2020年2月14日(金)に発売されたホンダの新型スクーター「ADV150」。ホンダの二輪車正規取扱店からの受注状況は、何と年間販売計画台数の3,000台を上回る、約4,000台(2月10日時点)に到達。好調な立ち上がりを見せる「ADV150」だが、細部を見れば見るほど、そのスクーターらしからぬ性能と装備群に驚かされてしまう。




REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)


PHOTO⚫️株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

カラー別の受注構成比(2月10日時点・受注ベース)

マットガンパウダーブラックメタリック

ゲイエティーレッド

マットメテオライトブラウンメタリック

 ADV150は、2019年10月に開催された「第46回東京モーターショー2019」にて、市販予定車として出展され、2019年12月20日(金)、正式に発表。スクーターの魅力である快適性・利便性・機動力に加え、これまでにない個性的で力強い外観にアレンジ。通勤、通学、レジャーなど、幅広く楽しめる画期的なスクーターとして、2020年2月14日(金)に発売された。




 登場時から注目を浴びていたADV150の受注状況は上々で、発売前の2020年2月10日の時点で、年間販売計画台数の3,000台を上回る、約4,000台に到達した。




 ADV150は3色ラインナップされているが、カラー別の受注構成比(2月10日時点・受注ベース)は下記の通り。




・マットガンパウダーブラックメタリック……35%


・ゲイエティーレッド……34%


・マットメテオライトブラウンメタリック……31%




 ADV150は、高剛性なダブルクレードル構造のフレームに、耐久性と静粛性、燃費性能に優れたスクーター用グローバルエンジン「eSP(イーエスピー)※注1」を搭載。




 また、




・タフなイメージのアドベンチャースタイルの外観


・軽二輪スクーターとして取り回しやすい車体サイズ


・市街地から高速道路まで快適に走行できる力強いエンジン


・前後輪のディスクブレーキや「エマージェンシーストップシグナル」など、安全性を意識した装備


・2段階の高さ調整が可能なスクリーンや「Honda SMART Keyシステム」など、利便性を高める装備




 なども人気のポイント。足周りを専用設計とすることにより、未舗装路から高速道路までのさまざまなシチュエーションで快適な乗り心地を実現している点も、大きな魅力となっている。




※注1:「eSP(イーエスピー)」とは、enhanced(強化された、価値を高める) Smart(洗練された、精密で高感度な) Power(動力、エンジン)の略で、低燃費技術やACGスターターなどの先進技術を採用し、環境性能と動力性能を高めたスクーター用エンジンの総称。

水冷4ストローク単気筒OHC 149ccエンジンを搭載。

高性能なリザーブタンク付き&120㎜ロングストローク型リアショックを装備。

フロントフォークは、130㎜ストロークの正立タイプを採用。150ccクラス最長(2020年2月現在)のストローク量を確保することで、街中の凹凸などにおいてワンランク上の上質な乗り心地を実現。

燃料タンク容量は8.0L。

ラゲッジボックスの容量は27L。フルフェイスヘルメット1個(ヘルメットのサイズや形状によっては収納できない場合あり)の収納OK。

スクリーンは2段階調整可能。ローの状態。

スクリーンは2段階調整可能。ハイの状態。

「PCX150」は実用性重視、「ADV150」は“実用性と遊び心”を両立

 ADV150は、ホンダの大型アドベンチャーモデル「X-ADV(745cc)」が持つ攻撃的スタイルを、150ccのカテゴリーに落とし込んだモデル。スパルタンなデザインに加え、郊外の荒れた路面まで対応する、タフでパフォーマンスの高い足周りがポイントだ。




 ベースモデルは、ホンダの人気モデル「PCX150」だが、ADV150は、フロント14インチ、リア13インチの前後異径ホイールを採用。また、ADV150は、前後サスペンションのストローク長を、PCX150よりもロング化(150ccクラス最長のストローク量)。リアショックは高性能なショーワ製リザーブタンク付きを採用するなど、キャラクターは大きく異なる。




 タイヤサイズは、フロントがPCX150と同寸の110/80-14だが、リアはPCX150よりも1サイズ太い130/70-13に設定(PCX150は120/70-14)。悪路での走行を想定した、オフロード対応のトレッドパターンとしているのも、ADV150の大きな魅力。

エンジンやフレームの一部がADV150と共通の「PCX150」。
兄貴分の大型アドベンチャーモデル「X-ADV」。


路面のギャップに対する衝撃吸収能力もレベルアップ!

試乗:近田 茂

 身長168cmのライダーが試乗。他のスクーターに比べ、まずは目に見える景色の違いと、ちょっと気分の引き締まる乗り味に、新鮮な感覚を覚えた。




 シート高は795mmで、PCX150(764mm)よりもかなり高い数値だが、ステップボードがシェイプされているおかげで、足着き性はまずまず。




 スロットルレスポンスも元気が良く、路面のギャップに対する衝撃吸収能力もレベルアップ。バネ下がうろたえるほど暴れても、ライダーに伝わる振動や衝撃はかなり緩和されていて、乗り心地も良い。若い気持ちで走りを楽しめる乗り味と、実用的なスクーターの融合に、大きな魅力が感じた。詳しいインプレッションは下記リンクから。

便利なアクセサリーも充実!カスタムの素材にも最適



 車両本体のキーで開閉が可能。フルフェイスヘルメットを1個収納可能(ヘルメットは形状によっては収納不可)。許容積載量:3.0kg。サイズ:472(長さ)×480(幅)×300(高さ)mm。容量:約35L。カラー:ブラック。取り付けには別売のキーシリンダーセットとトップボックス取付ベースが必要。

許容積載量:8kg


サイズ:451(長さ)×385(前幅)×204(後幅)mm


材質:スチール 


カラー:マットアクシスグレーメタリック

 発熱体に合金ステンレス鋼(SUS)を採用した、Honda独自の半周タイプグリップヒーター。バッテリー電圧監視システムを内蔵し、電圧が低下した際にはグリップヒーターへの電源供給を自動的に中止してくれる。

2020年4月発売予定。

アクセサリー装着車。

車名・型式:ホンダ・2BK-KF38


全長(mm):1,960


全幅(mm):760


全高(mm):1,150


軸距(mm):1,325


最低地上高(mm):165


シート高(mm):795


車両重量(kg):134


乗車定員(人): 2


燃料消費率(km/L):


 54.5(60km/h)〈2名乗車時〉


 44.1(WMTCモード値)〈1名乗車時〉


最小回転半径(m):1.9


エンジン型式 :KF38E


エンジン種類 :水冷4ストロークOHC単気筒


総排気量(cm3):149


内径×行程(mm):57.3×57.9


圧縮比:10.6


最高出力(kW[PS]/rpm):11[15]/8,500


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):14[1.4]/6,500


始動方式:セルフ式


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


燃料タンク容量(L):8.0


変速機形式:無段変速式(Vマチック)


タイヤサイズ(前 /後):


 110/80-14M/C 53P


 130/70-13M/C 57P


ブレーキ形式 (前/後): 油圧式ディスク/油圧式ディスク


懸架方式 (前/後):テレスコピック式/ユニットスイング式


フレーム形式 :ダブルクレードル


キャスター角:26°30′


トレール:85mm


ステアリング切れ角:46°


製造国:タイ
情報提供元: MotorFan
記事名:「 なぜ人気? ホンダADV150の受注が年間販売計画台数3000台を上回る4000台を達成