出典:国沢光弘 公式サイト


ここにきて『チャリカス(チャリンカス)』などと呼ばれる「交通違反かつ粗暴な運転」を繰り返す自転車乗りが社会的な問題になり始めた。この問題、自転車を走る道の整備もせず、突如警察庁が「自動車は車道を走ること」とお達しを出したことに始まる。確かに自転車は道交法では軽車両に属すため、車道を走らなければならない。間違っていないです。





ただ警察庁の発表まで「危険なので自転車は歩道を走る」が社会的な概念だった。自転車乗りも車道を走るときはそれなりに自動車との関係を考慮していたように思う。けれど警察庁の「自転車は車道を走れ」で、一気に状況変わる。大手を振って車道を走れるようになったのだ。お墨付きを貰ったため、権利意識も強くなったように思う。



 



 



■自転車に権利だけ与えた警察が問題



 



一方、自動車側からすれば全く納得出来ない。自分達は道交法を厳格に守らなければならず、わずかな脱法行為でも検挙され反則切符を切られる。もちろん赤信号はもちろん、一時停止や逆走、優先順位だって守る。なのに自転車乗り達は一時停止無視なんか当たり前。優先道路だって考えない。さらに進路変更すら後方の確認無しで行ってくる。





無灯火や信号無視、車両を縫う危険な走行まで目立つ。さらに納得出来ないのは、警察が全くと言って良いほど検挙しないこと。結果、自転車のマナーは酷いものになった。1日クルマに乗っていても、信号無視するクルマやバイクを見かけることは“ほぼ”無い。信号遵守=交通安全の基本だからだ。でも自転車の信号無視など普通に見かける。





こういった「権利だけ与えコントロールしない」という警察の姿勢が、文頭に書いたチャリカスを生み出すことになった。おそらく自転車側からすれば「駐車違反多いから俺たちが走りにくい」とか、クルマは道交法で左折時には左側に寄る、と決まっているのに「幅寄せきてきやがった!」みたいに感じ、クルマが悪者だと思うのだろう。



 



 



■自転車も車と同じように取り締まるべき





私も自転車に乗るけれど、確かに悪質なクルマもいる。「殺しに来たな!」と感じることだって少なくない。クルマに乗る人間も様々。極端なあおり運転をするような輩は、自転車に対しても殺しに行くことだろう。困ったことに自転車トラブルは増加傾向。いろんな意味で、そろそろ抜本的な対策をしなければならない時期になってきたように思う。





すぐ出来るのは車道を走っている自転車に対する警察のクルマ並の取り締まりである。別に厳格じゃなくてOK。クルマと同じで十分だ。それなら交通警察や警ら担当だって出来るはず。少なくとも信号無視と一時停止違反、安全確認&合図無しの進路変更、無灯火、優先道路無視、逆走だけはすぐにでも取り締まればよかろう。





次の段階では車道を走る自転車の登録化とナンバー義務である。現状だと何かあっても相手が特定出来ないものの、登録ナンバーがあればドライブレコーダーなどに証拠として残るためトラブル解決しやすい。その上で、小学校や中学校を対象にした安全講習会などを利用し簡易免許制を取り入れる。未成年がIDカードを持つのは社会訓練になります。





また、登録自転車に対し課税し、その代わり自転車専用道路も作りたい。やるべきことたたくさんあるが、どれも大きなお金にならないためか、政治家も役人も手を付けません。もっと大きな社会問題になるまでチャリカスは減らない?

 


情報提供元: citrus
記事名:「 信号無視、無灯火は当たり前、ついには首都高まで走り出した──「無法自転車撲滅」に秘策はあるのか?