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ベルギー西部の都市・コルトライク(Kortrijk)で隔年開催される世界最大のバス専門ショー・Busworld Europeの会場レポート後編をお届けする。
先回は世界で関心が高まり、既に実用化の時代に入った市街地用電気バスを中心にご紹介したが、今回は観光系の車両や小型バスなどである。
日本の自動車の技術上の法的根拠である道路運送車両法保安基準ではもともと2階建てバスを想定していない。国内を走る2階建てバスの車両全高3.8mも、それまでの車両全高3.5mでは海上コンテナを輸送する上で支障をきたすことから改正された数字に合わせたものであり、車両全高4.0~4.4mの欧米の2階建てバスに比較して居住性は大きくスポイルされている。
ヨーロッパの観光系2階建てバスでは最新モデル。最新型は2階床構造に積層複合素材を採用して軽量化を実現、最大96人の定員と1階の室内高は1,855mmを確保した(2階席は1,724mm)。
全長13mのFDD2-13と同14.1mのFDD2-14.1の2タイプがある。荷物室容量は13が8.3㎥、14.1は9.3㎥を確保する。搭載エンジンは排気量12.9ℓのDAF製MX-13(標準375kW/2,500N・m、オプション340kW/2,300N・m)、ZF製アストロニックを組み合わせる。
英国最大のバスメーカー、アレキサンダー・デニスリミテッド(ADL)は意外にもBusworld初参加。11月に英国でバス専門ショーの開催を控えているからだが、2階建てシティバス・エンヴァイロ500が圧倒的シェアを誇る香港市場のほか、カナダやメキシコでも好調なことも背景にあるようだ。
展示車は19台受注したスイスのポストバス向けの1台。全高4m、全長13m、78席のエアコン装備車だ。
イリザール(IRIZAR)はスペインの老舗コーチビルダーで、2015年にデビューしてCoach of the year 2018を受賞したフラッグシップモデルi8と同じルックスを、スカニアPBとして注目を集めたイリザールi6に組み合わせたのがこのi6S。
イリザールi8は車両全高が3.98mあるが、イリザールi6Sはi6同様3.5mと3.7mの2種類。全長は10.8/12.4/13.22/14.07/14.98mの5種類、搭載エンジンはDAF製271~375kW(i8は320~375kW)と多彩なラインアップを展開する。全長14m以上は後2軸の3軸車になる。
いすゞの海外関連企業であるトルコのバスメーカー、アナドルイスズがヨーロッパ市場向けに開発したフルフラットノンステップバス・シティポートのCNG(天然ガス自動車)仕様。中小型バスではいすゞのエルフやフォワード向けのエンジンを搭載するが、12mシティバス用にはカミンズ製を選んでいる。
バスラマNo.166では、Busworld後編の様子を詳しくレポートしている。ほかにも本誌の特集では「バス事業者訪問」で山梨交通を訪問、三井物産の電気バス事業なども取り上げている。