パン・麺類は「よく噛めない」? 食欲を抑える食事は「見た目」が決め手

「一生太らない魔法の食欲鎮静術 食事瞑想のススメ」(著:松尾伊津香)より



食欲鎮静に向かない食べものとは



私が提唱する、きれいに痩せてリバウンドしないダイエット法「食事瞑想」は、普段の食事の”味わい方”を変えて食欲を鎮めるというものです。


舌先に食べ物を当てて味覚に集中する「食事瞑想」なら、食欲は自然に落ち着いていきます。


詳しくはこちら→「「よく噛めば満腹になる」の落とし穴。太る食べグセ、原因は「舌」にあり!」


食事瞑想では、どんな食べ物も否定しません。すべての食べ物をありがたくいただくのが基本です。


でも、食事瞑想がちょっと難しい、味わいにくい食品群は存在します。


 


①パン・小麦粉製品



まず1つ目は、パンに代表される小麦粉製品です。理由は2点あります。


 


粉ものは噛む必要がない


小麦粉製品は、一度人工的に粉状にしたものを再度練り直したもの。すでにすりつぶしてあるので、歯で噛む必要がないのです。


実際に粉ものを食べてみると、パンやお好み焼きなどはお米に比べて唾液に溶けるのが早く、咀嚼の必要がありません。この状態だと、胃にバトンタッチできる状態が早くなってしまうので、口の中に入れておく時間が自然と短くなってしまいます。


 


素材の味がわかりにくい


もう一つの理由は、小麦粉製品は何の味なのかがわかりにくいという点にあります。


「餃子は何の味?」と聞かれたら、「餃子は餃子の味」と答える方が多いと思います。でも、餃子は何でできているかというと、ひき肉とにらと外の皮と……という具合に、いくつかの素材が合わさっていますよね。これが餃子の味の正体です。


パンも、もちろんパンの味がします。では、その味の正体はなにかというと……小麦粉をメインに、いろんな素材によって加工されています。この状態から「食べもの本来の、素材の味」を感じとるのはなかなか容易なことではありません。


それに引き換え、お米はお米の味がしますよね。だからこそ、おかずの存在を必 要とします。一方パンはそれだけでおいしく食べられるようになっているので、原材料の味を感じることがとても難しいのです。


 


パン屋さんから漂ってくる、あのふわっとした香ばしい香り。あれを嗅いだだけでも心が踊り出すような、まさに幸せを運んでくれる食べもの……。私もパンが大好きなので、そんな気持ちももちろんわかります。


一生食べるなとは言いません。人との付き合いなどもありますし、現代に生きている限り、パンを食べる機会は必ず来るはず。パンのお役目はそんなときに取っておいて、食事瞑想ではまずお米から試されることをお勧めします。


 


②麺類



小麦粉製品のなかでも、とくに麺類は味わいにくいものと言えます。理由は2点。


 


麺は「すする」食べ物


麺はすすることで自然と口の奥の方に食べ物が運ばれるので、舌先に持っていく作業が難しくなります。ラーメンやうどんなどの麺類だけ「のど越し」という言葉が使われるのは、麺は舌ではなく喉で楽しむ特性が強いためです。


 


唾液と混ざりにくい


いくらのど越しが快感といえども、食事瞑想のプロとしてそれに負けて飲み込んでいてはプロ失格! そう思って、一時期麺類を徹底的に研究していたことがあります。そして、麺類が味わいにくい理由を見つけました。麺類は唾液と混ざりにくいのです。


 


なんというか、麺の周りをコーティングしてあるような感じで、食べて咀嚼するものの、ほかの食材のように唾液でとけて混ざるようなことはなく、ただ細かくなる感じです。もともとスープやソースと和えて食べるものであり、周りの液体に溶けてしまわないようにしっかりと押しつぶされているのだと思いますが、それゆえ唾液ほどの消化液では分解されないのだと思います。


 


もちろん食事瞑想ができないわけではないですし、ラーメンで食事瞑想をしたらさらにラーメンが美味しくなることをお約束しますが、少し難易度が高い食べ物であるということは頭に入れておいてくださいね。


 


今までのポイントを要約すると、ラーメンを味わうときは、温度を少し冷まして、すすらずに口に含んで食べること。これが重要です。


 


③ジャンクフード


ジャンクフードがダイエットに良くないということは食事に詳しくない方でもわかると思うのですが、もし食べる機会があったら、ぜひ一度、試しに舌先で味わう、を実践してみてください。


 


ジャンクフードほど「原料の味」がわからないものはありません。お菓子やチョコはまだ原料の味はしますし砂糖の味を感じ取れます。


 


しかし、ジャンクフードは知識と見た目でわかるものの舌を研ぎ澄ましてもお肉の味も魚の味もわかりにくいのです。もし食べた後に舌がピリピリするなら、あなたは「超一流の舌」をお持ちです。ソースがかなり濃いのと添加物が見えない形で入っているので舌にかなり負担です。


普段からの食事としてはもちろんお勧めしませんが、もし機会があれば面白いので試してみてくださいね。


 


では、何が食事瞑想に向いているのでしょうか?



私は、「何を食べたらいい」ということをこの本で書きたいわけではないので、食材をピックアップしてお伝えすることは控えたいと思っていますが、もしどうしても何を選んだらいいのかわからないという方は、食材の見た目から入ってください。何の形かわかるものが一番のお勧めです。


サラダやフルーツは勿論のこと、豆腐より納豆の方が、ハンバーグよりステーキの方が食事瞑想に適しています。


というのも、加工されているものはどうしても添加物が含まれていて、そのせいで食材の味を邪魔してしまうこと、そして食感や命の感覚を感じにくいことが挙げられます。これらは、舌との相性がよくありません。


選ぶものに迷ったら原材料が見えるもの、で調整しましょう。


 









『一生太らない魔法の食欲鎮静術 食事瞑想のススメ (Business Life)』

(クロスメディア・パブリッシング)





情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 パン・麺類は「よく噛めない」? 食欲を抑える食事は「見た目」が決め手
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