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もはやエンジンにこだわる必要はない!? メルセデスのEV第2弾は航続距離422kmのコンパクトSUV【メルセデス・ベンツEQA】


電動化を着々と進めるメルセデス・ベンツ。EVブランド「EQ」でもっともコンパクトなのが、今回ご紹介するEQAである。コンパクトSUVという人気のカテゴリーだけに、日本でも注目する人は少なくなさそうだ。価格は640万円。

GLAをベースとしたEVがメルセデス・ベンツEQA

メルセデス・ベンツの電動化ブランド「メルセデスEQ」の国内第2弾「EQA」がデビュー、早速試乗してきた。じつはミニバンのVクラスベースのBEVモデル「EQV」が欧州では第2弾としてデビューし、このEQAは第3弾なのだが、国内では2番めということになる。




電気自動車に興味はない、という方も多くいると思うし、逆に待ってましたという方もいるだろう。そうした市場において、乗って欲しいターゲット層は、マーケティング用語で言うところのアーリーアダプター=先行層。新しいものに素早く反応するユーザー層で「電気自動車を試してみようかな」と思える人たちがまずはターゲットとなる。



このEQAはGLAをベースとしたBEVモデルで、コンパクトサイズ。全長4465mm、全幅1835mm、全高1625mmでCセグメントプラスほどの大きさ。66.5kWhのリチウムイオンバッテリーをフロア下に搭載し、航続距離はWLTCモードで422kmと大型EV並みの後続距離がある。




モーター出力は190ps/370Nm。トルクから判断するとプレミアムモデルのCセグメントディーゼルが、似たようなスペックとなる。もちろんモーター駆動だからレスポンスが良く、力強い走りを披露する。

メルセデス・ベンツEQA 250のボディサイズは全長4465mm、全幅1835mm、全高1625mm 。

実際に試乗してみたのはEQA250で、東京の都心部と横浜、そして首都高速と日常的に走る場所が試乗の舞台となった。言うまでもなくモーターの加速は滑らかでシームレスに加速し、そして静か。そこはメルセデスだから、静粛性は際立つし安心、安全は担保されているわけだ。

メルセデス・ベンツEQA 250

走らせて思うのは、パワートレーンがICEからモーターに変わっただけだという印象。「だけ」というと言い過ぎかもしれないが、逆に「なんでICEにこだわる?」とも言える。市街地を走り、首都高速を走るのにICEである必要性を見つけるのが難しくなる。




そりゃAMGのように大トルクで、お腹に響くサウンドが気持ちいいことは間違いないが、アーバンSUVのポジションを考えると、むしろEVのほうが選択としてはいいのではないかと。

EQAの最高出力は190ps、最大トルクは370Nm。

気に入ったのは、EVならではなの回生モードに関して。減速回生をパドルシフトで変更できるのだが、通常は「D」モードで、ガソリン車のエンジンブレーキ程度の回生ブレーキがかかる。これを「D+」にすると滑空モードで抵抗がなく、滑るように走行するので効率がいいモード。でもエネルギー回生をしていないのでバッテリーはひたすら減るだけで、状況により使い分けたほうが良いだろう。




そして「D−」(ディーマイナス)は「D」よりも減速Gが強くなり、さらに「D−−」(ディーマイナス・マイナス)を選択するとフットブレーキを踏んだくらいの減速Gが発生する。いずれも完全停止まではしないので、最後はフットブレーキが必要になる。




このパドルシフトによる減速エネルギーコントロールは、すぐに使い方が理解できフットブレーキを使わないで走行することが容易に誰でもができます。運転好きであれば、その「コントロールしている感」が楽しくなるでしょう。



さらに「D-auto」モードがあり、これはパドルを引き続けるとセットされるのだが、先行車との車間距離をセンサーが判断し、最適な車間距離を自動で調整し、その際減速エネルギーを回収するモードだ。都心部で混雑している状況では使いにくいが、高速道路ではさらに楽ちんに賢く運転できる。




また純粋に走行モードも選択でき、エコ、コンフォート、スポーツ、インディビデュアルの4モードも選択でき、電費を選んだり、スポーティ走行を楽しんだりすることも可能だ。

普通充電(AC200V)と急速充電(CHAdeMO)に対応した充電システムを搭載する。急速充電(50kW)では約1.3時間でフル充電される。

乗り心地は、硬い物に乗っていて、衝撃はサスペンションが吸収しているというのを実感できるもの。ボディ剛性も含めてシートもステアリング剛性も全部が硬質な印象で、それが逆に良いもの感にも感じたりするのだが、ドイツ車好きには馴染みのある乗り心地だろう。若干のピッチングがあるのは気になるが、ICE車と共有プラットフォームで、重量配分が変わるわけでもう少し、煮詰めがあってもいいかもしれない。

試乗車はAMGライン装着車で、20インチアルミホイールを履く。

エクステリア、インテリアは誰が、どこから見ても「メルセデス」、「ベンツ」だ。フロントグリルには大きなスリーポインテッドスター、そしてテールゲートにもある。




インテリアはICEモデルと同じで、シフトセレクターも同じ位置。ハンドルの右側にコラムタイプが装着されている。なおさらICEがモーターに変わっただけと感じられる。

EQシリーズの特徴が、大きなブラックパネルのフロントグリルだ。

液晶ディスプレイが二つ並ぶダッシュボードやジェットタービン風アウトレットなど、基本はベースのGLAと同じ眺め。

メーターパネルは最新のEクラスやSクラスにも採用されている一枚板でフレームレスの液晶パネルが設置され、タッチパネルとトラックパッドの両方で操作ができる。空調やハザードランプのスイッチは物理スイッチが健在。でも均等にそしてフラットにレイアウトされているので、アイコンを確認しないとスイッチが確定できない。オーナーになると必然的に場所を覚えるので、問題ないかもしれないが、一見さんに盲牌は厳しい。




アンビエントライトやダッシュボードのバックライトなどEQ専用の装備もあるが、いずれも「ベンツ」の装備であり、メルセデス・ベンツの製品の中での新機能なので、よそ者感がまったくなく溶け込んだ装備類に溢れている。

インパネ中央のスイッチ。
センターコンソール上のタッチパッド。

EV車に乗ると気になるのは電欠。航続距離だろう。でも考えてみると、セカンドカー、奥様御用達となれば一気に400km走行するだろうか? ICEでも一般的に400kmを走行する機会は年に何回もないはず。つまり1ヶ月の走行距離が1000km走る人でも2.5回の充電でイケるわけである、計算上は。




そうした不安のある人に向け、メルセデス・ベンツ日本では、長距離走行の場合のシェアカーサービスも用意している。EQAオーナーが遠出をするときに、距離に不安があるときは、


正規ディーラーで「シェアカープラス」に加盟していれば、別のモデルを貸してくれるというもの。アーリアダプターからボリュームゾーンの人もお試ししてみてはいかがだろうか。

メルセデス・ベンツ EQA 250




全長×全幅×全高:4465mm×1835mm×1625mm


ホイールベース:2730mm


トレッド:F1585mm R1585mm


車重:1990kg




電動機型式:EM0021


電動機種類:交流誘導電動機


最高出力:190ps(140kW)/3600-10300rpm


最大トルク:370Nm/1020rpm


駆動用二次電池:リチウムイオン電池


総電圧:367V


バッテリー容量:66.5kWh


急速充電:DC充電 CHAdeMO


普通充電:AC200V


一充電走行距離(WLTCモード)


422km


交流電力量消費率 WLTCモード:181Wh/km


市街地モード 176Wh/km


郊外モード 175Wh/km


高速道路モード 187Wh/km




車両価格:640万円
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