昭和電工は、高熱伝導性・高強度アルミニウム合金製、板材「ST60-HSM」の車載用バスバーへの展開を本格化し、複数の自動車部品メーカーに本年よりサンプル提供を開始した。

 昨今のグローバル規模でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組み強化を背景に、自動車業界でもハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車等の電動車へのシフトが加速し、燃費向上や走行可能距離伸長のため、車体の軽量化への取り組みが求められている。そのため、車載モーターとコンバータ、インバータとジェネレータを接続するワイヤーハーネスやバスバー(*1)等も、銅製のものから、より軽量なアルミニウム合金製への置き換えが急速に進んでいる。



 昭和電工は、高熱伝導性・高強度アルミニウム合金製、板材「ST60-HSM」の車載用バスバーへの展開を本格化し、複数の自動車部品メーカーに本年よりサンプル提供を開始した。ST60は昭和電工が2001年に開発したアルミニウム合金製板材で、純アルミニウム並みの熱伝導性と構造用材として代表的なアルミニウム合金5052と同等の強度を持つ。ST60-HSMは、ST60シリーズの中でも高強度かつ成形性が良好で、6061(*2)に匹敵する引張強さを有し、スマートフォンやタブレットの内部シャーシや筐体のメタルベースに使用されている。HSMはHigh Strength Metalの略。車載用バスバーに要求される疲労強度や高温強度にも優れるST60-HSMを用いることで、既存の銅製のバスバーに比べて約43%の軽量化(*3)を実現するとともに、銅製バスバーより安価なことからコスト削減にも寄与する。

各種金属類との比較

*1 電気を通すための金属製の板(導体)で銅製が多い。電線よりも効率的に電気を流すことができるため、大電流を流す用途で使用される。

*2 6000系はマグネシウムとシリコンが添加されたアルミニウム合金の系統で、高強度で耐食性・切削加工性に優れ構造用材に使用される。6061は銅等を添加して強度を高めており、溶体化・焼入れ・時効処理によりさらに高い強度が得られる。

*3 アルミと銅の比重比(Al:2.7 / Cu:8.9)と導電率比(Al:54 / Cu:102)として試算。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 昭和電工:高熱伝導性・高強度アルミニウム合金製板材「ST60-HSM」の車載用バスバー用途展開を本格化