ドイツの首都・ベルリンの国際展示場「メッセ・ベルリン」。世界最大級の電子技術見本市「IFA(国際コンシューマ・エレクトロニクス展」の開催場所としても知られるこの巨大な施設は、ベルリン市内でもかなり西側にあります。広大な森が横たわる「Grunewald(グルーネヴァルト)」エリアまでもうすぐという、中心地からは少し離れた場所に位置しているのです。


そんな会場の最寄駅「S Messe Nord/ICC」で目当てのバスを待っていると、ときどきギョッとするような車両に出会うことがあります。とてつもなく古く、それにしてはとても綺麗な2階建てバスが今も現役で運行していて、もちろん切符代を払えば誰でも乗車可能です。


ベルリン市内のバス路線番号「218」。「メッセ・ベルリン」から「グルーネヴァルト」にかけて運行されているこれらの古いバスには、復元と保存に情熱を傾け、さらに現役で使うことにこだわる、人々の熱い思いが込められていました。今回のドイツ現地レポは、「Traditionsbus(トラディツィオーンスブス)」と呼ばれるベルリンのクラシックなバスについて紹介します!


設立は30年以上前



Traditionsbusのはじまりは1989年。ベルリンの壁が崩壊したその年に、ちょっとしたクラブや愛好会のような体制でスタートしました。現役のバスの運転手を含む数人のグループが、古いボロボロのバスを買い取り、仕事が終わった後の時間でこつこつレストアするという、当初はそんなささやかな活動内容だったようです。


彼らの夢は、自分たちが子どもの頃に乗っていたバスを復元して所有し、自由に走り回りたい、というものでした。最初のバスのレストアが完了し、再び公道を走らせた時点で彼らの夢は叶えられたのですが、それだけでは終わりませんでした。



グループの活動は次第に活発化。ベルリン以外の都市からも老朽化したバスを買い集め、グループへの参加者も増加していきます。資金が十分にあるわけではなかったようなのですが、資金不足は彼らを止める理由にはなりませんでした。Traditionsbusで復元されたバスの1台は、歴史的価値が認められ、ベルリンのドイツ技術博物館に収蔵されることが決まるなど、グループの活動は公的にも認められるようになっていきます。


転機となった「定期運行開始」



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情報提供元: 外車王SOKEN
記事名:「 ドイツ・ベルリン発、レストアされたバスは年間9万キロを走破!歴史的価値が認められた個体も