マセラティ Ghibliを拝借し、山口まで陸路往復、2,300キロを超える距離を乗ってみて、表題の予感についてだけは改めて総括しておきたいと思います。大きさの割に、煩わしい感じが少ない。伝統のブランドの高級車ではあるが、ドライバーと「呼応」し合える感じは、プレスティッジを競うのではなく、上質な麻のシャツにでも手を通したような印象を受けました。


独特の演出の効いているセラティ Ghibli



じつは相当買い得感の高いチョイスだと思うのです。このモデルの発表の時「メルセデス・ベンツ EクラスやBMW5の上級モデル」がターゲット層という説明がありました。しかし、そういうところのクルマを選ぶ人が、同じ天秤場でこのクルマをまず「検討」するでしょうか?多分しないでしょう。伝統のブランドにある程度重きを置いて、クルマが好き。そういう人ですから、メルセデスであればAMG、BMWならMかアルピナ。可能かどうかではなく、そういうところに意識がいきそうなのではないかと思うのです。大きさと排気量のクラス分けでは説明のつかない、ハードルを超えさせることが出来る魅力がこのクルマにはあると思うのです。




そうやって考えるとたとえばC63と比べても、一方でこちらの装備をかなり充実させたとして、まだ安価なわけです。マセラティなのに!確かにパワーも330馬力「しか」ありません。ただ、330馬力では不足…という人はもともとこのクルマのターゲットではないのです。そして、それでもこの価格帯で左ハンドルもチョイスできるクルマ、そういう意味でもこのギブリは希少です。



実際、ボディの作りもドイツ勢のそういうものと比べると大味です。そして、430ほどではないですが、いろいろ突っ込みどころ満載な独特の演出、配置は未だ健在なのです。そしてこれらが、マセラティを見限り、選ばない理由になるかといえばそんなことではなく、それ以上にこのクルマが動かしがたいマセラティである事実を醸し出している一点をもってして、このクルマの存在意義の説明は充分なのです。



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情報提供元: CL
記事名:「 マセラティ Ghibliで陸路往復2,300キロを試乗。これは430の進化した後継車だ