これは作ってみたいと、思わず唸ってしまう1台が田宮模型から発売される。それが1982年F1グランプリのマーシャルカーとして活躍した、トヨタ・セリカ・スープラのプラスチック・モデル。発売は4月25日(土)あたりとのことで、ちょっと気になる存在だ。新型コロナウイルスにより在宅が多くなる現在、こんなおもちゃで癒されるのもいいのでは?

当時のセリカ&セリカXX(スープラ)の最大の特徴はブラックアウトされたハッチゲートとバンパー。この2トーンが魅力的だった。

 田宮模型から1981年に登場した、2代目セリカXX (ダブルエックス)=輸出名スープラの中でも、ロングビーチGPのマーシャルカー仕様が登場した。


 実はこのモデル、この時代のスープラ(XX/ダブルエックス)の熱狂的ファンにとっては、とても刺激的なのだ。


 なぜ注目かというと、マーシャルカーとしての専用装備、ルーフの巨大な回転灯やデカールなどの装備も魅力なのだが、何よりも注目なのはオーバーフェンダー仕様だということ。

US仕様のスープラ(1984)。Pタイプはこのオーバーフェンダーが大きな特徴。

サイドビューも日本仕様とは大きく異なり、バッチリと決まる。

1/24モデルながらヘッドライトの開閉も可能。

 このスープラは現地、北米仕様モデルのPタイプである点が、非常に重要だ。このPタイプとはパフォーマンス・タイプのことで、当時のスープラはL(ラグジュアリー)タイプとの2種類がラインアップされていた。


 Lタイプは、日本仕様と同様の5ナンバー枠に収まるナロー・サイズモデルだが、このPタイプに当たるワイドモデル=オーバーフェンダー&ワイドタイヤを装備したモデルとして設定された。


 しかしながら、このワイドモデルは、とうとう日本で発売されることはなかった。なぜ登場しなかったのかというと、当時の日本の法規ではオーバーフェンダーは禁止されてしまったため。それ以前の70年代前半にはスカイラインGT-Rやフェアレディ240ZGやTE27型カローラ・レビンなど、オーバーフェンダーを装着したモデルはあったのだが、74年以降は禁止となってしまった。そのためこの82年に登場したXXには採用されず、海外仕様のスープラのみのスタイルとなった。

マーシャルカーとして派手な回転灯も装備。ディスプレイとして、実に映える仕様だ。

 このスタイルが実にカッコよく、日本のXXファンは悔しい思いをしていた。


 北米2代目スープラの発表当時の日本では、まだフェンダーミラーしか認可されていなかったのだが、このマーシャルカーのドアミラーを見てもわかるように、フェンダーからの造形がドアミラーと見事に整合していることがわかる。そんなことからも、北米仕様がオリジナルデザインでは? との声も多かった。


 もちろんプラモデルなので、自分で組み立て&塗装をしなければならないが、写真のように仕上がればあなたの部屋のディスプレイとしても魅力的。また、回転灯などを装着しなければ市販のスープラPタイプ、そしてオーバーフェンダーは別部品となっているので、オリジナルのボディ形状を楽しむこともできる。(ちょっとワイドタイヤだが……)


 腕に自信があれば、そんな楽しみ方もいいかもしれない。本体価格は3,080円(税込)だ。

参考までに、当時のスープラとセリカは同ボディで、6気筒エンジンを搭載するスープラがロングノーズとなった。この写真はUS仕様のセリカ。なんとこちらにもオーバーフェンダー仕様があったのだ。かっこいい!

1/24 トヨタ セリカ・スープラ ロングビーチGPマーシャルカーのパッケージ

田宮模型
情報提供元: MotorFan
記事名:「 クルマのおもちゃウォッチング 1/24 トヨタ セリカ・スープラのロングビーチGPマーシャルカーのプラモ登場