はじめに


離島・加計呂麻島は、海が水色すぎて、緑が豊かすぎて、たまらなくのんびりな空気で満ちた小さな島です。さあ、電気自転車を借りてサイクリングにしませんか? 絶景の中で風を切り、好きな場所で停まって写真を撮り、細い道に迷い込む……プチ冒険が待っています。

Text&Photo:とまこ

加計呂麻島は離島の端から渡る離島。どうやって行く? どんなところ?


加計呂麻島は、奄美大島の一番南の街、古仁屋の対岸にある小さな島で(2014年の人口は1,300人ほど)、古仁屋港からのフェリーでのみ行くことができます。つまり、奄美大島に渡ったらまずは島を縦断、そこから船に乗って渡るのです。海外へ行くような旅感溢れる道のりでしょう?

なぜそんな加計呂麻島に憧れる女性が多いのか。それはもう、青すぎる海、ロマンチックな絶景、「のんびり」が充満する空気感! それにつきます。もしあなたがダイバーさんなら、潜らない手はないでしょう。
加計呂麻島へ渡るには古仁屋港から、瀬相港か生間港へフェリーでどうぞ。所要時間は20分〜25分ほどで、料金は往復690円です。

加計呂麻島を旅するには、車、バイク、自転車、何がいい?


加計呂麻島での移動は、バス、車、バイク(原付)、自転車が考えられます。バスは、路線も本数も少ないので、観光利用にはおすすめできません。レンタカーは島のあちこち遠くまで出かけるなら最適ですね。その情報は次回に書かせてください。

バイクで風を感じながら走り回るのも最高でした。ただ、加計呂麻で借りるのは難しいので、奄美大島側の対岸の街、古仁屋で借りて船で運ぶのが確実です(フェリー代はバイク込みで往復1,230円)。
今回、自転車旅をおすすめしたい理由は四つです。一つ目はお気軽だから。島全体が所属する瀬戸内町運営の「あまくまサイクル」と呼ばれるレンタサイクルがあって、予約いらずで乗り捨て可能、しかも安いって(4時間まで800円、1日1,500円、1泊2日2,500円)、ハードル低いでしょ。

二つ目は、いつでも写真を撮れるから。車もバイクもちょこちょこ停車して準備してカメラを構えるのは面倒で、撮る頻度が落ちるのは正直なところ。でも自転車なら残したい瞬間があるたびに止まってパシャリ、楽しいですね。

三つ目は小回りが効くこと。集落の道幅の狭さたるや!  車でハマった時は真っ青でした(笑)。自転車で細い路地のその奥も、冒険気分で確かめてきて下さい。

そして最後は達成感。「自分の足でここまで来たよ!」とドヤ顔どうぞ。ちなみに、山がちで起伏のある島ですが、電動自転車だからやりきれます!

レンタサイクルできる場所は3箇所、乗り捨てOK


あまくまサイクルは、生間フェリー待合所、瀬相フェリー待合所、加計呂麻島展示・体験交流館の3スポットで借りることができ、どこで返しても構いません。乗り捨てができるのは行動範囲が広がってありがたいですね。ただ、借りたい時と場所に必ず自転車が戻っているとも限らないので、借りに行く前に電話で確認すると安心です。

気になるのは電池の持ち時間。電池は自転車1台に1本設置されていて、60km走ることができます。手元の電源パネルの表示を切り替えると走行距離がわかるので、40kmくらい走っていたら先述の3スポットへ行きましょう。1本500円で交換してくれます。


◆加計呂麻島展示・体験交流館
所在地:鹿児島県大島郡瀬戸内町大字諸鈍3
電話番号:0997-76-0676
営業時間:9:00~17:00 

◆瀬相フェリー待合所
所在地:鹿児島県大島郡瀬戸内町瀬相110
電話番号:0997-75-0430
営業時間: 7:00~18:30

◆生間フェリー待合所
所在地:鹿児島県大島郡瀬戸内町生間51-3
電話番号:0997-76-0619
営業時間:8:00~17:00

写真を撮りたくなる何気ない瞬間が山盛り!


わたしが自転車を借りて走ったのは生間港から行く諸鈍方面ですが、一体何箇所止まったことか! 写真を撮って、絶景の中で休憩して、自転車ならではの時間を満喫しました。
道端に普通にパパイヤがたわわに実った木があるのも南国っぽくていいでしょう。
こちらは坂の上から向こうの半島の影を望んでいます。自転車だから気づける木と木の間の絶景の窓口です。
ザ・田舎的な細い道を、風に押されながら進むのは最高です!

必需品はおやつとドリンク。商店を見つけたらとりあえず寄っとく?


サイクリングの際、持っていたいのはおやつとドリンク。サイクリングはお腹がすくのでおやつがあるとうれしいことも多いかも。島には商店がほとんどないので、古仁屋側で買っておくか、持っていなければ港のおやつコーナー(上の写真)で念のためゲットして下さい。合わせてドリンクもぜひ。

11月に行った時もノースリーブが活躍するほどの気温でしたよ、水分補給はこまめにどうぞ。自動販売機は道端でたまに見かけますが、飲みたい時にあるとは限りませんよね。

これぞ離島的なお宿に泊まったら、最高にくつろげました


古仁屋に帰る最終便は、瀬相を18時5分に出る便です。加計呂麻で夕日を拝み、夜を味わって、朝日をお出迎えしたい方は、ぜひ島に泊まって下さい。めくるめく感動のシーンに出会えると思います。

ご参考まで、わたしが泊まったのは「加計呂麻BAGUS」で、作りは古いけど、とってもきれいに気持ちよく保たれていました。
個室がひと部屋、ドミトリーがふた部屋の、静かで居心地のいい一軒家の宿。島ではご飯を食べられるスポットも少ないので、キッチンが使えることもとっても助かります。ちなみに、キッチンを使うなら、古仁屋側で食料を調達しておくと吉ですよ。


◆加計呂麻BAGUS
所在地:鹿児島県大島郡瀬戸内町諸鈍981
電話番号:090-1603-6367

おわりに


加計呂麻島はハマる人が多いと聞きます。地形がとっても複雑なので「あっち側にはさらなる絶景が待っているのでは?」とロマンを掻き立てられるのかもしれません。あなたもぜひ、いかがでしょう?

◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド』(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!』(幻冬舎)、『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)など既刊12冊。2018年5月14日には奄美観光大使に就任。


情報提供元: 旅色プラス