インドで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、中国の李強首相は、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に直接言及しなかった。公表された演説内容によると、初日に「海洋生態環境を保護すべきだ」と指摘したものの、日本を名指しで批判する発言は見られなかった。

 放出に対する反対姿勢に大きな変化は見られないが、中国に同調する動きが他国に広がらない現状を受け、強硬な反応を避けて様子を見た可能性がある。

 李氏はG20の前に訪問したインドネシアでは、岸田文雄首相との立ち話や東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の首脳会議で「日本は責任ある方法で『核汚染水』を処理すべきだ」と主張していた。【北京・河津啓介】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 中国・李首相、G20では処理水言及せず 他国の同調なく様子見か