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内燃機関超基礎講座 | 7気筒や9気筒という奇数気筒エンジン


自動車用レシプロエンジンで奇数気筒なのは1/3/5のみ。しかし「自動車用」という括りを外せば、さらに多くの奇数気筒配列が存在する。その典型は航空機用星型エンジンだ。海の上と大空では なぜか奇数気筒が幅を利かす 。

逆に言うと、星型には奇数気筒しか存在しない。星型の偶数気筒があるとして、その点火順序を考えて見よう。




円に沿って順に1→2→3...とすると、クランク一回転で全気筒の点火が終わってしまい、4ストロークが成立するためには残りの一回転は空回りするだけだ。だから奇数気筒として1→3→5→2→4(5気筒の場合)と対角線上に点火することが必要になる。14気筒といった偶数気筒は7気筒×2といった具合に、奇数気筒を前後に重ねて成立するのであって、基本はあくまで奇数配列である。




また船舶用の大型ディーゼル機関には、7気筒以上の直列奇数配列がある。2ストロークで数十rpmという極低回転で運転されるため、120°以上のクランク位相(点火間隔)であれば振動はほとんど問題にならないからだ。

Wärtsilä 38。超ロングストロークの2ストロークディーゼルは、ボア×ストローク共通で要求出力を気筒数の増加できめ細かく賄う例が多い。奇数気筒の場合は4+3というように分割配置をする。組立式クランクならではの仕様設定といえる。

BMW・132型星型9気筒エンジン(1933年)。3気筒から成立する星型だが、実例としては7気筒が多い。その高出力派生型として9気筒がある。これ以上の多気筒化はシリンダー(ほとんどがフィン付き空冷)同士が接近しすぎて、配置と冷却に無理が生じる。

中島飛行機・栄型・星型14気筒エンジン(PHOTO:SUBARU)。9気筒以上はクランクシャフトをふたつ以上並べた複列となり、第二次大戦時の主力エンジンのほとんどが14か18気筒。3列・4列といったバケモノも存在したが、ジェットエンジンの登場と期を一にしたためわずかしかない。

プラット&ホイットニー・R-4360 Wasp Major。星型28気筒エンジン(!)。

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