以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家アイデア投資家氏(ブログ「アイデア投資家」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年4月16日1時 に執筆

今年1月ごろから大きく話題となった、仮想通貨に対する各国の規制への動き。また、コインチェックを巡る問題などにより大きく値動きのあった仮想通貨だが、その取引実態はこれまであまり知られていなかった。

4月10日に金融庁が開催した仮想通貨交換業等に関する研究会で、日本仮想通貨交換業協会が報告をした資料(スライド40枚)が公開されており、一端を理解する上で有意義なのでポイントを4つ紹介する。尚、多くの情報は2018年3月時点という注釈がついている(一般社団法人日本仮想通貨交換業協会:仮想通貨取引についての現状報告より引用)。

最初のポイントは、「どんな年代層が仮想通貨取引所で口座を開いているか」だ。
研究会の資料(スライド19)によると、日本人の約3%に当たる350万人が仮想通貨取引経験があり、20〜40代が約85%を占めていた。

2つ目のポイントは、「仮想通貨取引ユーザーがどれぐらいの資産を口座に保管しているのか」だ。研究会の資料(スライド21)によると、仮想通貨投資家の9割超は、預け資産額が50万円未満だった。一方で、億り人とも言われる1億円以上の資産のある口座数所有者は0.02%の268口座=268人だった。2018年3月時点の情報なので、その後に利益確定して、銀行口座に資金を戻した人はカウントされていない。そのため、億り人はもっといる可能性があることには注意しておきたい。

3つ目のポイントは、「主要通貨の1日あたりの取引量推移」がどうなっているのかだ。
研究会の資料(スライド5)によると、ビットコイン(BTC)の最大取引量は、18年年初の1月5日に2兆6902億円を記録し、日経平均の1日の平均取引量に迫る勢いだったようだ。

他に1兆円超えした通貨は、ビットコインキャッシュ(BCH)の1兆3431億円(17年12月20日)、イーサリアム(ETH)の1兆362億円(18年1月10日)、リップル(XRP)の1兆142億円(18年1月18日)。 日本取引所グループによると、2017年の一日平均売買代金は3.2兆円だったので、仮想通貨取引の急速な拡大が分かるだろう。

4つ目のポイントは、「取引に使用されている法定通貨・仮想通貨がなんなのか」だ。
研究会の資料(スライド12)によるとビットコイン(BTC)取引の57%が、日本円で行われており、日本人投資家が6割弱だったと推定される。(その次に多かったのはUSDの20%)
それ以外の主要通貨の取引は、イーサリアム(ETH)がUSD 30%だが、BTCも同程度あり、韓国ウオン6%、ユーロ4%がそれに続き、リップル(XRP)も韓国ウオン26%と同程度にBTCがあり、USD 16%が続く。またビットコインキャッシュBCHは、BTCが約半分を占め、次いでUSD 15%、韓国ウオン3%となっている。

いかがだっただろうか。仮想通貨の取引実態を網羅的かつ定量的にまとめた情報が、これまで不足していたので、今回のような業界団体が発表した資料を読み解くことで、仮想通貨がどういった投資なのか考える機会になったのではないだろうか。

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執筆者名:アイデア投資家
ブログ名:アイデア投資家



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情報提供元: FISCO
記事名:「 個人投資家アイデア投資家:仮想通貨取引の現状報告から読み解く投資実態【FISCOソーシャルレポーター】