川口市が埼玉県と共催する「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」15周年を記念し、世界6大マラソンを走破した実在する川口市民ランナー・古市武さんの姿に感化された人々を描いた『君がまた走り出すとき』が全国順次公開中です。


本作で、主人公の五十嵐翔太を演じた寛 一 郎さん、翔太を支える三宅佳織を演じた山下リオさんにインタビュー。



●本作は”実話が導く再生ストーリー”なので、ポジティブな展開に観る人は感動すると思いますが、どういう思いで作品に臨みましたか?


寛 一 郎:初めての主演映画をやらせていただくということで、強い意気込みで入ったことを覚えています。二番手、三番手ももちろん重要ですが、主演は別次元の立場だなって、自分のなかで勝手に想像していましたね。


山下リオ:寛一郎君は初めての主演映画だったので、そういうことはいつまで経っても心に刻まれるものだと思うんです。だから、そういう作品に参加しているっていう意識は、わたしの中でも強かったと思っています。


寛 一 郎:ここは主役として、作品を背負っていかなくてはいけないけれど、自分みたいな人間などが引っ張っていくって到底無理だから、みんなに担いでもらうのかとか、主演について何かとよく考えてはいましたね。


●実話インスパイアだと演じる上で難しいことが多そうですが、演出時はどういうリクエストがありましたか?


寛 一 郎:撮影現場での細かい指導などはなくて、リハーサルでがっちり決めていく方法でした。そこでキャラクターも芝居も固めてしまうやりかただったので、撮影現場ではある意味スムーズでした。監督のやりたいことを正確に理解して撮影に入れたので、そういう意味では楽だったですね。


山下:佳織のキャラキターについては、監督は迷っていたように思います。さまざまなセリフの読み方を場面場面で試しました。本読みの段階ですでに声色や音程にまでこだわっていたので、それは新鮮な経験でした。


寛 一 郎:すごく撮りたい映像のイメージがあったそうです。絶対的なイメージがあったので、佳織は難しいキャラクターだなって思いましたね。


山下:わたしも監督も迷っていたので不安でしたが、あえて決めてかからない感じが、佳織の性格には特別あっていたのかなと思いました。自分自身と佳織の中にゆらぎがあったと思うので、最終的にどういうキャラクターなのか考えず、あえて現場に持ち込もうと思わないようにしました。


寛 一 郎:基本的に僕たちの仕事は、二次元のものを三次元にするものだと思ってはいるので、撮影現場で生まれるものもあるとは思いますが、そうじゃないやり方もあるのかなと。それは今回の作品で知ったことですね。



●また今回、本格的な共演になりましたが、いかがでしたでしょうか?


寛 一 郎:ある撮影中、山下さんが僕の目線の先にいて、それを本番中に悟ったかどうかわからないですが、ちょっとよけてくれたんですよ。それほど大きなエピソードではないかもしれないけれど、僕はその気遣いにキュン! としたんです(笑)


山下:誰でもそうするでしょ!(笑)


寛 一 郎:素敵だなって(笑)。ドンと目の前にいるわけではなく、ちょっと視界に入っているだけなのに、ですよ。しかも自分の視界に入っているかどうかは山下さんにはわかるはずもなさそうなところ、そこをしゃがみながらズレてくれたんです。そういう気遣いができる方だなって。


山下:よかったです(笑)


寛 一 郎:でも、ちょっと救われた気がしたんですよね。撮影現場でそういう気遣いができる人ってすごく素敵だなって思っているので、僕はそういう出来事に敏感なのかなもしれないです。


山下:わたしは寛一郎君は、きれいな目の人だなって思いました。ご自分ではキャリアがまだまだ、などと言われていますけど、年下でもみなさんをまとめる座長的なところをすごく感じました。


寛 一 郎:気負いはあったと思うんです(笑)!


山下:あと撮影中、わたしの顔を見てすごく笑い出して、つられてわたしが撮れなくなったことがあったような気がします(笑)


寛 一 郎:決して集中していなかったわけではなくて、山下さんがセリフを言い間違えて、それなのに監督がOKを出していて。それは本編では使っていないシーンだと思いますが、山下さんが「わたし、かんでない」みたいな顔をしていたんですよ(笑)。で、「かんだよね?」と問いただしたら怒りはじめてしまって。それで笑いが止まらなくなってしまったという。



●山下さんの気遣いのエピソードと正反対の出来事ですね(笑)


寛 一 郎:そうですね(笑)。でも山下さん寄りの出来事なので。僕は別に(笑)。でも、デビューして13年やってて、現場で緊張できるって、ものすごく素敵なことだと思うんですよ。僕も緊張してインする前は寝られなくてメシも食えなくなりますけど、それを13年後も同じ気持ちでいられるかっていうと、確かな自信はなくて。


山下:あこがれている先輩たちに、こなれた方々はいないんです。上手くやろうとしないし、そこが人間臭くて、すごくかっこよく見えるんです。そういう人になりたいなと思っているので、自分もそうならないようにしているんです。


寛 一 郎:素敵ですよ。この作品に関わって、良かったなと思うことのひとつです(笑)。



『君がまた走り出すとき』全国順次公開中

http://kimimata.com


出演:寛 一 郎 山下リオ / 松原智恵子

菜 葉 菜 辻本祐樹 綱島恵里香 安居剣一郎 ・ 長谷川初範 浅田美代子

脚本:岡 芳郎 監督:中泉裕矢 配給:キャンター 

(C)2018 川口市


<クレジット>

【寛一郎】スタリスト:越中 春貴(Rim)

【山下リオ】スタリスト:道端亜未

ヘア&メイク:松田容子


衣装協力:

ジャケット¥125,280、ニット¥¥42,120、パンツ¥108,000/ヨウジヤマモト

その他/スタイリスト私物


※お問い合わせ

ヨウジヤマモトプレスルーム TEL:03-5463-1500


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(執筆者: ときたたかし) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 俳優・寛 一 郎が女優・山下リオに感銘を受けた出来事「13年やってて現場で緊張できるってものすごく素敵なことだと思うんですよ」