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1本あるだけで料理の幅が広がる!柳刃包丁の選び方



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ご家庭に必ず1本はある三徳包丁や牛刀。その形状から様々な料理で活躍しますが、お刺身やローストビーフを切る時、どうしてもその刃の長さが足りずに悶々とすることはありませんか?そんな時にあると便利なのが柳刃包丁。(一般的には刺身包丁・関西では刃の形状が菖蒲の葉に似ているところから正夫(しょうぶ)とも言います)日本人の常食と言って良い、生のお魚をさばく包丁です。1本持っていれば一生使えます、だから間違いない包丁選びをしましょう。


どの家庭にも必ず1本はある調理器具、包丁。ひとくちに「包丁」といってもたくさんの種類がありますが、それぞれどんな違いがあるのでしょう?

はじめに、家庭で使われることの多い4種類の包丁、「三徳包丁」「牛刀」「出刃包丁」「菜切包丁(なきりぼうちょう)」、そこに「柳刃包丁」をラインナップに加え、違いについてざっくりと見てみましょう。


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それぞれの包丁に得意・不得意があることがわかります。
本記事では、特に「柳刃包丁」について取り上げ、特徴や選び方のコツなどを解説していきます。

柳刃包丁は、細く刃渡りが長いことが特徴です。
「刺身包丁」とも呼ばれており、お刺身のサクを切る際に大活躍。長い刃渡りによって、大きいものもスッと一回で切れるため、断面が綺麗に仕上がります。刺身を切る際などには、万能といわれる三徳包丁よりも便利ですね。

なぜお刺身を柳刃包丁で切るか?刺身は引きながら切るのが鉄則です、引いて切ることで、魚の断面の繊維がつぶれず、魚の水分が外に出ず、また余計な水分を吸収することもありません。 ヒラメや鯛を洗いにして食べた時などは味の差は歴然です。

一方で、刃が細く繊細なため、ローストビーフのような柔らかいお肉や刺身を切ること以外にはあまり向いていません。硬いものを切るには不適なので、魚を捌いたり、骨を断ち切ったりする場面では、出刃包丁を使用しましょう。


せっかく買うなら失敗したくない!オススメの選び方は?


ここでは、柳刃包丁を購入する際の、選び方のコツについて紹介します。 


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一般に、包丁はよく研がれた前提であれば素材が硬いほど切れ味が高いといえます。しかし、硬いということは刃が欠けやすいということ。こまめに研がないと切れ味もすぐ落ちてしまいます。使う頻度にもよりますが、目安として理想は1〜2ヶ月に1回、最低でも年に1回は研ぐようにしましょう。自宅で研げない場合は近所の金物屋さんなどに持っていけば対応してもらえますよ。

では、硬さだけを優先して選べばいいかというとそういうわけでもありません。実生活で使う際は硬さだけでなく、欠けにくさをあらわす「靭性(しなやかさ)」のバランスを見極めることがとても大切です。柳刃包丁に使われる代表的な材質には、ステンレス・鋼・の2種類。最近はセラミックの包丁もありますね。3種それぞれのメリット・デメリットを解説します。


ステンレス


錆びにくく臭いが付きにくいのが特徴。鋼に比べると切れ味の劣化が早いですが、錆びにくいことから、手入れに敏感になりすぎる必要がなく、比較的扱いやすいため頻繁に使わない家庭用にはぴったりです。


セラミック


軽量で酸化しにくいのが特徴。硬度が高く、切れ味を長く保つことができます。軽いため長時間持っていても手が疲れにくいというのもメリットです。

ただし、衝撃に弱く、硬いものを切る際などに刃が欠けやすいというデメリットがあります。また、手入れにはセラミック専用の砥石で研ぐ必要があります。なければ購入メーカーや販売店に出せば研いでもらえることも。そもそも販売されているものが非常に少ないので、あまり目にすることはないかもしれません。

セラミック自体が無味無臭なので食材に匂いが付きにくく酸化しにくい特徴があります。



本来柳刃包丁といえば鋼。切れ味は抜群。鋼とは、鉄から不純物を取り除きながら、強度を上げるためにケイ素やマンガンなどの成分を調整した材質です。鉄は不純物が少ないほど硬度が高くなり、また鋼の包丁は焼きを入れて叩きさらに密度を高めるため強固な包丁ということがいえます。

鋼には不純物の量や成分の比率によって多くの種類があります。十分に研いだ状態であれば硬度が上がるとよく切れますが、同時にしなやかさが弱まり、刃こぼれしやすくなるなどの特徴があります。

また、鋼は酸化しやすいため、水分が付着したまま放置していると錆び、変色してしまいます。小まめなメンテナンスが必要な材質ですが、切れ味を重視したい方にはおすすめです。


鋼素材で目にする「青鋼」、「白鋼」、とは


包丁の専門店に行くと、鋼の包丁に「青鋼(青紙)青鋼(白紙)」「1号、2号、3号」といった種別がなされているのを見かけることがあるかもしれません。簡単に解説すると、これらはどのような材質がどれだけ使われているかということを表しています。

青鋼:白鋼に合金元素を加え摩耗性と粘りをだしたもの硬度と切れ味は最高レベル

白鋼:全部が砂鉄からの炭素鋼で、不純物を徹底的に除いたさらにレベルの高い高級品


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あくまで目安であり、仕上がりなど他の要素によって切れ味や持続性は変わります

「号」は、鋼に含まれる物質の量によって変わります。大きな違いは含まれる炭素の量で「3号<2号<1号」の順に炭素量が増加。炭素量が増えると、鋼の硬度が増しますが、その分しなやかさ(靭性)が減少します。そのため「3号<2号<1号」の順に「切れ味の良い包丁」であるといえます。

また、青紙、白紙の違いは、「クロム」や「タングステン」といった「包丁の粘り・しなやかさを上げる」物質の含有有無によって決まります。青紙は耐摩耗性が高く、切れ味が長持ちするのが特徴ですが、硬度が高くなるので白鋼にくらべ研ぎにくくなるというデメリットも。

これらが含まれているのが青紙、含まれていないのが白紙です。価格を見ると、青紙の方が高価なことがほとんど。

青紙はプロ用、家庭用として考えるなら白紙2〜3号で十分すぎるでしょう。


どの素材なら食洗機に入れても良い?


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食洗器はオススメしません。基本的に、「食洗機対応」という商品でもできれば手洗いをしましょう。特に鋼材質のものは、すぐに錆びてしまうため絶対に食器洗機に入れてはいけません。鋼でなくても、食洗機に入れることで、他の食器に当たる危険性が高まり、刃が傷ついたり食器を傷つけてしまったりする可能性が出てきます。

柄の部分は、食洗機用の強力な洗剤で洗われることにより耐久性が落ちてしまうことも。柄が木製の場合、食洗機で洗うと水分を含み乾燥させるとことにより、木材の膨張と収縮が何度も繰り返されます。さらに柄の内部に入りこんだ洗剤が洗浄しきれないこともあり、薬剤が濃縮され木材の劣化につながります。プラスチックの柄の場合は、食洗機用の強力な洗剤で洗浄することにより、柄の内部の油脂が流れ出てしまい劣化の原因となります。


刃渡りはどのくらいがいい?


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家庭用に販売されている柳刃包丁の刃渡りは、21cm〜36cmであることがほとんど。原則として、自宅のまな板の短辺よりも刃渡りの長いものは選ばないようにしましょう。まな板が刃渡りよりも短いと、動かせる範囲が狭くなり、取り扱いが難しくなります。柄の部分は実際に手に持ってみて、自分の手の大きさに合うものを選ぶのがおすすめ。併せて、重量についてもチェックしましょう。実際に手に持ってみて、少し重いと感じる包丁は重さを利用して切ることができるため、長時間疲れずに調理できるといわれています。軽い包丁は長時間の調理には適していませんが、女性や高齢者など、あまり手に力がない方に向いています。

ちなみに、刺身のサクを買ってきてご家庭使うのであれば、21cm〜24cmが使いやすいという声が多いようです。


片刃と両刃、どっちがいい?


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包丁を正面から見たイメージ図。左から両刃、片刃

一般的に包丁の形状は2種類あり、両刃と片刃とが存在します。 

片刃包丁は、図からもわかる通り、刃の片側のみが鋭利になっています。柳刃包丁は片刃が一般的です。切れ味の良さが大きな特徴で、包丁によっては食材の薄切り、皮むきなどが得意。ただし、刃の形状が非対称なため、単純に食材を上から切ろうとすると、利き手と反対側に反ってしまうデメリットがあります。力を調整して切る必要があり、慣れるまでは取り扱いが難しいと感じるかもしれません。 

両刃包丁は、図からもわかる通り、刃の両面から鋭利になっています。扱いやすさが特徴で、力のかけ方を考えることなく、まっすぐに食材を切るのが得意。ただし、片刃包丁が得意とする薄切り、皮むきについてはあまり向いていません。


形状が似ていても片刃と両刃では用途が変わる!


柳刃包丁と似た形状の包丁に、肉切りに特化した「筋引き包丁」というものがあります。見た目は似ていますが、一般的に柳刃包丁は「片刃」で、筋引き包丁は「両刃」となっているのが特徴。

断面を美しく仕上げることが大切な刺身などを切る時は片刃の柳刃包丁を、筋などを余分な力をかけずにきっちり切る必要がある場合には、両刃の筋引き包丁を使いましょう。

基本的に柳刃包丁は右利きの方用に作られています。左利きの方は左利き専用のモデルを探しましょう(又は特注発注)。


おすすめの包丁メーカー


日本には数百の小さな包丁メーカーがあり、しのぎを削っています。ここでは、柳刃包丁のなかでも特にオススメなメーカーを紹介します。

木屋/いづつき木屋・柳刃包丁

1792年創業の老舗の刃物メーカーです。包丁に興味のある方なら1度は聞いたことのあるブランドではないでしょうか?長い歴史で培われたノウハウはプロ用から家庭用まで数々の包丁をラインアップしています。

能登光/柳刃包丁
知る人ぞ知る銘刀、能登光。大阪の堺市で作られている刃物メーカーです。

大きな工場ではなく、職人が1本1本丁寧に作っているので大量生産はできませんが、一生使える和包丁です。

堺孝行/イノックス柳刃包丁
1420年から600年の歴史のある大阪府堺市の刃物メーカーです。日本全国から鍛冶職人を集めた堺は刃物の街。多くの刃物メーカーが切磋琢磨しています。堺孝行は激戦区の堺でも日々新しいものにも挑戦しつづけているメーカーです。イノックスはサビに強いステンレスの特殊鋼のことで、堺職人が丹精を込めて研ぎ上げました。とても使い勝手の良い包丁です。


長く、何度も使うものだから慎重に選んでみて


お刺身を綺麗に切ることができる柳刃包丁。1本持ってみると、普段使っている三徳包丁に比べてのお魚の切りやすさに驚くかもしれません。柳刃包丁には様々な大きさ・長さ・材質・ブランドがあります。ご自身の利用シーンに合わせてお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。


話を聞いた人:株式会社池商 池田義明さん


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池田さんが代表を務める株式会社池商は1983年に創業したキッチン用品専門店。約3200名の料理研究家会員とネットワークを持ち、キッチン用品セレクトや料理教室とコンタクトをとりながら調理道具の研究を行っている。キッチン用品メーカーとの新商品開発なども行っており、多くの人にキッチン用品の適切なアドバイスを行っている。


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