2003年に颯爽と登場し、人気を博した「スイフトスポーツシリーズ」。3代目のZC33Sにして、まさかのキャラクターを大幅変更。ダウンサイジング “じゃない” ターボエンジンでライバルはランエボ&WRX STIに!

ゴールデンウィーク短期集中連載として、スイフトスポーツシリーズの進化を辿る2回目です。解説は、スイスポと言えばこの人! 加茂 新氏。



TEXT:加茂 新(KAMO Arata)

ターボエンジンにスイッチして劇的な速さを手に入れたZC33S

2017年に発表・発売が開始された現行型のZC33Sはデザインもパッケージも一新。

ベースとなるモデルは1000ccエンジンにターボをつけたZC13Sなどがあり、そのスポーツグレードとなるスイフトスポーツには1400ccエンジンにターボが組み合わせられた。動力性能的には1000ccターボで先代のZC31S/32Sの1600ccNAエンジン「M16A」とほぼ同じ。

ZC33Sの1400cc+ターボである「K14C」ユニットは先代よりも明らかにパワーもトルクも明確に大きい。

とにかく一言で表すと「ものすごくパワフルになった」のだ。

可愛くもカッコいいデザインは、街中で目立つこと請け合い

新設計のボディの車重は970kgと、大幅に軽量化。それでいてアダプティブ(追従)クルーズコントロールも装着可能。むしろマイナーチェンジ後はそれらが標準装備されたセーフティパッケージがメイングレードになった。



そのグレードなら車線逸脱アシストもついていて、車線からはみ出そうとするとステアリングを自動で切ってくれる。スズキ車では初搭載の高機能がスイフトスポーツから実装が始まった。それらを使えば、マニュアル(MT)車でも高速道路ではほぼ自動運転が可能なほどだ。

さらになんと俯瞰の映像を見ながら駐車に役立てる「全方位カメラ」もオプションで選択可能に。

オートマチックトランスミッションもZC32SのCVTから、今回は6ATに進化。

とにかく車両本体価格200万円未満とは思えない豪華な装備なのである。



オートマの制御もスムーズでまったく違和感はなし。サーキットでも全然タイムラグを感じず、パドルシフトで夢の2ペダルスポーツドライビングも可能なのだ。

が、オートマ唯一の難点はLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が装着できないこと。

6MTは先代譲りのものでターボ化のパワーにも対応。250psまでチューニングしているショップもあるが、ミッショントラブルの心配はない

クルマが曲がるときの回転差を吸収するデファレンシャル。スムーズに曲がれるようになるが、パワフルなクルマでコーナリングすると、加速時にイン側のタイヤが空転して、駆動力が逃げてしまう。そこでその機能を部分的に抑制するためにLSDが必要になる。6MT車ならば装着可能。



過去にはスズキスポーツからもリリースされていたが、現在はクスコやOS技研、ATSなどから発売中。それを装着すればいいが、6AT車には構造的に装着ができない。

なので、AT車でスポーツ走行するとトラクション不足が気になるのだ。



でもね、その弱点も気になるのはサーキットだけ。

普段乗りではまず関係ないので、6ATを選んでも充分に楽しめるモデルとなったのだ!

ベースモデルに対してワイドボディ化しているが、室内の広さが広がるというよりは、フェンダー部が広がっているようで、ドア内側部分の厚みが増している

車室内に目を向けてみよう。乗車定員は5名。実際大人が5人で乗ると広くはないが、4人なら充分搭乗可能。後席足もとの広さも決して狭くはない。



後席は倒すことでトランクとつなげることができ、長いものを積むことも可能。

もちろんアフターパーツとして一般的な215/45 R17サイズのタイヤを8本収納して、2名乗ることも可能だ。

コンパクトサイズながら、しっかりと大人4名が乗車できるところは特筆もの

スポーツカーであり、ファミリーカーである幅広い使い方ができるのがスイフトスポーツの最大の魅力。

その魅力を持ちつつ、パワーユニットの一新でサーキットではフィットやマーチなどの同クラスと競うところから、ライバルはランエボやWRX STIなどのハイパワー4WD勢となった。



そんなありえないような楽しみかたに満ちているのが、最新型スイフトスポーツなのだ。【明日に続く】

情報提供元:MotorFan
記事名:「 スイスポ進化論② スポーツとファミリーが両立?!【連載|スズキ・スイフトスポーツを愛しすぎた加茂からのラブレター②】