VRヘッドセットを使うユーザに提供されるコンテンツとして人気なのは、何と言ってもVRゲームだ。だが、実際にユーザがどのようなVRコンテンツを利用しているかというアンケートを見ると、VRで動画を見ているユーザも多いことが分かる。
VR動画には専用の360度カメラを使って撮影された映画やCGを使った360度アニメーション映画などもあるが、スポーツ中継やアーティストのライブ映像なども人気がある。野球やバスケットボール、アメリカンフットボールの試合をVRで見ると、テレビ中継とはまた違った臨場感が得られる。
新たに発表されたIntelとMLBの3年契約により、野球ファンはこの先3年に渡ってVRで試合の中継やオンデマンド配信を見られることになりそうだ。
IntelとMLBのパートナーシップ
MLBが提供するAt Bat VRアプリ
2017年6月1日、IntelはMLBとのパートナーシップを発表した。この契約は3年間有効で、野球ファンにIntel True VRテクノロジーを活かしたVR体験を配信する。
6月6日以降、IntelはTrue VRアプリを通してVR中継を毎週放送する。ユーザはこの試合をリアルタイムで視聴するだけでなく、試合後のハイライトとオンデマンドリプレイも利用できる。
試合を見るとき、ファンは自分の好きな場所から観戦することが可能だ。
VR映像は4K解像度のカメラを用いて撮影される。最大4箇所の視点から選んで映像を視聴するので、自分が見たいプレイをより近くで見ることが可能だ。
また、ファンは映像を見るだけでなくMLBが提供する各種データを見ることもできる。今まさに対戦している投打の選手のデータはもちろん、刻一刻と更新されるチームの統計データにアプリ内からアクセスできる。
アプリでのみ独占提供される試合解説もポイントだ。
Gear VRのTrue VRアプリを利用すれば、ユーザは無料でライブ映像や統計情報といったコンテンツを利用できる予定だ。OculusストアからIntelのTrue VRアプリをダウンロードするだけで、毎週火曜日には選手に近い特等席から野球観戦をする準備が完了する。
6月は次の4試合が配信される予定となっている。
・6月6日 インディアンズ対ロッキーズ
・6月13日 ロイヤルズ対ジャイアンツ
・6月20日 タイガース対マリナーズ
・6月27日 カーディナルス対ダイヤモンドバックス
担当者のコメント
Intelのスポーツグループでゼネラルマネージャーを務めるJames Carwanaは、
「MLBのVRにおけるパートナーとして、Intelは野球ファンに毎週VRでの野球観戦の体験をお届けします。本当に臨場感のあるこのライブ配信によって、ファンは毎週野球場にいるかのような興奮を体験できるでしょう。
Intel True VRで配信する試合のライブ中継に統計情報を加えるのは、ファンにもっと『個人用にカスタマイズした』野球を楽しんでもらう方法の一つです。」
と語った。
球場にいるかのような臨場感あるVR中継で試合を楽しむのはもちろん、豊富な統計情報によって野球の楽しみ方は広がる。なんとなく試合を眺めるのも、特定のチームを本気で応援するのも、データを見ながら今シーズン活躍しそうな選手を探すのもユーザ次第だ。
IntelとMLBのこのパートナーシップは短期間限定の契約ではなく、3年に渡って続くものだ。これは、両者がVRをいっときの流行ではなく今後も残っていく技術だと考えていることの表れと見ることができそうだ。
これまでに行われてきたスポーツのVRライブ中継は、いずれも長期に続くものではなかった。特定の試合のみ、長くても今シーズンの試合といったスパンで伝えられてきたが、今回はやや期間が長い。
この契約期間に多くの野球ファンがTrue VRアプリを利用して中継やオンデマンド方式の映像にアクセスすれば、3年後に契約が更新されることも考えられる。あるいは、他の企業がこの分野への参入を狙ってIntelと競争することになるかもしれない。
サービス開始の時点では、True VRで中継されるのは週に1試合だけとなっている。そのため、毎週自分の応援するチームが見られるわけではない。だが、利用者の多いGear VRプラットフォームで無料視聴できるならば多くのユーザがこのサービスを利用するのではないだろうか。
参照元サイト名：Intel Newsroom
URL：https://newsroom.intel.com/news-releases/intel-delivers-virtual-reality-experiences-fans-3-year-partnership-major-league-baseball/
参照元サイト名：Upload VR
URL：https://uploadvr.com/31381-2/
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