きていくことを考えたF乃さんでした。

情報提供元:citrus
記事名:「【岡野あつこが語る!実録結婚奇譚】働かない夫を支えてきたのに…。妻に待っていた想定外の仕打ちとは