ある猫の雑誌の読者アンケートによると、およそ半数の猫に「耳垢がある」と回答がありました。猫によって、耳垢の出る猫と出ない猫がいるということですね。



その中で、ちょっと気になったのが、



「猫の耳掃除の仕方がわからないので、やったことがありません。」



というコメント。



う~んなるほど。ということで、今回は猫の耳の正しいお手入れ方法と、猫がなりやすい耳の病気について、ちょっと調べてみました。



 

■耳垢が出る猫と出ない猫がいるのはどうして?




猫の耳垢は、外耳腺や皮脂からの分泌物に、剥がれ落ちた古い角質、外のほこりなどが混じったモノ。



耳垢が出る猫と出ない猫がいるのは、この皮脂からの分泌物の多さが関係していると考えられます。これは猫の体質によるものなので、分泌物が多い体質の猫は、耳垢の量も多くなるということでしょう。



病気ではありませんので気にすることはありませんが、ぷらす耳の形にも関係はあるかも知れません。



猫の耳は、一般的には「立ち耳」という前を向いた耳がほとんどですが、スコティッシュフォールドのように猫の品種によっては「垂れ耳」の猫もいます。また、アメリカンカールという猫は「そり耳」というちょっと変わった形の耳をしています。



それぞれの耳には特徴があります。立ち耳の猫の場合は耳の毛が多く、垂れ耳の場合は耳の内部が蒸れやすい傾向にあります。



そしてそり耳の猫は耳の内部構造が複雑なので、ややお手入れしにくいという意見もあります。



お手入れは耳の形も考慮したほうが良さそうですね。



 

■耳掃除は必要なの?






愛猫の耳の穴をのぞいてみて、汚れていないようなら掃除をする必要はないでしょう。しかし全然耳垢のない猫でも、季節によって耳垢が出たり、年を取るに連れて体質が変わって耳垢が出ることがあります。



時々猫の耳をチェックすることを習慣にしましょう。猫の耳垢は、耳の皮脂腺などから出る分泌物が主な成分ですが、これは温度や湿度で量が変わります。



一般的に猫の耳垢が増えるのは温度が上がる春から夏、もしくは湿度の高い梅雨時です。この時期限定で耳垢が出る猫もいますから、チェックするようにしてください。



 

■耳垢の色で病気がわかる?




一般的に健康な猫の耳垢は茶色で、少しべたついたワックス状のものがほとんどです。しかし何らかの病気になると、猫の耳垢は黒や黄緑色に変わることもあります。質感もねっとりした状態になることが多いようです。



もし猫が耳の病気か疑った時は、耳の穴の匂いを嗅いでみてください。正常な耳垢は無臭ですが、病気になると耳垢から悪臭がすることがあります。



 

■耳掃除、NGなやりかたはコレ!




人間の耳掃除にも言えることですが、猫の耳の中はとても複雑で皮膚も薄いので「ゴシゴシと強くこする」のはNGです。



強くこすることで耳の分泌物を増やし、耳垢や病気の原因を作ってしまうことも。飼い主さんがやりがちなNGなお手入れとして、



・綿棒を耳の中に入れる:内部を傷つける恐れがあります!



・タオルで内部を強くこする:摩擦で炎症を起こしてしまうことも。



・指でこすって汚れを取る:爪で傷をつけてしまうかも。



・アルコール綿で拭き取る:アルコールは刺激が強すぎるのでNG。



・猫用の被毛用のシャンプーシートで拭く:耳の内部は被毛がないので適しません。



 

■猫の耳の正しい掃除方法とは




よくネットで販売されている耳洗浄液。猫の耳の中に直接洗浄液を入れる方法がありますが、これは猫がびっくりするのであまりお勧めではありません。



しかしもちろん嫌がらなければ猫用のイヤークリーナーでももちろんOK(うちのカイトはすっとんで逃げてしまいました。)



猫の耳の正しい掃除方法とは、コットンにオリーブオイルかベビーオイルをつけて、優しく拭き取るのが一番です。



猫をテーブルなどに乗せ、猫の背中に飼い主さんの体を密着させて、後ろから耳垢を取ってあげると取りやすいはずです。



耳の奥まで汚れていて取れないときは、自分でやらずに動物病院やトリマーさんにお願いした方が安心です。



 

■最後に




猫の耳掃除。季節によって耳垢が増える場合があるので、やはり定期的にチェックすると良いでしょう。



猫に多い耳周りの病気には、かゆみや炎症が起こる外耳炎、中耳炎、強い日差しに当たりすぎて発症する日光過敏症、カビが原因の皮膚糸状菌症などがあります。



耳から異臭がする、しきりに耳をかく、頭を振る、掃除してもすぐ耳垢がでる場合は要注意。早めの受診がオススメです。
情報提供元: 猫壱
記事名:「 耳垢の出ない猫もいる?猫の耳のお手入れ、正しい方法を知ってますか?