阪急バス運転士に聞くここだけの話?



ベテランバス運転士に聞く、仕事のやりがい



ベテランバス運転士の尾嶋誠司さんは、路線バスと高速バスのハンドルを握っています。




尾嶋誠司さん(50歳・ドライバー歴25年)



Q.阪急バス運転士になられたきっかけを教えてください。



尾嶋さん:大好きなこの街(大阪)で仕事をしたいと思い、阪急バスに入社しました。



Q.バス運転士の仕事の魅力は何でしょうか?



尾嶋さん:阪急バスに入社する以前は、まったく別の仕事に就いていました。その時は、必ずと言っていいほど1日の仕事が終わることはなく、翌日まで前日の仕事を引きずっていました。



しかしバス運転士は1日の乗務を終えて無事に車庫へ帰ってくれば、1日の仕事は終了。家などでゆっくり休んで、明日に向けてきっちり気持ちを切り替えることができます。私は翌日に引きずることなく、日々の生活にメリハリをつけることができるのが大きな魅力だと思います。



Q.バス運転士として心がけていることは?



尾嶋さん:たとえば自分が住んでいるエリアを担当する場合、私の家族、同僚の家族や知人が乗車するかもしれません。その際、同僚の家族や知人はもちろんのこと、他のお客様も私の勤務態度をみて、同僚や会社のイメージをもつことになるでしょう。



私は、様々な方が利用されるバスだからこそ、安心してご乗車いただけるように意識しながらハンドルを握ることはもちろん、会社のイメージを担っているという誇りをもってお客様と接することを心がけています。路線バスはもちろんですが、高速バスでも同じ気持ちです。



Q.バス運転士をめざす方にメッセージをお願いします。



尾嶋さん:どんな仕事を選んでも決して楽なことばかりではありませんが、バス運転士はこの街で暮らす方々を支えていると実感できる仕事です。ドライバー仲間がどんどん増えて欲しいので、阪急バスをぜひ受験してください!






バス運転士ならではの体験談や職業病は?



ここからは、尾嶋さんとともに、宮本さんと久下さんのお二人にも加わっていただきました。





宮本年雄さん(44歳・ドライバー歴6年)


久下雄太さん(28歳・ドライバー歴5年)






Q.バス車内での忘れ物は、傘がNo.1とお聞きしていますが、それ以外でなにかユニークな忘れ物はありますか?





尾嶋さん:忘れ物ではないのですが、料金箱へ運賃と一緒に自宅の鍵を誤って入れてしまったお客様がいました。



――その場で料金箱を開けて、お返しすることはできないのですか?



尾嶋さん:はい、バス運転士は料金箱の鍵を持っていません。そのため営業所まで行かないとダメなんです。



――それでっ! そのお客様は?



尾嶋さん:運悪く営業所を出発したばかりのバスだったので、その路線の終点まで行き、折り返して戻ってくるまでご乗車されました。夜も遅く終バスに近い便に乗務していたので、そのお客様が帰るバスはあるのかと心配していましたが、車庫に戻った際にそのお客様が無事にバスに乗って帰られたと運行管理者から聞いた時は安心しました。



――料金箱は運転士さんが開けることはできないんですね。私たちも気をつけます。





Q.プライベートでついやってしまうことはありますか?



 





宮本さん:私は中途採用で阪急バスに入社しました。以前はバスにあまり関心がなかったのですが、家内と伊勢を旅行した際にどんなバスが走っているのか、どんなバス運転士さんが運転しているのかが気になってしまい、バスばかりに目がいってしまって………

そんなことばかりしていたら、冷たい目で見られてしまいました。



久下さん:私は他社のバスを利用する機会があるのですが、アナウンスが気になります。アナウンスは人によってすごく個性が出るので勉強になり、非常に丁寧で親切なアナウンスをされている運転士さんのバスに乗った際はアナウンスを覚えて帰って、自分がアナウンスをする時の参考にしています。



尾嶋さん:私もアナウンスは気になります。今では運転士のためのアナウンス講習がありますが、私の時代は習う機会がありませんでした。



――皆さん、仕事に関わることに意識が向いてしまうんですね。





Q.私生活でも車を運転される機会があると思いますが、仕事のクセのようなものは出ますか?



 

宮本さん:出ます、出ます! カーブの時にバスと同じように、大きくハンドルを切ってしまいます。





久下さん:私も同じです。内輪差が大きいバスを運転するクセで、通勤などにおいて乗用車を運転する時もつい余裕をもって曲がってしまいます。






Q.オススメの路線やスポットはありますか?



 

宮本さん:空港線です! 付近には大阪国際空港があり、間近に航空機を見ることができます。



久下さん:大阪駅周辺や梅田界隈は、毎日変化していておもしろいです。見る度に街の風景が変化していくので見ていて飽きません。



尾嶋さん:淀川に架かる十三(じゅうそう)大橋もオススメのスポットです。国道のすぐ隣には、阪急電車のたくさんの線路が並んでいます。同時に何両もの列車が行き来する光景は、鉄道ファンにはもちろん、そうでない方でも楽しめます。あと新御堂筋の朝日の風景も素敵です!




十三大橋



――十三大橋は全長681.2mの長い橋です。淀川の上は見通しも良いので、これも圧巻ですよね。

阪急バスの路線バスでは、阪北線(11系統・13系統・63系統)、加島線(18系統)の大阪駅と十三駅間で見ることができます。






Q.最後に、阪急バス運転士の仕事についてや読者の方へ向けてひと言お願いします。



 

久下さん:朝早いのが苦手だったので最初の頃は辛い毎日でしたが、今ではすっかりこの生活サイクルにも慣れて、街の変化とともに仕事を楽しんでいます。



宮本さん:朝が早く、夜が遅いといったように、なにかとキツイ仕事のイメージがつきまとうバス業界ですが、労働環境は良くなってきています。また他の業界と比べて休憩時間が長いので、平日のお昼を有効活用することが可能なのもバス運転士の特徴です。



私は契約社員を経て、現在正社員として働いています。賃金や休暇といった面での違いを経験しているのですが、今後採用になる方は入社時から正社員として働けるので安心感を得られはずです。

※阪急バスでは、2019年4月からバス運転士の正社員採用を実施しました。



最後になりますが、阪急バスは優しい先輩や何でも相談しやすい責任者がたくさんいる働きやすいバス会社だと思います。皆さんが阪急バスに入社され、仲間となれる日を楽しみにしています!






まとめ



話を重ねるうちに「あっ! そういえば」と、いろいろなエピソードを聞かせてくれた阪急バス運転士の皆さん。普段、運転中には、あまりお話しすることはできませんが、バス運転士の皆さんは様々な情報と知識をお持ちだということがわかりました。機会があれば、また他のエピソードを紹介したいと思います。



阪急バスの尾嶋誠司さん、宮本年雄さん、久下雄太さん、ありがとうございました。





(出雲義和)


情報提供元: バスとりっぷ
記事名:「 阪急バスの運転士がオススメする路線は「大阪国際空港線」 その理由とは?