トライが決まって喜ぶRENA


 アジアで初めて日本で開催される「ラグビーW杯2019」まであと461日と迫った16日、都内で行われたリポビタンDチャレンジカップ2018「日本VSイタリア」のパブリックビューイングが行われた。家族連れなどのべ3000人の観客が集まって、日本代表に声援を送った。


 ゲストとして、総合格闘家で、現SB世界女子フライ級王者のRENA(26)、元ラグビー日本代表で解説者の今泉清氏(50)、高校時代にラグビー東北選抜に選ばれた経験があるお笑い芸人「アルコ&ピース」平子祐希(39)と相方のサッカー経験者だが、ラグビーは全く知らない酒井健太(34)、ラグビートップリーグの『リコーブラックラムズ』ブロードハースト・マイケル選手(31)がトークイベントに登場。


 「ラグビーW杯」といえば、何と言っても3年前の2015年イングランド大会!「スポーツ史上最大の番狂わせ」と、世界を驚かせたW杯で2回優勝し世界ランク3位の南アフリカ代表にラストプレーで逆転勝利。


 平子は、「(その時にフィールドにいた選手が目の前にいらっしゃるので『通訳しないで』と断りつつ、)ニュースで見た時に申し訳ないですけど、誤報だと思ったんですよ。それぐらい衝撃的でサプライズでした」というと、その当事者のマイケル選手に感想を求める司会者に会場から笑いが起きる。



 マイケル選手は、「たくさんの人がそう思ったと思います」と、空気を呼んだかのようなコメント。あらためて、その時の感想を聞かれると、「試合中、そこまで考えずにプレイに没頭していました。疲労でグランドに臥せっている人もいる中、喜んでいる人もいたので、そこで初めて実感として。まさに本当にチーム一丸となってのプレイ、そこから得られた勝利だったと思いますし、(ロッカールームに)戻ってから実家がわいた」と、当時の状況を語った。


 その後、ラグビー熱は日本中に一気に広がる。特に、キックの度に見せる五郎丸歩選手(32)のポーズと「ルーティーン」という言葉が流行語になったほど。


 今泉氏は、「終了間際残り8秒で29-32で負けていた。五郎丸のキックの精度からいけば(キックでゴールを)狙って32-32。当然みんな『狙え』と思っていた。ヘッドコーチのエディ・ジョーンズも『狙え』と激昂していた。五郎丸にあとで聞いたら、キックを蹴る選択肢はなかった。1年間、南アフリカに勝つために準備してきた。引き分けに来たんじゃない。勝ちに来た。当然ゴールじゃなくて、トライを取りに行くという選択肢でみんなまとまったらしいです」という、裏話もとび出した。



 挑戦するという勇気についてRENAは、「私も立ち技でシュートボクシングをずっとやってきたんですけど、2015年に寝技のあるMMAという総合格闘技に挑戦することになって今がある。無難に勝ちにいっても感動は起きない。リスクを背負ってるからこそ、乗り越えたときの感動が爆発、盛り上がりがあるんだなぁと、ラグビーで教えていただいた」と、アスリートとして刺激を受けたようだ。


 ハーフタイムトークショーでは、試合開始早々、イエローカードを日本の選手がもらった場面が取り上げられ、「(プレイできない10分間)スクラム組むのが8人から7人になるということは、どれだけ大変なんですか?」と、司会者が聞くと、ラグビー経験者の平子は、「太田プロから有吉弘行さんがいなくなるようなもんですからね。そのぐらいのピンチだったんですよ」というと、「わかりやすい」と、声がでる。


 さらに、3-12で前半終了したスコアについて、「ラグビー知らない方はすごい差に見えるかもしれないですけど、野球で言えば、5回裏で0-2ぐらいの差。まだ全然いける」と、わかりやすい例えを連発。このあたりも普段のTV解説ではわからないライブビューイングならではの魅力。



 きょう初めてラグビーを観たというRENAは、「こんなに激しいのか。格闘技に近い部分感じさせていただいて楽しいなと。タックル仕方とか上手いなぁと、観てて勉強になります」と、総合格闘家らしい視点。


 試合は、前半はイタリアのパワーに圧倒され、後半4分にトライを奪われ3-19と一方的な展開かと思われたが、20分、25分に日本がトライを決めるなどして17-19と2点差に追い上げると、会場は歓声に包まれ、“ニッポンコール”が起こるなど、大いに盛り上がった。その後、17―25と9点差をつけられた終了直前、トライを上げ22-25。ゴールキックは失敗したが、粘り強い戦いにノーサイド後には会場から温かい拍手が起こった。


 試合終了後のトークショーで、RENAは、「最後まで諦めない気持ち、1分1秒!点数的に負けてても絶対勝つんだ!最後までやりきるんだという気持ちが全面に見えたので、すごい感動したし、本当に面白かったです。スタンドに行ってみたい」と、ラグビーに魅了された様子。



 平子は、「敗因の一つとしては、要所要所での小さなミスが積み重なっちゃったかなと思うんですけど、漫才でいうと、ちょっとところどころ噛んじゃった。噛まなければウケた試合なんですよ。なので次どうすればいいか、噛まなければいいんです。小さなミスをリカバリーすればいいだけなんで、次は、もう勝てるなと。だから試合終了した拍手の瞬間は、つぎにはいけるなという拍手」と、この日何度目かのわかりやすい例えに置き換えた説明。


 さらに、初めてラグビーを見る人に、「オフサイドラインは初めて観た人にはわかりづらい。試合中選手もわかっていない人多いので、わからなくていいです。レフェリーが言ってくれるので。それよりも、ボールを前に落とさない、首へのタックルはダメなど、3つ4つ覚えれば初めての人でもラグビーは楽しく観れる」と、観戦のアドバイスも。


 今泉氏の裏話と専門的な解説。マイケル選手の現役ならではの視点・コメントなどに平子のわかりやすい置き換え説明が混ざって、試合同様に面白くわかりやすく、盛り上がったパブリックビューイングとなった。


 6月23日(土)のジョージア戦(愛知県・豊田スタジアム)では、東京・調布駅前広場、イオンシネマシアタス調布でパブリックビューイングが行われるので、ぜひ足を運んでラグビーの魅力を体感してみては!


 






総合格闘家・RENA


お笑い芸人「アルコ&ピース」平子祐希(左)と酒井健太(右)


元ラグビー日本代表で解説者の今泉清氏


ブロードハースト・マイケル選手
















情報提供元: News Lounge