ティーケーピー<3479>は18日、新株式発行及び株式売り出しによる資金調達を発表。新株式発行及び売り出しする普通株の総数は550万株を予定している。最大調達額は247億円を見込み、新株式発行による希薄化は13%以下にとどまる。

同社は、成長戦略として中核事業とのシナジーを軸としたM&Aや事業提携に積極的に取り組んでおり、5月に日本リージャス社の発行済株式の全てを取得し、8月には台湾リージャス計13社の持分全てを取得することを決定した。今回の新株式発行による調達資金は、日本リージャス社の買収に伴う同社の短期借入金の一部の返済に充当するとともに、財務安定性を高め、国内外の事業、特にアジアでの事業展開の加速を目指す。また、株式数の増加により流動性を高める。

同社は高成長を続けており、今期2020年2月期の業績予想は売上高562.06億円(前期比58.2%増)、営業利益76.07億円(同77.4%増)の大幅な増収増益を見込んでいる。8月には2020年度から2022年度までの3年間の新中期経営計画を発表した。基幹事業の堅調な成長および日本リージャス社、台湾リージャス社の取得により、貸会議室・宴会場・レンタルオフィス・コワーキングスペース等のフレキシブルオフィスや宿泊施設の需要が引き続き旺盛であることから前回6月の公表から短期間での見直しをしている。 最終年度2022年2月期業績は、売上高793.26億円(前回公表対比3.2%増)、EBITDA 183.13億円(同9.3%増)、営業利益124.71億円(同10.2%増)、経常利益119.18億円(同11.4%増)、純利益64.06億円(同0.8%増)を見込む。前回公表時との比較では全項目において上方修正しており、営業利益・経常利益については10%超の大幅な増額修正となった。新中期経営計画では、EBITDAを最も重視する経営指標としており、3年間で売上高比23%を目指す方針だ。

また、「国内フレキシブルオフィスNo.1から世界ブランドへ」を新たなテーマとして掲げ、台湾進出を皮切りにアジアに積極進出、その他エリアへの拡大を目標とした海外展開の加速を発表した。今回の新株式発行により長期的な企業価値の向上へとつなげていきたい考え。

一方、同社は現在マザーズ市場に上場しているが、流動性向上の狙いとしては市場変更を意識したものと推察される。すでに国内外の機関投資家からの注目度が高い銘柄であるだけに、東証一部への鞍替えとなった際には、より積極的な関心が向かうことが想定されるため、今後の動向に注目していきたい。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 TKP---新株式発行及び株式売り出しによる資金調達を発表、海外事業の加速を目指す