アウディジャパンはプレムアムコンパクトスポーツ「アウディTT」の日本導入20周年を記念し、7月29日にトークライブ「バウハウス100ジャパン・トークライブ」を開催した。

「デザインとは過去の作品に対する敬意であり、継承である。アウディはそれを実践している会社です」(和田氏)

 このイベントには、デザイン評論家・武蔵野美術大学名誉教授であり、バウハウス100周年委員会委員を務める柏木 博氏と、SWdesign代表で元Audi Designデザイナーの和田 智氏をゲストに迎え、100周年を迎えたドイツの造形芸術学校 bauhaus(バウハウス)と日本導入20周年を迎えたAudi TTをテーマに、デザインについて語り合った。

 柏木氏は、今から100年前、1919年にドイツのワイマールに創立されたバウハウスの歴史を振り返った。アウディのデザインについて「独特のグリッドシステムの上に、それをつなぐコンパスのライン、曲線をつくっている。アウディの伝統の中でさまざまなバリエーションが組まれて、伝統を引き継ぎながら面白いデザインをつくろうとしている。その根底にはドイツというものがあり、バウハウスがあるということ」と解説。

 Audi Designに11年間在籍し、数々のコンセプトカーや市販車のデザインを担当してきた和田氏がアウディに入社したのは1998年。奇しくもAudi TTのデビュー年だった。




 和田氏は、「アウディデザインのスタジオに初めて入り、一番最初に見たクルマがアウディTTのロードスターでした。その向こうには、もうひとつのバウハウス・デザインの作品ともいえるアウディA2があり、さらにその奥には、数カ月後に発表を控えたアウディTTクーペのプロトタイプが置かれていました。アウディは私を強烈なインパクトとともに出迎えてくれた。それは次なる時代に向けての挑戦状を投げつけられた感覚だったのです」と当時を振り返った。

 このふたりのトークセッションで、和田氏は初代アウディTTから現行の3代目に受け継がれるフューエルリッドのデザインを例えに、「こういったひとつのディテール中にも継承性を持たせ、過去のデザインに敬意をもって接する。デザインとは過去の作品に対する敬意であり、継承である。アウディはそれを実践している会社です」とコメント。

 初代アウディTTのコンセプトカーを忠実に再現した、円をモチーフに直線と組み合わせたシンプルかつ先進的なスタイリングは、当時の自動車デザインに大きな衝撃を与えた。それはバウハウスのデザイン思想を体現するものとして、今なお語り継がれている。

写真左から柏木 博氏、和田 智氏、アウディジャパンのフィリップ・ノアック代表取締役社長

 なお、アウディジャパンは、バウハウス100周年を機に開催される巡回企画展「開校100年 きたれ、バウハウス —造形教育の基礎— 」を協賛。この美術展は、新潟市美術館(2019年8月3日~9月23日)を皮切りに、西宮市大谷記念美術館(2019年10月12日~12月1日)、 高松市美術館(2020年2月8日~ 3月22日)、 静岡県立美術館(2020 年4月11日~5月31日)、 東京ステーションギャラリー(2020年7月17日~9月6日)の、国内5カ所の美術館で開催される。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 アウディジャパンが「アウディTT」の日本導入20周年を記念したトークライブを実施