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内燃機関超基礎講座 | スズキ・スイフトスポーツのK14C型エンジンをクローズアップ


K10C型直噴ターボに続いて登場した、4気筒版であるK14C型直噴ターボエンジン。SUVであるエスクードに搭載されたのに続いて、次弾はなんとスイフトスポーツ。リトルダイナマイトとかホットハッチだとか、そういう単語で形容されるクルマにふさわしいエンジンが載ってきた。さて、どんな特徴があるのだろうか。

ターボチャージャを至近から。ヘッド内蔵のエキマニ構造、ウェイストゲートのアクチュエータがよくわかる。

ノーマルクローズ制御というのがK14C@スイフトスポーツにおけるトピック。普段は閉じておいて排気流は余さずタービンへ、インターセプトポイントを超えると破壊を免れるためにウェイストゲートを開いてタービン流入エネルギーを低減させるという、要するに「従来慣れ親しんだターボの使い方」である。




では一方の「ノーマルオープン制御」が最近のパワートレインで一般的なのはなぜかと言うと、自動変速機と組み合わされていることがいちばんの理由。一般走行中の軸出力を測ってみるとわかるが、クルマは低負荷域で走っていることが多く、その際の出力は数kW、よくて数十kWというところ。燃料消費を極力抑えたい昨今、出力が求められていないのにタービンに排気流を当ててまで排気抵抗を増やすのは得策ではない。そこで普段はウェイストゲートを開いておいてそちらへ導流しておくわけだ。急加速したいときには変速機が活躍。瞬時にローギヤレンジに変速することで軸トルクを稼ぎ、その間にエンジン回転が高まるからその頃には過給効果が得られるという寸法である。

K14Cの2種、そしてM16Aの出力曲線比較。それぞれの特質がよくわかる。

しかしMTが主体であろうパワートレインにはこの手が通用しない。明らかなターボラグはドライバビリティにとってネガ要素だから、常時タービンを回しておくノーマルクローズ制御に踏み切ったわけだ。したがってもっぱらの興味は、スイフトスポーツの6AT仕様。これらをひっくるめて考えると、一定速からガバッとアクセルを開けると、ノーマルオープン車の場合はダウンシフトして加速するところ、もしかするとギヤはそのままでエンジン回転を上げていき加速するのかな──などと期待。ぜひ実車で試してみたい。




ターボついでに、K14Cはシングルスクロール型ターボチャージャーを用いている模様。4気筒だと1番4番/2番3番のふたつの流路で排気干渉が起きてしまいターボラグを招いてしまう、だからふたつのポート/マニフォールドを完全分流し、それぞれの排気流が干渉することなくタービンに流入する──とは、海外勢のターボエンジンが搭載するツインスクロール型ターボチャージャーの効能としてよく目にする。ただしこのツインスクロールターボ、猛烈に価格が高いそう。ポート側の設計と製造にもお金がかかるのは明白で、さらにヘッド内蔵エキマニなんてことになればさらなる高騰は必至である。




シビック・タイプRが載せているK20C型エンジンも、シングルスクロールターボを用いている。その理由は、高回転域においてはふたつの流路が排気干渉になるから。なるほどの理由である。K14Cもスポーツエンジンを標榜するなら同じ目的かもしれない。低速域の排気干渉は、ホンダK20C型は吸排気ともに備わるVVTと排気側可変リフト機構で排気タイミングをコントロールし抑えているとのこと。




K14Cも、欲を言えば応答性に優れる電動VVTを使いたいところだけどこれも猛烈に高価、吸気側にのみ(おそらく油圧の)ミクニ製VVTが備わっているが、排気ポート設計と合わせてどのようなカムフェーズ制御としているのかが気になる。ちなみにマツダはSKYACTIV-G 2.5Tで、ダイナミック・プレッシャー・ターボシステムというシングルスクロールターボの性能を余さず引き出すポート設計/デバイスを搭載している。

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