「よく噛んで食べる」ってどのくらい?「飲み込むタイミング」は舌先だけが知っている。

「一生太らない魔法の食欲鎮静術 食事瞑想のススメ」(著:松尾伊津香)より



私が提唱する、きれいに痩せてリバウンドしないダイエット法「食事瞑想」は、普段の食事の”味わい方”を変えて食欲を鎮めるというものです。


舌先にものをあてる胃の感覚を研ぎ澄ます 


「食事瞑想」ですべきことは、たったこれだけです。


詳しくはこちら→「「よく噛めば満腹になる」の落とし穴。太る食べグセ、原因は「舌」にあり!」


 


飲み込むベストタイミングは「食べ物の形がなくなったら」


舌先でしっかりと味わえるようになっていくと、一つ壁にぶつかります。それはいつ飲み込んでいいかわからなくなるということです。


 


クライアントのKさんは、甘いものを食べると体に湿疹ができてしまうという症状をお持ちでした。砂糖や小麦粉を食べると、顔に黒い斑点ができたりまぶたに湿疹が出てしまうのです。それなのに、どうしても甘いものがやめられないと長年悩んでいました。


彼女が食事瞑想をやりはじめて数日後のことです。

その日、「長年やめられなかった菓子パンの最後の一口をあっさりやめられた」と、 連絡をくれました。


一口なら今まで絶対に食べてしまっていたのに、もういらないと自然に思えた。こんなにも苦痛なくやめられるのかと、びっくりしたそうです。


 


でも、彼女は食事瞑想を続けられませんでした。なぜなら、よく噛みすぎていつ飲み込んでいいかわからずに食事に1時間もかかってしまったというのです。


 


別のお客様からは、こんな声をいただきました。

舌先で味を感じていると、ある瞬間から嫌な食感が出てくるときがある。食べ物から味が抜けてスカスカの物体になってしまい、飲み込みたくなくなるというのです。


 


お二人とも飲み込む衝動をブロックしすぎたがために、かえって飲み込むタイミングに迷ってしまったのです。


 


舌先と胃をつなげれば「飲み込むタイミング」がわかる


こんなふうに飲み込めなくなってしまう原因は、舌先と胃をつなげていないからです。体というのはすべてつながっています。そして、各器官が「自分の分」を持っているのです。


 


すべてをこなせる完璧な器官などなく、各々が得意分野を持っていて、自分の役割を果たしたら次の方へバトンタッチを行うのです。


 


消化とは体の中に食べ物を取り入れる作業ですが、全身の器官が力を合わせて行います。消化にかかわる内臓には、食道・胃・すい臓・小腸・大腸・肝臓など、様々 です。それくらい消化とは体にとって負担になる作業であり、一致団結して行うのです。


 


そのトップバッターを務めるのが口、ですよね。では、なぜ口でものをかみ砕くのだと思いますか?


それは、胃の負担を減らしてあげるためです。それは体への優しさなのです。


 


胃は胃液ですべての食べ物を溶かすことができますが、すべてのものをそのまま胃に入れては負担が多すぎます。だから口でそれをかみ砕いてから体に入れるのです。病気の人におかゆをつくるように、口が胃にやさしい形に変えてあげるのです。


 


あなたは、どれくらいかみ砕いたら胃に一番優しいと思いますか。

それを判断してくれるのが舌先なのです。


 


残念ながらこれは舌の真ん中でも付け根でもありません。舌先のみ固形物の状態を知ることができます。


舌先で食べていると、胃にやさしい状態がわかるようになります。わかりにくい方は最初は食べ物の形がなくなるまで、を目安にしてください。それ以上噛むと味がなくなり不快感を覚えたり顎が疲れてしまう方がいらっしゃいます。


大丈夫、そこまで頑張らなくても胃がそのあとを受け持ってくれます。ここまでかな、と思えたら安心して胃にバトンタッチしましょう。


 


 


心地の良い空腹感


本当の味わい方が身についてくると、自分が思うほど食事を欲していないことに気づきます。そして、「お腹減っているな~」と自分のお腹を客観視できるようになります。これができて初めて食欲に左右されない平穏な日々が訪れます。それは胃が空っぽという体の軽さもありますが、その食べたいに左右されない心の安定感が本当に心地よいのです。


 


これこそ、私の目指してほしい境地、「心地の良い空腹感」です。


 


「食べたい!」という衝動に左右されなくなると、「どれくらいお腹が減ったら食べていいの?」という疑問にぶつかるときが来ます。


 


正解は、あなたのライフスタイルに合わせて食べられるようになること。


 


これが一番ではないかと思います。お腹が減っても感情が揺さぶられないので、仕事や家事に合わせて食事ができるようになります。


ここまでくるとどうなるか、おわかりですよね。

食べる時間も食べるものもすべて自分でコントロールできるようになります。ここからがダイエットのスタ-ト地点です!これができないのに無茶な食事制限がいかに不毛かおわかりいただけるのではないでしょうか。


 


参考までに、食べるタイミングについて私の経験談を少し……。

腹八分目で食べたとして、だいたい5~6時間はもちます。

12時にきちんとランチを食べたとしたら、夜6時くらいまではお腹が空きません。


 


私は空腹感を楽しんでいるので、ランチは1時か2時くらいまでは食べないようにしていますが、その日のお腹の空き具合は「前の食事で何を食べたか」がダイレクトに影響してきます。


 


そもそも食べ物が消化される時間には違いがあります。

三大栄養素だとこちら。


● 炭水化物・・・食後1時間半~2時間


● 脂質・・・食後3時間~4時間


● タンパク質・・・5時間~6時間


 


タンパク質の中でも脂質の少ない魚や卵の白身は、早く消化されるという報告も挙がっています。肉や魚、豆類は、食後6時間前後ほどかかるというのが定説です。

タンパク質を食べたから必ず5~6時間もつ、とは断言できませんので(季節や性別でも違いは出ます)、これらはあくまである程度の目安です。


ただ、空腹感は胃が軽くなることで感じるものなので、消化の早い炭水化物だけ、という食事は「食べたい」を加速させるのではないかと思います。こんな知識も参考にしつつ、食欲をコントロールしてみてください。


 









『一生太らない魔法の食欲鎮静術 食事瞑想のススメ (Business Life)』

(クロスメディア・パブリッシング)






情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 「よく噛んで食べる」ってどのくらい?「飲み込むタイミング」は舌先だけが知っている。
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