アストンマーティンの代名詞とも言える「DB11」には、“ヴォランテ”と呼ばれるオープンモデルが存在する。DB11 V8をベースにした極めて粋な世界観が特徴だ。この贅沢かつ優雅、そして高性能なスポーツGTのオープンモデルを、ジャーナリストの佐藤久実が動画とともに語る。




REPORT◎佐藤久実(Kumi SATO)


PHOTO &MOVIE◎小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

【動画】アストンマーティンDB11 ヴォランテ ☓ 佐藤久実

走りが良いのは当たり前。ヴォランテだから価値がある。

「DB11ヴォランテを選ぶ人って、本当にクルマが好きで、デザインから走りまで分かっていると思いますね。しかもオープンカーっていうライフスタイルを敢えて選んでいるわけですから本当にお洒落だと感じます」




 そう語るのは、モータージャーナリストの佐藤久実。根っからのスポーツカー好きで、レース経験も豊富。それこそニュル24時間レースまで参戦した経験があるレーシングドライバーとしても手腕を振るう存在だ。そんな彼女でも、アストンマーティンのヴォランテ=オープンモデルは格別だと話を続ける。




「まず乗っていて気持ちが良い。一般道からワインディング、高速道など、色んなシチュエーションで走りましたけど、それぞれのシーンで環境にマッチした走りをしますね」

「スポーツやスポーツプラス・モードにしても尖ったところがほとんどないんです。すごく人に寄り添ったチューニングだと感じました。当然、アクセルのレスポンスは上がりますけど過敏さはない。アクセルを踏みこんでいった時でも絶妙なタメがあるんです。踏んだ瞬間にいきなり飛び出すような感じがない」




 やはり、アストンマーティンの基本はGT=グランドツアラーだということだろう。それが見事に体感できると語る。そしてパワートレインに触れ始めた。




「AMGのV8ツインターボエンジンを搭載しているのが話題となりましたね。私も正直、最初はイギリスとドイツの組み合わせは、どうだろうかと思っていたんですけど。まったくキャラクターが違うのに大丈夫かな?と。でも、今日あらためて思いましたけど、サウンドも含めてちゃんとアストンになっている。けっして借り物みたいな印象はありませんね。すっかりアストンです」

 そしてヴォランテ=オープンモデルに関して、個人的な思い入れも含めて言葉を重ねる。




「4シーターオープンは個人的に大好きです。トップを空けた瞬間に世界が広がるその感覚が良いんです。スポーツカーに乗っていると、通常はスピードを求めたくなるんですけど、オープンカーの場合は絶対スピードに束縛されなくなります。たとえ30〜40kmで走っていても気持ちが良い」




「最近の主流はどうやらメタルトップのようですけど、私は断然ソフトトップ派。やっぱりエレガントです。硬質なボディに対して、ソフトトップは柔らかさがあるから、そのマテリアルの対比、コントラストがあって魅力が増しますね。カラーの違いもソフトトップならでは。デザインをさらに引き立たせていますね」

「オープンカーは、エクステリアとインテリアを同時に楽しめるのも大きな特徴です。その対比を楽しめます。DB11ヴォランテのボディは美しい。それに対して内装は、素材やカラーなどのコントラストも楽しませてくれるから乗り込んでさらに惚れ惚れする。すごくお洒落ですね。特に私が刺さったのは、シートバックにウッドをあしらっているところ。必要じゃないけど、こういうのが贅沢で良い。オープンにすると細かいところまで見えるから、ちゃんとデザインされていると実感しますね」

 それでもオープンモデルに手を出せないという人もいるのは事実。しかし、そんな心配は無用だと佐藤久実は続ける。




「オープンカーを買うのって、ちょっと勇気がいると思いますけど、トップを閉めて乗っていれば普通にクーペです。実は過去3回ほど4シーターオープンを所有してきましたけど、ほとんどルーフを閉めて乗っていました(笑)。私は、本当にオープンにしたい時だけ開けるんです。それこそ景色がきれいな時、空気が良いと思った時だけです。そういう意味ではすごく贅沢ですけど、乗ったら、すてきな世界観が待っていると思うと、やめられなくなりますね」

「アストンマーティンは個人的に大好きなブランドで、なんといってもこの美しさに惹かれますね。見た瞬間に“なんてきれいなクルマなんだろう”て思う。全体的にすっきりしていますが、リヤにかけてヴォリューム間が出ているので、グラマラス。シンプルで無駄もない。だから美しい。特にクーペやオープンカーは、デザインが大事ですから」




 どうやら、また欲しくなる1台を見つけてしまったようだ。スポーツGTとしての魅力に、オープンの世界を併せ持った「DB11ヴォランテ」。この粋な世界は、他では絶対に得られない、独特の魅力を秘めているようだ。

【SPECIFICATIONS】


アストンマーティンDB11 ヴォランテ


■ボディサイズ:全長4750×全幅1950×全高1300㎜ ホイールベース:2805㎜ ■車両重量:1870㎏ ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3982cc 圧縮比:10.5 最高出力:375kW(510ps)/6000rpm 最大トルク:675Nm/2000〜5000rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):前255/40ZR20(9J) 後295/35ZR20(11J) ■車両本体価格:2423万2276円(税込)
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【オフィシャルサイト】アストンマーティン・ジャパン
ASTON MARTIN DB11 VOLANTE

情報提供元: MotorFan
記事名:「 贅沢かつ優雅な「アストンマーティンDB11 ヴォランテ」の世界。《動画レポート》