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先に紹介したBusworldのレポートからもおわかりのように、欧米のバスの「脱ディーゼル化」は日本のバス業界関係者が意識している以上に進んでいる。
脱ディーゼルバスとはハイブリッド、電気、天然ガス、水素などをエネルギー源にするバスを指す。
各地で様々な展開が見られるが、ロンドンやパリなど大都市では電気バスが主役に位置づけられて、各社の新型電気バスの実用評価が進められている。
ここに紹介するのはオランダでの新型電気バスの導入例で、中南部の都市・アイントホーベン(Eindhoven)に2017年2月に登場したフルフラット連節電気バス・VDL製のシティア・エレクトリックSLFAeである。
導入台数は43台で、その数は欧州でも最大級とされる。愛称はBravoで、地元バスメーカーVDLとのパートナーシップで導入された。
電気バスのシステムはシーメンス製。モーター出力は210kWh、最大トルクは3,800N・m。全長18.15mで車両重量は18.35トン、乗車定員は143人である。
運行事業者のエルメスでは環境保全と脱ディーゼル化に際して、これまでのNGV(天然ガス車)からオランダ政府が進める電気バスの導入に舵を切ったのだが、その過程では車両価格と充電インフラの検討が進められた。今回のBravoはすべてアイントホーベンに集中配置され、充電は営業所でのみ行い、途中の充電施設を持たない方法を選ぶなど、施設面でのコスト抑制も図られている。
運行形態、充電施設の内容、同社の事業環境など、より詳しい内容は「バスラマ No.165」を参照されたい。