ブラッシングはコミュニケーションツールになる

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人間と人間とのコミュニケーションは非常に重要ですが、人間と犬とのコミュニケーションもやはり重要です。動物は言葉を話すことはできませんが、ある程度感情を持った生き物です。怒ったり悲しくなったりうれしく感じたりします。

ですから愛犬に幸せに過ごしてほしいなら、定期的にコミュニケーションを図らなければなりません。

愛犬とのコミュニケーションの方法は様々にあります。例えば一緒に散歩したり共に過ごす時間から愛犬のことをよく知ることができるでしょう。積極的に話しかけてあげることもできます。

またブラッシングの時間も非常に大切です。ブラッシングには、被毛のもつれをほどいてあげたり、艶を与えたり、皮膚に適度な刺激を与えることによって愛犬をリラックスさせる効果などが期待できますが、愛犬とのコミュニケーションを図る貴重な時間にもなります。

今回はブラッシングをする具体的なメリットについて解説するとともに、その理想的なやり方を紹介していきたいと思います。

ブラッシングのメリットとは

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ブラッシングのメリットには以下のようなものがあげられます。

愛犬の体調や状態が分かる

ブラッシングをすると愛犬の体調や気持ちを知ることができます。ブラッシングのときに体全体に触れることによって、身体に異常がないか気づいてあげられます。例えば「いつもは触っても嫌がらないのに、今日は触ると嫌がる」ということがあれば何か体調不良があるのかもしれません。そういうシグナルのおかげで、病気の早期発見にもつながるでしょう。

また皮膚の状態もブラッシングのときにチェックできます。皮膚が赤くなっていないか、炎症は起きていないかといったポイントを観察できます。

体を清潔にできる

被毛の汚れを取り、抜け毛を取り除くことで愛犬の皮膚を清潔に保つことができます。また後述しますが、ブラッシングをしてさらにマッサージを行なうことによって血行を促進することができるでしょう。

スキンシップになる

ブラッシング中に眠ってしまうくらいリラックスするワンちゃんもいますが、気持ちよさそうに力を抜いて身をゆだねてくれる愛犬の様子を見ると、飼い主さんにとっても癒しの時間になります。

このようにブラッシングには様々なメリットがあります。体全体をブラッシングするなら愛犬との信頼関係を深めることができるでしょう。安心できる飼い主さんに触られることは犬にとって心地よいことです。

ブラッシングの頻度とツール

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ブラッシングのメリットについて分かったところで、今度は理想的なブラッシング方法について考えていきましょう。

ブラッシングは闇雲にただブラシを入れればいいというわけではありません。ブラッシングを正しく行なうことによって、毎日のお手入れの時間が愛犬にとってよりリラックスできる時間になります。

では正しいブラッシングの方法をおさらいしておきましょう。以下のようなポイントを意識してみてください。

1.ブラッシングの頻度

犬のブラッシングは毛が生え変わる時期だけではなく、普段から行なうようにしてあげましょう。できれば毎日行なうことが望ましいですが、時間がない時に適当に行なうと愛犬にとってストレスになり逆効果です。ですからある程度時間をかけるようにしましょう。毎日やるのが難しいのであれば、週に2~3回でも問題はありません。

飼い主さんが頻繁にブラッシングしてあげることによって、日々の抜け毛の量が少なくなり皮膚の衛生状態を良い状態に保つことができます。毎日のブラッシングは皮膚病の予防にもつながります。

愛犬がブラッシングが苦手だったり嫌いだったりすると、ついブラッシングをしてあげる頻度が少なくなってしまいがちです。しかしブラッシングしないと毛玉があちこちに出来てしまったり、お手入れの時間が長くなってしまいます。そうなると毛が引っ張られやすくなって余計ブラッシングを嫌がるようになってしまう恐れがあります。

2.ブラッシングツール

犬用のブラシには実は様々な種類があります。犬は毛の長さによって短毛種と長毛種に分類されており、それによって合うブラシも異なってきます。

短毛種であるパグやボストンテリアの場合は、ラバーブラシや獣毛ブラシを用意しておくことができるでしょう。短毛種でもダブルコートの柴犬などの場合は、スリッカーブラシやピンブラシを使ったほうが良いでしょう。

長毛種であるヨークシャーテリアやトイプードルなどの場合は、スリッカーブラシやピンブラシを用意しておくとよいでしょう。

それぞれのブラシの特徴を簡単に紹介しておきます。

・スリッカーブラシ
先端が針金状で「くの字」に曲がっているのが特徴です。ハードタイプとソフトタイプがあり、ソフトタイプは先端にクッションがついています。毛がサクサク取れるところはいいところですが、先端が鋭いため、使い方を間違えると皮膚を傷つける恐れがあります。

ハードタイプは特に注意が必要です。短毛種はダイレクトに針金が皮膚に当たってしまうため、皮膚を傷つける可能性が高くおすすめできません。素人が使う場合はソフトタイプを選ぶことをおすすめします。

・ピンブラシ
スリッカーブラシと似ていますが、スリッカーよりも密集度が低く太いところが特徴です。クッション性も高く皮膚が傷つきにくく、マッサージ効果も高いと言われています。

・獣毛ブラシ
豚やイノシシなどの動物の毛を使ったブラシです。こちらは、もつれをほどくという用途ではなく、毛艶を出す目的で使用します。最後の仕上げ用として他のブラシと併用で使ってあげるといいでしょう。

・ラバーブラシ
ゴムでできた柔らかいタイプのブラシです。皮膚を傷つける心配がなく、マッサージ効果も高いでしょう。短毛種のワンちゃんにお勧めのブラシです。抜け毛も比較的とれやすく、ホコリなども毛と一緒に絡めとってくれます。

・コーム
コームはブラシを使う前に一度全体に通して毛玉をほどいたり、ブラッシング後の仕上げをするために使います。コーム自体はとても硬い作りになっているので、毛が絡まっている際は強く引っ張たりせずにゆっくり丁寧にほどくようにしましょう。

・ファーミネーター
「ファーミネーター」は最近人気のブラッシングツールです。これを使ってブラッシングすることで、換毛期の毛をごっそり綺麗に取り除けます。先端が特殊な刃になっており、他のブラシでは取りきれない毛もファーミネーターを使うと綺麗に取ることができます。

ただし、先端の硬い刃はスリッカーと同じように使い方を間違えてしまうと皮膚を傷つけしまう恐れがあるので気をつけるようにしましょう。

ファーミネーターを使用する際には、まず皮膚に傷や炎症がないか十分に確認した上で、優しく毛の流れに沿ってブラシを当てるようにしましょう。ちなみにファーミネーターは他のブラシと比べて抜け毛を取る効果が高いので、ブラッシングの頻度が週に1度ほどですみます。

やりすぎてしまうと、抜く必要のない毛までも抜いてしまう可能性があるので気をつけましょう。ファーミネーターは模倣品が多い商品だそうですので購入の際には十分に注意してくださいね。


情報提供元: mofmo
記事名:「 ブラッシングで犬とのコミュニケーション力をアップ!理想的なやり方を解説します!