ホンダCB125RのエンジンがDOHC化されて15馬力にアップされ、足周りも高性能化されるなどモデルチェンジ。ここではスウェーデンのハスクバーナが生産する国内でも発売中のスクランブラーモデル・スヴァルトピレン125との外観・フレーム・足周り・エンジンを比較検証。両車とも、高性能な水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ15馬力エンジン、125ccとは思えない贅沢な足周り、前後に大径の17インチホイールを採用。維持費も安くて手軽に乗れる、原付二種の2モデルを比べてみよう。

REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

維持費も安い原付二種!高性能な水冷4ストDOHC4バルブ単気筒125ccエンジン、ハイパワー15馬力、前後17インチホイールを装備した2モデルに注目

 ヨーロッパのEU諸国では、



・AM免許……50ccまで。最高速度45Km/h以下

・A1免許……51cc~125ccまで。最高出力15馬力以下

・A2免許……排気量制限なし。最高出力47.6馬力以下

・A免許……排気量、最高出力ともに制限なし



 に分割。ヨーロッパの一部の国では、日本の原付免許と同様、普通自動車免許を取得していれば、AM免許やA1免許がオマケで付帯。そのため、51cc~125cc&最高出力15馬力以下のモデルは、モーターサイクルの登竜門として位置付けられているのが特徴。(50ccまで&最高速度45Km/h以下のモデルは、自転車の延長上と位置付けられたモペッドが定番)。



 また、バイクの巨大市場である東南アジアでは、若者やしばらくバイクから遠ざかっていた中高年齢層を中心に、125cc・15馬力・前後17インチ大径ホイールを装備したスポーツミッションモデルの人気が急上昇。



 両車は上記のA1免許ユーザーや、東南アジアのユーザーをメインターゲットにしたモデル。国内では、維持費も安くてお手軽な原付二種(普通自動二輪・小型限定免許以上で乗車可能)に相当する。

ホンダCB125Rの前後ホイールは大径の17インチ。写真はマットガンパウダーブラックメタリック。

欧州スウェーデン生まれのハスクバーナ スヴァルトピレン125。前後ホイールはCB125Rと同寸の大径17インチ。前後タイヤはロードタイプではなく、スクランブラーならではのブロックパターン。国内でも話題となり人気のモデル。

CB125Rのヘッドライトは薄型・丸型LEDを採用。
スヴァルトピレン125のフロント周り。灯火類はフルLED。
CB125RのLEDテールランプ。レンズを2重構造として、ヘッドライトと同じくラウンドシェイプの立体的な光を演出。
スヴァルトピレン125のテールランプには、クリアレンズに赤色発光LEDを採用。
中央のクランプ部をΦ28.6mm、両端をΦ22.2mmとし、ダイレクトな操作感を可能にしたCB125Rのパイプ型テーパーハンドル。
スヴァルトピレン125のハンドル周り。幅広テーパータイプのハンドルバーに補強用ブレースを装備したオフ車テイスト。
CB125Rのフルデジタル多機能液晶メーター。エンジン回転数ごとに点滅周期が可変するシフトアップインジケーター、タコメーターのピークホールド機能、ギアポジションインジケーターなどを搭載。
北欧風デザインのお洒落なスヴァルトピレン125のメーター。左側の「MODE」スイッチでスーパーモトモードに切り替え可能。

新型CB125RはSOHC2バルブからDOHC4バルブに進化し、最高出力は13馬力から15馬力に大幅アップ!

エンジンはもちろん、足周りも大きく進化した新型のホンダCB125R。

 新しくなったCB125Rの最大のポイントは、SOHC2バルブから、高性能な新設計のDOHC4バルブエンジンを搭載していること。高回転域での吸排気性能に優れた「カムシャフト=1本→2本」「吸気バルブ=1本→2本」「排気バルブ=1本→2本」への進化と同時に、中高回転域の吸排気効率を向上。最高出力を13馬力から15馬力にパワーアップしているのが大きなポイントだ。SOHC2バルブだった前モデルに比べ、



・最高出力:13ps/10,000→15ps/10,000

・最大トルク:1.0kgf・m/8,000rpm→1.2kgf・m/8,000rpm



 また、DOHC4バルブ化に伴い、ボア経×ストロークと圧縮比は



・Φ58.0mm×47.2mm→Φ57.3×48.4mm

・11.0→11.3



 に変更。ロングストローク率を若干高め、圧縮比をアップしているのが特徴。



 モデルチェンジに伴い、新型のCB125Rは足周りも大きく進化。兄貴分のCB650RやCB1000R、カワサキNinja ZX-6RやカワサキNinja ZX-25Rなどに標準装備されている、SHOWA製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビックピストンタイプ)倒立型フロントフォーク(大口径のΦ41mm)を、125ccクラスとしては初採用。優れた路面追従性と軽量化を両立している。



 新型のCB125Rは、安定した減衰力を発揮する分離加圧式リヤサスペンション、高張力鋼板製のスイングアームを組み合わせ、乗り心地と軽快感のあるハンドリングを実現しているのも見逃せないところだ。

CB125Rのライバルに相応しい、ハイスペックなエンジンや足周りのスヴァルトピレン125

スチール製トレリスフレームを採用したスヴァルトピレン125。兄貴分の250(249cc)と401(373cc)も同じフレームを採用。

 ハスクバーナというブランドは、300年以上続く老舗中の老舗。現在のブランドロゴは、王冠と銃口がモチーフになっていると伝えられる。スヴァルトピレン125は、15馬力を発揮する水冷4ストDOHC4バルブ単気筒125ccエンジンを搭載。



 スチール製トレリスフレームや足周りは、250(249cc/31馬力)と401(373cc/44馬力)と共通。125ccながら大柄な車体は、それも影響している。



 スヴァルトピレン125の足周りは、フレームと同様、基本的に兄貴分の250(249cc)や401(373cc)と共通。125ccクラスとは思えない、ハイスペックな仕様がポイントだ。



 前後サスペンションはレースでも実績のあるWP製を導入し、ブレーキはブレンボの小排気量向けブランドであるBYBRE製を採用。ABSはボッシュ製とし、後輪のみ解除可能なスーパーモトモード付きという豪華な仕様としている。生産は世界有数のバイク市場を誇るインド。

価格は高性能なCB125Rが5万4000円安!CB125Rとスヴァルトピレン125を比較

CB125R。ホイールベースは1,345mm。前後ホイールはアルミキャスト型の17インチ。前後タイヤはアスファルト走行を想定したロードタイプを装備。重量は130kg。

スヴァルトピレン125。ホイールベースは1,357mm±15.5mm。前後ホイールはスポーク型の17インチ。前後タイヤはアスファルト走行に加え、オフロード走行も想定したブロックパターンを装備。重量は約146kg。

CB125R(写真は前モデル)。新型のシート高は815mm。ライダー身長169cm。
スヴァルトピレン125。シート高は835mm。ライダー身長179cm。

【ホンダCB125R】

全長×全幅×全高:2,040mm×820mm×1,055mm

ホイールベース:1,345mm

最低地上高:140mm

シート高:815mm

重量:130kg

フレーム:スチール製ダイヤモンド

フロントサスペンション:SHOWA製SFF-BP 倒立型(インナー径Φ41mm)

リヤサスペンション:モノショック型

フロントブレーキ:Φ296mmウェーブディスクローター+ラジアルマウント式4POTブレーキキャリパー

リヤブレーキ:Φ220mmウェーブディスクローター+片押し1POTブレーキキャリパー

タイヤ:前110/70R17M/C 54H 後150/60R17M/C 66H(前後チューブレス/ラジアル)

価格:47万3000円(消費税10%を含む)



【ハスクバーナ スヴァルトピレン125】

全長×全幅×全高:-

ホイールベース:1,357mm±15.5mm

最低地上高:-

シート高:835mm

重量:約146kg

フレーム:スチール製トレリス

フロントサスペンション:WP製APEX倒立フォーク型(インナー径Φ43mm)

リヤサスペンション:WP製APEXモノショック型

フロントブレーキ:Φ320mmディスクローター+BYBRE製ラジアルマウント式4POTブレーキキャリパー

リヤブレーキ:Φ230mmディスクローター+BYBRE製片押し1POTブレーキキャリパー

タイヤ:前110/70R17 後150/60R17(前後ブロックパターン)

価格:53万9000円(消費税10%を含む)



 両車とも前後17インチホイールを採用し、125ccクラスとは思えない大柄な車体が特徴。エアロデザインの外観やキャストホイール&ロードタイヤを装備したスポーティなCB125Rに比べ、角張った外観+スポークホイール+ブロックパターンタイヤを装備したスヴァルトピレン125は、やや武骨なイメージ。



 CB125Rの足周りは、125ccクラスとは思えない強靭な仕様。スヴァルトピレン125のフレームと足周りは、兄貴分の250(249cc/31馬力)と401(373cc/44馬力)と共通。そのため、フロントフォーク、リヤサスペンション、前後ブレーキとも、CB125Rと同等もしくはそれ以上といえる、既存の125ccクラスの常識を超越した、豪華な装備が盛り込まれている。



 前後タイヤは両車とも同サイズ。ビッグバイク並のフロント110mm幅、リヤ150mm幅に設定するなど、迫力ある足元に仕上げている。両車とも前後2チャンネルABSを標準装備。なお、スヴァルトピレン125は「スーパーモトモード」というモードを設定。これを選択することで、リヤ側ABSの解除も可能だ。



 なお、CB125RのABSには「IMU(車体姿勢推定システム)」が導入。このシステムは、前後輪に装備した車輪速センサーからの情報をもとに、走行中、自己診断機能付ECUがタイヤのロックを監視。ブレーキのかけ過ぎや、急な路面変化によるタイヤのロック傾向を検知するとタイヤのロックを回避し、車体コントロールをサポートする画期的なもの。

CB125Rのフロントブレーキ。Φ296mmウェーブディスクローターに、4ポットラジアルマウント式キャリパーを組み合わせ。
スヴァルトピレン125のフロントブレーキ。BYBRE製Φ320mmディスクローターに、4ポットラジアルマウント式キャリパーを装備。
CB125R&スヴァルトピレン125ともに、前後2チャンネルABSを採用。CB125Rには「IMU(車体姿勢推定システム)」も導入済み。(写真はCB125R)
スヴァルトピレン125は「スーパーモトモード」を選択することで、リヤ側ABSは解除されブレーキターンにも対応。タイヤはオンロードから軽いダート走行にも対応するピレリ・スコーピオンラリーSTR。
CB125Rのスイングアームは、高剛性としなやかさを兼ね備えた高張力鋼板製。リヤサスペンションは、ピストンバルブの大径化を図る分離加圧式を採用し、軽量化と優れた応答性に貢献。
スヴァルトピレン125のリヤサスはWP製APEXモノショック。軽量シンプルな構造の直押しタイプを採用。前後サスともストローク長は142mmと長めで凸凹路面での吸収性も良好。
CB125Rの水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ124.9ccエンジン。
スヴァルトピレン125の水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ124ccエンジン。

【ホンダCB125R】

エンジン:水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ

総排気量:124.9cc

内径×行程:Φ57.3mm x 48.4mm

圧縮比:11.3

最高出力:15ps/10,000rpm

最大トルク:12N・m/8,000rpm

ミッション:6速

燃料タンク容量:10L

スターター:セルスターター



【ハスクバーナ スヴァルトピレン125】

エンジン:水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブ

総排気量:124cc

ボア×ストローク:Φ58mm×47.2mm

圧縮比:12.8

最高出力:15ps/9,500rpm

最大トルク:12N・m/7500rpm

燃料タンク容量:9.5L

変速機形式:6速リターン

スターター:セルスターター



 両車ともハイスペックな、水冷4ストロークDOHC単気筒4バルブエンジンを搭載。排気量や最高出力は、ヨーロッパのA1免許(51cc~125ccまで。15馬力以下)に適合した仕様に設定。



 内径×行程(ボア径×ストローク長)は両車とも高回転域でパワーを稼ぐ、回して楽しいスポーティなショートストローク型。ボア径はスヴァルトピレン125の方が0.7mm広く、若干ショートストローク率が高いのが特徴だ。圧縮比はスヴァルトピレン125が1.5高く、レーシーなスペックとなっている。



 スヴァルトピレン125は1万回転近くまでスムーズに吹ける高回転型で、シフトワークを駆使しつつ、パワーバンドキープで走るのが楽しい。公道でもアクセル全開にできるのは125ccならではで、大排気量モデルのような発進でドカンとくるパンチはないが、とにかくスムーズ。



 一方、スヴァルトピレン125よりも1.2mmロングストロークに設定し、圧縮比を1.5下げたCB125Rは、諸元上、スヴァルトピレン125に比べて低中回転域を多用するストリート走行寄りにセッティング。スポーツ走行はもちろん、街乗りでの扱いやすさも重視しているのがポイント。



 両車ともミッションは6速を採用し、エンジン始動方式はセルフスターターのみ。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 ホンダとハスクバーナの気になる2台、新型CB125Rとスヴァルトピレン125。水冷DOHC4バルブ15馬力を比べてみる