AMG A 45などに搭載されていた2ℓの高過給エンジンがM133型。ランサーエボリューションの4B11型に比肩するハイパフォーマンスユニットの構造を紹介しよう。

M133型はダイムラー社の4気筒シリーズのハイパフォーマンス版で、通常仕様・M270型を高度にチューニングしたもの。なお、M270型をCクラス以上の縦置き仕様にしたものがM274型(さらにいえばこのファミリーはM260型/縦M264型/AMGのM139型にスイッチしている)。ご存じメルセデスAMG——かつてはメルセデス・ベンツのAMG仕様——「45」グレードに載せられ2.0ℓの排気量から475Nmという強大なトルクを発揮する、世界最強レベルのエンジンである。



M270型に対して、最大1.8barという破格の高過給圧に耐えるべく、シリンダーの構造はオープンデッキから低圧鋳造式のクローズドデッキに構造を変更、溶射コーティングによるライナレス構造の「ナノスライド」は当然採用、ピストンリングにもPVD(物理的蒸着法:合金蒸着)コーティングを施すことで摩擦損失を低減する。さらにシリンダーヘッドはジルコニアを添加したアルミ合金とすることで熱伝導率を向上させ高出力高発熱に対応した。



ウォーターポンプはハウジングは流用ながら羽根形状を再設計することで流量を15%アップ、管形状の見直しによりキャビテーションの発生も抑制する。ユニークなのはエンジンの冷却系統に水冷式のトランスミッションフルードクーラも統合されていることで、これによりターボチャージャーを含めた強力な冷却系統を実現している。



クランクシャフトは44MnSiVS6材を用いる鍛造鋼。クランクベアリング径は55mm/コンロッドベアリング径は48mmとし、M270型に対して170mm2の受圧面積を拡大している。なお、コンロッド長は138.7mm、クランクピン径は22mm。



低速トルクの早い立ち上がりにも意が注がれた。そのためにはタービン/コンプレッサホイール径を必要最低限に抑えたい。そこで、タービンハウジング断面形状を5%大きくすることで圧力を低減、排ガスの背圧を最大3.2barに抑えることに成功している。ターボの形式はツインスクロール式を採用した。

■ M133

気筒配列 直列4気筒

排気量 1991cc

内径×行程 83.0×92.0mm

圧縮比 8.6

最高出力 280kW/6000rpm

最大トルク 475Nm/2250-5000rpm

給気方式 ターボチャージャー

カム配置 DOHC

吸気弁/排気弁数 2/2

バルブ駆動方式 ロッカーアーム

燃料噴射方式 DI

VVT/VVL In-Ex/◯

(AMG GLA 45)

情報提供元:MotorFan
記事名:「 内燃機関超基礎講座 | 世界最強レベルの2ℓターボ「メルセデス・ベンツA45 AMG」のM133