31日の日経平均は続落。167.96円安の18917.01円(出来高概算18億6000万株)で取引を終えた。中国の3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52と、前月(35.7)から上昇し、景況拡大と悪化の分かれ目である50を予想外に上回ったことが材料視され、前場半ばには一時19336.19円と上げ幅が200円を超える局面もみられた。

しかし、その後はこう着感の強い相場展開となり、大引けにかけて下げ幅を広げている。前場の終値段階でTOPIXが上昇して終えていたこともあり、日銀のETF買い入れが期待しづらいほか、配当再投資に伴う需給もないことから、引けにかけては前場の上昇に対するポジション調整といったところ。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは、鉄鋼の下落率が5%を超えているほか、銀行、輸送用機器、水産農林、証券、卸売、その他金融、食料品、陸運が軟調。半面、鉱業、石油石炭が小幅に上昇している。指数インパクトの大きいところでは、リクルートHD<6098>、ファナック<6954>、トヨタ<7203>、アステラス薬<4503>が軟調。一方で、ファーストリテイリング<9983>、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>が堅調だった。

東証1部の売買代金は3兆円程度にとどまっており、3月6日以来の低い水準である。昨日も3.1兆円程度と低水準だったが、日銀のETF買い入れによる需給が下げ幅を縮める格好だった。本日はTOPIXが前場段階でプラスだったこともあり、日銀の需給の下支えがなかったことが、大引けにかけての弱い値動きにつながったようである。

テクニカル面では25日線に上値を抑えられる格好であるが、19000円処での底堅さが意識されてきている。テクニカルの反応は出難いであろうが、足元では煮詰まり感が意識されやすいところでもあろう。25日線突破ともなれば、センチメントも変化してきそうだが、首都封鎖なども警戒視されているときだけに、仕掛け的な動きは取りづらいところ。

とはいえ、テレワークなどの材料株には、個人主体の資金が集中している。パニック的な動きも各国の大規模な経済政策によって落ち着きがみられてきており、一先ず、長期スタンスでの物色対象を探る動きも意識されてこよう。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 薄商いの中、19000円を挟んでのこう着【クロージング】