はじめに


台北ローカルの間では、リゾートホテルやヴィラでの“おこもり”滞在が密かなブーム。人の多いスポットを避け、館内でご当地料理を味わったり、プールや温泉を楽んだり……そんな休日の過ごし方が選ばれています。宜蘭にあるヴィラ「泉月樓行館」も、自然豊かな敷地内で静かな時間を過ごすのにぴったり。大人のための注目リゾートを紹介します。

伝統的な三合院スタイルの、豪華でモダンなヴィラ。


桃園空港からの24時間直通バスが開通し、宜蘭までは約2時間の道のりに。穏やかに流れる冬山河のほとり、緑あふれる宜蘭の田園地帯に、2018年秋、ヴィラ「泉月樓行館(Apex Villa)」がオープンしました。もともとは、オーナーの両親の隠居にと、この地を選んで建てられたもので、ヴィラの名“泉月”は、両親の名前から1文字ずつ取ったネーミングなのだそう。
建物は中華圏の伝統的な建築様式“三合院”のスタイルに則り、コの字型に連なる形をしています。外壁には砂利入りのコンクリートと宜蘭産の石を組み合わせ、大地の躍動感を演出。敷地内への立ち入りは宿泊客に限定しているので、静かな環境が保たれています。

禅を意識した雅な空間、季節をうつし出す木々に癒される外庭。


3000坪にも及ぶ広い敷地内には、300株ものの樹木を植樹。五葉松や杉といった常緑樹は、隠れ家的な風格を醸し出し、樹齢100年のカイノキとギンモクセイは、季節の移り変わりを表現しています。池を擁する日本式庭園もあり、雅な雰囲気。軽く散歩するだけでも、心が落ち着くのを感じるはず。

木のぬくもり溢れる、心身に優しいインテリア。



客室は17〜44坪の5タイプ、全15室。日本の禅スタイルを意識したミニマリズム、木目の温かみを生かしたインテリア、掃き出しの大きな窓からの採光……と、心地よい空間が広がっています。すべての部屋にリビングルームがあるので、日中もゆったり過ごせます。

美人の湯に満たされる、至福のひととき。


浴室のお湯は、美人の湯といわれる重曹泉(ナトリウム−炭酸水素塩泉)。お肌の新陳代謝を促し、余分な角質を軟化させ、滑らかにする効果が期待できます。重曹泉での美肌の決め手は、早めの保湿に。豪華な浴室でVIP気分を満喫したあとは、お肌のお手入れをお忘れなく。

地元食材を使った創作フレンチに舌鼓。


食のレベルの高さもまた、泉月樓の魅力のひとつ。バーを併設するレストラン「泉月廳」は、完全予約制で、地元産の厳選食材を使った創作西洋料理を提供しています。固定メニューはなく、提供しているのは季節のおまかせコース料理のみ。この日は、三星鄉産のお米と果物の自家製ビネガードリンクからはじまり、梅風味の色とりどりのミックスプチトマトサラダ、南方澳で水揚げされたブリの炙り焼きアルゼンチンハーブソースがけ……と続いていきます。

名シェフの手にかかれば、伝統食もスタイリッシュに。


こちらは、宜蘭の名物のひとつ、竹筒おこわ。うるち米ともち米の特色を併せ持つ“高雄10號”という品種を採用し、粘りすぎない軽い食感に仕上げています。
メインディッシュの地鶏のグリルは、客家料理に使われるキンカンソースでさっぱりと。パリッと香ばしく焼き上げた皮も美味。

凝りに凝った一皿、臨場感ある演出に驚嘆!



デザートには銀河をイメージしたプレートで供されるココナッツケーキ。また、特製フレンチクレープは、テーブル近くで仕上げるパフォーマンスが好評です。

“茶屋”という名の、風を感じるカフェ。


カフェ「茶屋」は、その名の通り、大きな茶室風の別棟にあります。風が吹き抜けていく屋根付きテラス席が心地よく、刻々と変わりゆく雲の流れをぼんやり眺めていると、時が経つのを忘れてしまいそう。施設内には、蔵書をゆったり閲覧できる図書室があり、本好きならば長居必至です。

台湾食材を使った独創的なスイーツが並ぶ午後茶。


オープン以来、不動の人気を誇るのがアフタヌーンティー。地元の食材を使ったフレンチベースのスイーツが並びます。例えば、冬山烏龍茶マカロンは、茶葉をクリームに練り込んであり、甘過ぎずさっぱり食べられる一品。他には、赤いグアバのチーズケーキ、かぼちゃのシュークリーム、ローゼルのガレットクッキーなどなど……台湾産の果物をふんだんに使ったスイーツは、意表をつく素材使いと驚きのおいしさ。南国ならではのティータイムが楽しめます。

おわりに


「泉月樓行館」が提供するのは、静寂を求める大人のための贅沢な空間。ウエディングをはじめとしたパーティー、接待や研修といったビジネスユースなど、宿泊プランのオーダーメイドも可能です。台湾上級者の次なる旅のステップは、ヴィラ滞在。ひとときのおこもりステイを、宜蘭で。

◆泉月樓行館Apex Villa
住所:宜蘭縣冬山鄉茄苳路219號
電話:+886-3-959-5529
情報提供元: 旅色プラス