米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り、政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を、0.25ポイント引き上げ1.75-2.00%に決定した。声明ではフォワードガイダンスを修正。また、5月会合から経済の判断を引き上げた。また、四半期ごとに発表される予測で、メンバーは金利見通しを3月から引き上げらたことが明らかになった。中間値で年4回の利上げの可能性が示唆された。結果を受けて、利上げペース加速観測が強まった。

以下が、タカ派要因となる。

●来年1月から議長会合は全FOMC後
まず、パウエルFRB議長は、会見で、昨日ウオールストリートジャーナル紙が報じたとおり、記者会見を現行の各会合ごとから全会合後に倍増する方針を発表。同時に、会見の数を増やすことは何のシグナルではないと念を押した。しかし、市場では、FOMCの利上げの余地が広がるとの見方も根強い。

●FOMC金利予測
さらに、焦点となっていたドットプロットで2018年の金利見通しが引き上げられ、本年の利上げ予測が前回3月時の予想年3回から4回に引き上げられた。

【FED予測中間値】「2018年末のFF金利誘導目標2.4%(3月2.1%)、2019年末3.1%(3月2.9%)」

●経済判断引き上げ
「さらなる緩やかな利上げは、持続的な経済活動の拡大に一致する」と、「持続的な経済活動の拡大」との文言を加えた。

●ガイダンス
経済はさらなる緩やかな利上げを正当化する。「金利は当面長期的水準を下回る」とのフォワードガイダンスを削除。

●経済
経済活動は堅調なペースで拡大した。失業率が低下する中、労働市場は強まった。

●リスク
見通しリスクは概ね均衡

●インフレ
12カ月ベースのインフレ、コアは2%に近づいた。長期インフレ期待はほぼ変わらずとし、市場ベース、調査ベースに関する文言を削除。「注意深くインフレの展開を監視する」との文言を削除した。

声明では、「金融政策は依然緩和的」との文言を残したが、パウエルFRB議長は金融政策が「一段と中立に近づいた」との見方を示しており、近く、「金融政策は依然緩和的」の文言が削除されることも示唆した。利上げペース加速を織り込み、米10年債利回りは再び心理的節目の3%を試す展開。この水準を上回ると、ドルの更なる上昇につながると見る。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米6月FOMC、利上げペース加速を示唆