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マズルコントロールって何?必要なの?効果などについてまとめてみました!


犬が人間社会で一緒に暮らしていくためには人間社会のルールを知って従う必要がありますので、子犬の時期からしつけをしていくことが大切です。犬をしつけることには時間と飼い主さんが諦めずに教え続けるようにすることが必要です。

犬のしつけを考えておられるのであれば、一度は耳にしたことがあるかもしれないのが「マズルコントロール」です。もともとは母犬が子犬を叱るときに行なう「マズル(犬の鼻先から口元の部分)を掴む」という行動を人が真似してはじめたもので、母犬が叱るのと同じ方法で叱るという考え方です。

実はとても難しいテクニックと言われている「マズルコントロール」というしつけにはどのような目的があるのでしょうか。また、どのような効果が期待できるのでしょうか。ご紹介したいと思います。

犬のマズルコントロールとは?

散歩する犬

SasaStock/shutterstock.com

マズルコントロールとは、本来母犬が子犬のマズルを噛むことで犬社会のルールを教える行為のことです。母犬はマズルコントロールと通して、子犬が興奮しているときに落ち着くようにしたり「私はあなたを守れるくらい強いんだよ」ということを伝え、保護できるので安心するように教えます。

また外敵から身を守るために吠えないように子犬に教えるためにも母犬が子犬のマズルを口に含むことによってしつけます。犬にとって口や鼻は大切な器官ですので、マズルを使ったトレーニングは飼い主さんが犬に対して行なう基本的なしつけに効果的と言えるでしょう。

マズルコントロールのやり方

マズルコントロールとは

Dora Zett/shutterstock.com

しつけとして行なうマズルコントロールでは、飼い主さんが母犬に成り代わって、犬に対してマズルコントロールを行ないます。まずは基本は、犬の後ろ側(背中)側に立ち膝をつく姿勢で行ないましょう。チワワやトイプードルなどの小型犬の場合は、犬がすっぽり収まる程度に膝を広げて正座の姿勢で行なうのが良いでしょう。

この姿勢で犬を引き寄せて、片手でしっかりとホールドする体制をホールスティールと言います。嫌がって暴れてしまう場合など、どうしても愛犬がこの姿勢を維持することができない場合は、マズルコントロールのトレーニングを行なうことをやめましょう。無理矢理するのは犬と飼い主さんの関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

胸や耳の付け根など、犬がホールスティールの体勢を好きになるようなしつけ(条件付け)を行なうようにしましょう。決して無理に押し付けるようなことはせず、嫌がらないようにすることが重要なので愛犬の様子をよく観察しながら行なっていきましょう。

ホールスティールの体勢に慣れたら、次にもう片方の手で、マズルを軽く握ってすぐに離します。このときに大人しくしていられたら褒めてあげます。これを繰り返して、少しずつ時間を延ばしていき、同時にマズルの触り方を徐々に強めていくことによって、しっかりと握れるようになるまでトレーニングしましょう。

最初は「1秒程度触って、離す、そして褒める」ということを繰り返していって30秒程度までできるようにしていきましょう。これができるようになってマズルを触ることに抵抗がなくなったら、ゆっくりと左右、上下に動かしたり、ひねったりします。このときも最初はほんの少し動かしたら離して、褒めるというパターンで行なって慣れていくようにして、可動範囲を大きくしていきましょう。

今度は、犬歯の奥あたりに指を差し込んで口の中を触ることに慣れさせましょう。この段階はどの子もある程度の抵抗があると理解しておくことが重要と言えます。ここまでできれば基本的にはマズルコントロールができていると考えることができるでしょう。

さらに上級編としては、下あごに手を添えて軽く掴む感じでホールドして、もう片方の手で上あごを持ち上げて、抵抗なく口を開かせることができるようになれば満点と言えるでしょう。マズルコントロールは決して罰として行なってはいけません。親が子犬にするように安心させるために、愛情持ってやさしく行なうことを意識しましょう。

マズルコントロールは必要か

ハスキー犬

Ana Gram/shutterstock.com

マズルコントロールは、正しい方法で行なえば早い子で1週間程度、よほど何かのトラウマがある場合を除いて、大抵は数カ月でしつけることができるでしょう。しかし、マズルコントロールに失敗した。反抗的になり逆効果になったという意見もあります。マズルコントロールに賛否があるのはどうしてなのでしょうか。

考えられる要因としては



  • トレーニングの仕方が不適切であったために、犬に警戒心や嫌な体験によるトラウマを持たせてしまった。
  • 犬の適性や性格を考慮したトレーニングが出来なかったため、上手く条件付けができずに、犬に遊んでいるか怒られていると間違って認識させてしまった。
  • 難しいトレーニングの割に日常生活での有効性が低い。
  • 難しいトレーニングであるため、一般の飼い主さんがうまく行えないことが多いため、プロのトレーナーが推奨しなくなった。
  • 犬の行動学の進歩によって、マズルコントロールは必ずしも飼い主さんとの序列を認識させる効果が少ないとの所見がある。


これらの理由によって、近年では多くのトレーナーがマズルコントロールはやらないほうが無難である。あるいはマズルコントロールをしないほうがよいとの見解が増えてきてます。ただし、マズルコントロール自体は上手に行えば、しつけとして有効なので愛犬にとって必要かどうかを飼い主さんが判断することもできます。

マズルコントロールが必要かどうかという観点は、しつけの明確な目的や着地点を考え、飼い主さんのスキルレベルと愛犬の性質や習慣、育った環境によって、相対的に判断することができるでしょう。試してみてうまくできそうかどうかや極端に抵抗していないかなどの状況を見て判断することもできるでしょう。

犬と飼い主さんとの序列を訓練する目的であれば、他のしつけの方法を選択することができますので、手段なのか目的なのかを明確にした上で、その子にあったしつけの方法を実施することが大切なポイントと言えるでしょう。

マズルコントロールの効果

噛み付く犬

nupook538/shutterstock.com

マズルコントロールを行なう目的として、吠えつきやある程度の興奮を制御したり、マウスケアや投薬をスムーズに行なうことができるといったメリットがあります。犬の噛み癖をコントロールすることにも効果が期待できるでしょう。

また、飼い主さんに対する服従心を育むという効果があると言われてきましたが、これには賛否両論あるようです。最近の動物行動学の研究によると、マズルコントロールは親が子に対して優位性を確認するために行なっている行為であって、優位性を認識させる行為ではないという所見があるからです。このことから、飼い主さんがマズルコントロールを行なうことで、犬に優位性をしつける効果は希薄であると考えられています。

犬にとって、親子の関係性と犬と飼い主さんの関係性は同じ認識ではないことも分かってきました。親子犬を飼っている方は思い当たることがあるかもしれませんが、親子であっても犬同士には序列があり、子犬が大きくなって自我が目覚めてくると親に対しても、序列の優位に向かおうとする行動がみられます。飼い主さんの膝を取り合うといった序列の競争相手としての認識が行動からもみてとれるようになるのです。

マズルコントロールの効果は、犬の性格や経験によって大きく個体差があります。実施のスキルやプロセスによっても大きく差がでるので、トレーニングに対する適正や好みを考慮して行なうと良いでしょう。


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