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知っているようで知らない?大改修を終えた「姫路城」の見学ポイント




はじめに


日本が誇る世界遺産の一つ兵庫県の姫路城。
羽を広げたシラサギのようなその姿から、別名「白鷺城」とも呼ばれますが、平成27年に大改修を終えて、眩いばかりに一層白く輝く姿を露わし、更に観光客を魅了しています。
現存するお城の中でも群を抜く数の国宝がある「姫路城」。
その魅力をみていきましょう。
世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力①文化財の多さ

世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力①文化財の多さ


平成5年に法隆寺と供に日本で最初の世界遺産に登録された「姫路城」は、最も大きく、美しいお城です。
また、美しいだけでなく、お城の建造物の一つ一つが国宝や重要文化財に指定され、貴重な歴史を留めるお城でもあります。

400年以上も昔に建てられた姫路城は、白漆喰総塗籠造りの城壁で、5層7階の大天守と3方の小天守が連結した連立式天守が特徴の建造物。
その大天守、乾小天守、西小天守、東小天守の4つの天守閣と、「イ」、「ロ」、「ハ」、「ニ」の4つの渡櫓の8つが国宝なんです。重要文化財の数でいえば74棟と、群を抜く数に驚きます。

高さも、2位の松本城が25mなのに対し、姫路城は31.5mと、当時の栄華がどれほどのものだったかが窺えますね。 世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力②美しい城には要塞がある!?

世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力②美しい城には要塞がある!?


「美しいバラにはトゲがある」と言いますが、まさに美しい城には要塞、です。

なんといっても面白いのは、スタートの大手門から入って大天守までの道のり。
たくさんの仕掛けのある門が幾つもあり、「い」〜「ほ」の門を経て「水一」〜「水六」門でやっと天守へ。
それぞれの意図する戦略を確認しながら、門をくぐって行くと結構楽しめます♪

袋小路に見えて、実は横から敵が迎え撃つ隠れ門(るの門)があったり、門をくぐって真っ直ぐ突入するつもりが次の門はその360度真後ろにあって気付きにくいとか(ほの門と水一門)、上から槍で攻撃できる二階建て門(にの門)、その他まだまだたくさんの仕掛けが。

さらに壁が三角形や四角形に切り抜かれていて、美しくデザインされているのかと思いきや、実はそれも攻撃に使われるもの。
そこを通る敵を迎え撃つ為に、鉄砲や矢を配置する挟間(さま)という仕掛けなんです。

とにかく敵にとって、天守閣まで辿り着くのは至難の技というしかない、そんな仕掛けの数々で溢れています。 世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力③徳川への忠誠と、権威の象徴の「白」いお城

世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力③徳川への忠誠と、権威の象徴の「白」いお城


お城の色を見てみると、その時代背景も見えてきます。
長野県の松本城のように「黒」いお城に対し、姫路城は「白」。

その色の違いはどうしてなのでしょう。

理由の一つとして、豊臣家側か徳川家側か、という見方ができます。
豊臣秀吉の「大阪城」を見てもわかるように、秀吉は「黒」いお城を好みました。
その理由としては、戦国時代なので敵から見つかりにくくする意味もあったようです。
また外壁の腐食防止に黒漆を使ったから、なんですね。

しかし、徳川家康が天下を取った泰平時代には、逆に目立たせることで権威を表す「白」いお城が建てられていきました。
白は膨張色ですから、実際より更に大きく見えるんですよね。
また、秀吉の時代より技術が進歩し、石灰を使った火に強い漆喰を使用した為、白い城になりました。

ですから、1,600年に当主となった徳川側大名、石田輝政が建てたこの姫路城も当然白いお城になったわけです。

ただ、漆喰はメンテナンスには莫大な費用が掛かったと言われていますから、経済的に豊かでないと白いお城を保てなかったことからしても、姫路城を建てた輝政はかなりの財政だったことになります。
実は輝政は、徳川家康の娘、督姫を継室としており、更には関ヶ原の戦いの際の岐阜城攻略の功績を認められ、石高を加増されたという人物なんですね。

それから時代が経過し、1617年、当主が本多忠政に変わった際には、家康の孫の千姫が嫡男・忠刻の元に嫁いだ為、化粧料10万石を与えられます。
それによって西の丸に御殿が増設されました。

こうして見ると、やはり姫路城は徳川家の息のかかったお城というのがよくわかりますね。

また、これだけ白く目立つお城が、昭和の太平洋戦争の爆撃を受けずに残っていることも凄いことですよね。
実は目立たないよう、黒い網で覆っていたという市民の努力があったという逸話が、現代にまで残されているんですよ。 世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力④多くの有名伝説が残る

世界遺産の兵庫県「姫路城」その魅力④多くの有名伝説が残る


歴史の長い姫路城だけに、たくさんの伝説が伝わっています。

中でも有名なのが、城内の上山里丸と呼ばれる広場にある「お菊井戸」にまつわる逸話ではないでしょうか。
お菊さんがお皿を数える「一枚、二枚〜」という声が聞こえるという怪談「播州皿屋敷」です。

大天守最上階にある刑部神社には、妖怪退治をした宮本武蔵に褒美の名刀を与えた、という逸話もあります。

乾小天守北側の石垣にある、姥(うば)が石の逸話は秀吉時代のものです。

姫路城ではシルバー観光ガイドのサービスがあるので、各所にまつわる逸話をガイドさんから聞きながら見て歩くのもオススメです。
ガイド1人につき2,000円はかかりますが、1、2時間掛けて詳しく案内してくれますよ。
入城口横の、姫路城見学資料室の受付で申し込みができます。

◆姫路城
住所:兵庫県姫路市本町68番地
電話番号:079-285-1146(姫路城管理事務所)
営業時間:09:00~16:00 (閉門は17:00)
     ※夏季(4月27日~8月31日)は09:00~17:00(閉門は18:00)
休館日:12月29日・30日

姫路城



おわりに


姫路城では今、スマートフォンのアプリを使って見学できるようになりました。
場内を回りながら、実在していない風景などを再現CGで見られるんです。
過去の遺産を、現代の最新技術を駆使して観る。
まさに、歴史の推移を感じますね!
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