スポニチアネックスによると、8月5日に放送された『サンデージャポン』(TBS系)や7日に放送された『ラジオ ビバリー昼ズ』(ニッポン放送)で、医師兼タレントの西川史子先生(47)が、昨今世間を騒がせている東京医科大の一般入学試験で女子受験生の得点を一律減点していたとされる問題について言及したコメントが、ネット上でも大きな話題となっている……らしい。



 



医療現場の実状を知る立場からの西川発言──おおよそは以下のとおりである。



 




「当たり前です、これは。(成績の)上から採っていったら、女性ばっかりになっちゃうんです。女性と男性の比率はちゃんと考えないといけない」(サンデージャポン)



 



「やっぱり女性と男性は役割が違う。女性ばかりを医者にしてしまうと眼科と皮膚科ばかりになってしまう」(ラジオ ビバリー昼ズ)



 



「外科は女性だと大変です。人の太腿だけでも20キロある。女医だと持てないですね。私は持てません。成績だけで学生を採ると全部女になってしまいますよ。男はバカだけど力はありますからね。文学部ならば男女同じレベルでやるべき。医学部は職業選択なってきますからね」(ラジオ ビバリー昼ズ)




 



大学時代、24時間無休体制の救急外科病院で3年間夜間医療事務のアルバイトをやっていた経験があり、一応「現場の実状を知る立場」である私からも、僭越ながら個人的意見を申しておくと、「意識なし」の緊急治療を要する重症患者がひっきりなしにどんどん送り込まれてくる、まるで野戦病院のような救急病棟で「男手」、すなわち「腕力」は欠かせない。意識がないゆえ、太腿どころか全身を持ち上げなければならないことも日常茶飯事で、あと、夜中になれば酔っ払いだとかヤクザだとかタチの悪い患者もけっこう紛れ込んでくるし……ドスを腹に刺したまま暴れ回るスキンヘッドの全身モンモン男もいた。つまり、外科医療の現場は、ある意味「れっきとした肉体労働」なのだ。



 



したがって、「医学部において女性と男性の比率はちゃんと考えないといけない」といった西川先生の持論には私もまったくもって同感だったりする。ただ、それを裏でコソコソ操作するのがいけない。こういった“実状”をきちんと説明して、男子受験者と女子受験者の合格者数を、公的なかたちで然るべき比率に割り振ればよいと思うのだが、いかがなものか? 



 



さて、しょせんは30年以上も前に、しかもアルバイトレベルでしか医療現場に携わっていない“ほぼ素人”の見解なんぞは、もうこれくらいにしておいて、今回、私が「すごい」と改めて舌を巻いたのは、西川先生のバランス感覚溢れるコメント力であった。



 



のっけには「(女子受験生の得点一律減点は)当たり前」のひと言で、おそらく世間一般の主流を占めるであろう「許せん!」的な風潮を一刀両断。しかしそのあと、同事件で見え隠れするジェンダー問題を「男はバカだから」で女性側の懐柔をしたうえで「でも(腕)力はあるから」とデリケイトなテーマを論破していく……なんと巧妙かつ周到で如才ないロジックの展開であることよ! 現に、記事下にあったコメント欄をざっとチェックしてみても……炎上を促すヒステリックな暴言はほとんどなく、冷静にこの事件を見つめ直す良識的な私見が並んでいた。「さすが西川先生!」と惜しみない称賛を贈りたい。


情報提供元: citrus
記事名:「 「男はバカ」「医学部の点数操作は当然」 西川史子先生の巧妙すぎる爆弾発言