トランプ米大統領は8日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の要請を受け入れ、5月までに米朝首脳会談に応じる意向を示しました。過去において現職の米大統領と北朝鮮の最高指導者の会談が行われたことはありません。

 一部の識者は「4月末に予定される南北首脳会談で非核化などに関する協議を行い、そこでの成果を踏まえて北朝鮮は米国に対して非核化をコミットし、その見返りに経済的な援助を求めるのではないか?」と指摘しています。

 ただし、米朝首脳会談をトランプ大統領が独断的に進めることは危険があることから、安全保障、外交の専門家の意見を参考にして、十分に準備したうえで、やや厳しい態度で北朝鮮との会談に臨むのではないか?との声が聞かれています。ティラーソン米国務長官は先週9日、金委員長との首脳会談について、「会談の準備に数週間かかる見通し」と述べており、日時、会談場所、非核化のプロセスなどについての詳細を詰める必要があることから、事前の準備には相当な時間が必要となりそうです。

 一部の市場関係者は「米朝首脳会談は今回一度だけでなく、今後何回か行なわれる可能性がある」と考えています。一度だけの会談で非核化などの重要なテーマについて双方が合意することは難しいと思われているからです。ただ、米朝が対話を通じて朝鮮半島の非核化を実現していくことはアジア経済にとっては好都合であり、将来的には北朝鮮と韓国の統一についての議論が開始される可能性もあることから、一部では「今世紀最大級のビジネスチャンスが訪れる」との声も聞かれています。日本経済にとっても極めて有意義な話です。5月までに米朝首脳会談が無事行なわれるかどうか、要注目です。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米朝首脳会談の行方