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腰椎治療のエキスパートによる「腰椎椎間板ヘルニア解説セミナー」が開催。最新医療「椎間板酵素注入療法」の紹介も


国内に100万人以上患者がいると言われている腰椎椎間板ヘルニアは、コロナ禍によって変化した生活によって、発症リスクが高まってしまう可能性がある病気だ。その実態と最新医療ヘルコニア®について解説するプレスセミナーが、2月17日に製薬会社の生化学工業による主催で開催された。

セミナーでは、腰椎椎間板ヘルニアに関する正しい知識を伝えるため、腰椎治療のエキスパートである慶應義塾大学医学部整形外科講師・岡田英二郎医師による講義があった。

そもそも腰椎椎間板ヘルニアとはなにか

腰の椎間板から髄核が飛び出して、神経を圧迫した結果、痛みやしびれがでる病気を「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ぶ。

20代から40代の働き世代になりやすく、男性の方が女性よりも2倍から3倍はかかりやすい傾向にある。激しいスポーツや重労働、長時間のデスクワークによりなりやすい。喫煙もリスクを上げる。遺伝的背景が影響するケースもあり、10代でかかる人もいる。

くしゃみのような急な動作や、膝を伸ばしたまま物を持ち上げたり、前かがみで重い荷物を持つことをきっかけに発症することもある。あぐらや横座り、前かがみのような悪い姿勢でのデスクワークを長時間することでも発症しやすくなるという。

仕事や家事・育児が手につかなくなるとの報告もある。生化学工業による腰椎椎間板ヘルニア患者男女400名に対して行った調査によると、5人に1人は休職し、10人に1人は退職した経験があるというデータが出ている。。回答者の50%以上が、体感で仕事や家事の効率が落ちたと回答している。

いわゆる腰痛とヘルニアの違いとは

腰に痛みがあるだけならば、ヘルニアではない可能性もある。腰椎椎間板ヘルニアの主な症状としては、腰痛のほか、足の痛みやしびれが同時に併発するのが特徴だ。多くの場合は、片側の足に症状が見られる。その痛みの強さは個人差がある。

重篤な場合は、両足に症状が出ることもある。その場合は、筋肉の麻痺や足の感覚がなくなるような症状や、尿が出にくくなる排尿障害が起きることもある。

「腰からお尻、太もも、すねの方に広がる痛みやしびれがある」や「咳やくしゃみでそれらが強くなる」、「痛みやしびれに伴い足の感覚が鈍くなる」「足の力が弱くなって歩く時に不都合がある」、「足の激痛や強いしびれに伴って尿が出づらい」等の症状があるならば、椎間板ヘルニアの可能性を疑った方がよいだろう。

ヘルニアの治療法はどういうものがあるのか

従来の治療法は大きく2つあり、「保存療法」と「手術療法」がある。ヘルニアは自然に縮小して症状がおさまるケースも有るため、まずは「保存療法」を選択する事が多い。形態にもよるが、約80%が自然消失するという。

具体的な「保存療法」は、安静にして腰に負担をかける動作を控えて楽な姿勢をとる、薬物治療としては痛みや炎症を収めるための非ステロイド性消炎鎮痛剤などの服用や湿布薬や塗り薬などの外用薬を併用する、コルセットを使用して腰を安定させる、などがある。

薬物治療でも痛みが改善されない場合は「神経ブロック」が施術される。これは痛みの起こっている神経やその周辺に薬剤を注入して痛みを抑える治療法だ。

「保存治療」では、痛みを和らげて自然消失するまで待つ形になる。しかし、自然消失がされそうにない場合は「手術療法」を選択することになる。運動麻痺がある場合は、緊急手術が必要となるケースも有る。

「手術療法」は椎間板摘出術(ラブ法)と内視鏡下椎間板摘出術(MED法)がある。基本的には、どちらもうつ伏せ状態になった患者の後方から侵入し、圧迫された神経を取る手術である。ラブ法は肉眼、MED法は内視鏡を使用する違いがある。

ラブ法なら術後約7日で退院、MED法なら4日から5日で退院となる。

治療法の新たなる選択肢「椎間板酵素注入療法」

2018年8月からは、「椎間板酵素注入療法」が保険適用によって使用することができるようになった。これは「保存治療」と「手術療法」の中間に当たる選択肢である。

「椎間板酵素注入療法」は椎間板にヘルニコアと呼ばれる薬剤を注射することで神経の圧迫を弱める治療法だ。髄核には保水成分が豊富にあるが、ヘルニコアの酵素の力で保水成分を分解する。これによって、神経への圧迫が改善されて、痛みやしびれが軽減される。

ヘルニコアは髄核のプロテオグリカンのみを選択的に分解するため、他の椎間板組織や神経組織への悪影響が少ないという。

1回注射を椎間板に打つのみで終了する治療法であるため、一日入院で行うか、はやければ日帰りの外来治療で終了する。仕事の復帰は投与後2日から、スポーツの復帰は3週間から可能だ。

患者の約70%に症状の改善の効果が見られた。効果発現時期は個人差があるが、はやくて1ヶ月、ゆっくりでも3ヶ月で改善されたという。ただし、副作用として、患者の約5%だが一過性の腰痛の報告があった。極稀にアレルギー反応のある患者も確認されている。

整形外科の中でも脊椎外科の専門医のいる病院であれば治療を受けることができる。全国では1000病院程度で対応が可能。「椎間板酵素注入療法」の実施のアナウンスをしている病院もあるので、確認するとよいだろう。

岡田英二郎医師への椎間板ヘルニアQ&A

──コロナ禍のデスクワークが増えたが腰痛悪化やヘルニア症状悪化はあるか

岡田英二郎医師:

「生活様式の変化によって、新たな患者様がヘルニアになっているのを外来診療で感じています。身体的活動が減少し家で座りがちな時間が増えたとのデータがありまして、20歳代以降で5割以上が首や腰の痛みを訴えている調査結果もございます。

自宅作業をする場合、オフィスに近い作業環境を整えて、正しい姿勢をすることを心がけていただければと考えております。運動をする場合はストレッチや筋肉トレーニングで腹筋や背筋を鍛えるといいでしょう」

──ヘルニコア治療の金額の目安はどれほどか

岡田英二郎医師:

「100%保険診療です。負担額は一般的に7万円程度です。内視鏡手術なら20万から30万円の保険請求がありますので、患者様としても負担が少ない治療だなと、考えています」

──ヘルニコア治療の痛みはどれほどか

岡田英二郎医師:

「神経ブロック注射を経験した患者様から、『ブロック注射よりも痛くない』との意見を聞いております。神経に直接刺すものより、痛みに関しては強くないのかな、と考えております。もちろん、手術とは開きがあるものと思います」

──ヘルニコア治療を受けた患者様の感想はいかが

岡田英二郎医師:

「非常に印象深いのは、内視鏡手術を経験された患者様が別の患部でヘルニコア治療を受けた際に、『手術よりもヘルニコア治療のほうがいい』と喜んでいました。メリット・デメリットは相談の上で選択肢として間違いないと感じます。全身麻酔が気持ち悪くなって辛い方もいらっしゃいます。注射だけでできるのはメリットかな、と感じます」

──椎間板ヘルニア患者様へのメッセージをください

岡田英二郎医師:

「腰椎椎間板ヘルニアの治療に関して、インターネットに情報が多くある現代ですが、どれを選択すればいいかわからないといったことも外来でお伺いします。今回ご紹介させていただいたヘルニコアは100%の治療成功率はありませんが、70%近くの患者様が改善し、比較的安全に行うことができる治療法です。将来、治療の主軸にはならなくても選択肢の一つに成り得ることを皆さまにご認識をしていただければと考えております」

現在腰椎椎間板ヘルニアに悩んでいる方はもちろん、それ以外の方もこれからなる可能性を見据え、参考にすると良いだろう。

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