■NY株式:NYダウ96ドル高、中国が輸入関税引き下げを発表

米国株式相場は上昇。ダウ平均は96.44ドル高の28551.53、ナスダックは20.69ポイント高の8945.65で取引を終了した。中国政府が来年1月1日より、冷凍豚肉や医薬品、紙製品、一部のハイテク部品などの輸入関税引き下げを発表し、米中協議進展への期待から買いが先行。さらにCEOの交代を発表した航空機メーカーのボーイングが買われ、終日堅調推移となった。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器やエネルギーが上昇する一方で公益事業や保険が下落した。

ボーイング(BA)は、マレンバーグCEOの辞任を発表し上昇。電気自動車のテスラ(TSLA)は、上海工場の設備投資資金として中国の複数の銀行から1600億円の融資を確保したことが伝わり堅調推移。化学製品メーカーのスリーエム(MMM)は、JPモルガンによる投資判断引き上げを受け買われた。一方で、自動車販売のカーマックス(KMX)は、決算内容が嫌気され下落した。

バンガードグループは、投資家の多くが2020年の景気拡大を楽観していることを指摘し、来年の米国株が調整売りされる(10%以上下落する)確率を50%と予想している。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米中貿易摩擦の緩和期待にリスクオン

23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円44銭から109円34銭まで下落して109円38銭で引けた。米国の11月耐久財受注速報値が予想外のマイナスに落ち込んだほか、11月新築住宅販売件数が予想を下回ったことを失望し、一時米債利回りが低下、ドル売りが優勢となった。しかし、その後、米債利回りが上昇に転じたほか、株高に連れたリスク選好の円売りに下値も限定的となった。

ユーロ・ドルは、1.1070ドルから1.1096ドルまで上昇して1.1090ドルで引けた。ユーロ・クロス絡みの買いが目立った。ユーロ・円は、121円08銭から121円42銭まで上昇。中国が一部輸入品の関税引き下げを発表したため米中貿易摩擦の緩和期待にリスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2905ドルまで下落後、1.2959ドルまで反発。英国のハードブレグジットへの懸念がくすぶりポンド売りが続いた。ドル・スイスは、0.9808フランから0.9828フランまで上昇した。


■NY原油:小幅高で60.52ドル、需給良好との見方は変わらず

NY原油先物2月限は小幅高(NYMEX原油2月限終値:60.52 ↑0.08)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日比+0.08ドルの1バレル=60.52ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは60.10ドル−60.77ドル。時間外取引の23日のアジア市場で60.10ドルまで売られたが、当面の需給関係はまずまず良好との見方は変わっていないことや、米国株式の上昇を意識して短期筋などの買いが入った。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  35.17ドル   +0.21ドル(+0.60%)
モルガン・スタンレー(MS) 50.72ドル   +0.03ドル(+0.06%)
ゴールドマン・サックス(GS)229.09ドル  +0.16ドル(+0.07%)
インテル(INTC)        59.23ドル   +0.28ドル(+0.47%)
アップル(AAPL)        284.00ドル  +4.56ドル(+1.63%)
アルファベット(GOOG)    1348.84ドル -0.75ドル(-0.06%)
フェイスブック(FB)     206.18ドル  -0.12ドル(-0.06%)
キャタピラー(CAT)      148.50ドル  +0.93ドル(+0.63%)
アルコア(AA)         21.48ドル   +0.25ドル(+1.18%)
ウォルマート(WMT)      119.03ドル  -1.26ドル(-1.05%)
スプリント(S)         5.23ドル   -0.16ドル(-2.97%)



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 23日の米国市場ダイジェスト:NYダウ96ドル高、中国が輸入関税引き下げを発表