JOGアプリオのスペックは、空冷2スト49cc、最高出力6.3PS。発売からおよそ20年が経過した旧型モデルではあるが、令和時代の現代でもチューニングパーツが揃い、快速チューンを楽しめる逸材だったりもする。そして、こちらのノーマル然としたワインレッドのスクーターは、そんなJOGアプリオをベースにボアアップ……どころかエンジンスワップした1台。このスクーターに積まれたJOG90エンジンへの換装は、じつはJOG好き界隈では大定番のチューニングメニューで、作業難易度はかな〜り低め、という興味津々な話題です。

取材協力●KN-YOKOHAMA (045-593-9402)

前後10インチの小ぶりなボディで可愛らしいですが……実は凶暴なチューンナップが施されているのです。

ねずみ色の車体のJOGアプリオの連載で毎回お世話になっている、KN-YOKOHAMAの佐々木店長のお買い物号。アクセルを開けると簡単にウイリーしてしまうほどパワフル。

ノーマルよりもエキパイが太いKN企画製マフラーだったり、ホイールのデザインが若干違ったり……というあたりからノーマルのJOGアプリオではないことが判断できる。
JOGアプリオとJOG90でクランクケースの寸法は同じだが、クランクケースカバーの形状が若干異なっているのも、見かけでわかるポイントの一つ。

エンジンスワップ&ボアストロークアップで49→107cc化

チャンバー装着、ビッグキャブ化、ボアアップ。2スト50cc系スクーターの数あるパワーアップ方法の中でも、効果てき面なのがエンジンスワップ。

排気量の大きなエンジンに載せ替えてパワーを手にいれるのが、このチューンナップの魂胆で、JOGアプリオやJOG-ZRにはJOG90(エンジン型式3WF)のエンジン換装、というのが定番の組み合わせだ。

なおアクシス90のエンジンもJOG90と同じ3WF型。なので、こちらもJOGアプリオとの相性は良い。

JOG90エンジンのメリット

JOGアプリオの排気量は49cc、対するJOG90の排気量は82cc(ボア×ストローク:φ50×42mm)。まず載せ替えるだけで1.6倍以上の排気量が手に入る。単に載せ替えただけの素の状態ではそれほど速くはないので、ボアアップキットを組み込んで89cc化や96cc化でパワーを手に入れる!というのがおきまりのパターンとなっている。



なお、JOGアプリオエンジンでのボアアップでは80ccあたりが排気量アップの限界値で、ロングクランクでストロークアップも可能だが、ストロークに合わせてポートタイミングを合わせる必要があり、手間が大きい。

一方のJOG90は、φ52のボアアップキットを組むと黄色ナンバーの範囲の最大排気量となる89ccに。人気のφ54mmキットでは96ccとなる。ロングクランクのラインナップは少なめ。

今回試乗した佐々木号はJOG90エンジンチューンには珍しい107ccという排気量。KN企画の製品開発として自社のΦ55mmピストンキットを試すために、同じく自社のΦ54mmシリンダーをボーリングして使用。組み合わせたクランクは、クランクケース内にパテ盛りすることなく一次圧縮を上げられるタイプで、制作した当時に流行していたアイテム。発進でドカーンとウイリーするこのメチャ速アプリオはこうやって完成する。

なぜJOG90、エンジンの載せ替えって大変?

JOG90(アクシス90)のエンジンへのスワップの難易度はイージー。エンジンハンガーの位置や寸法、リヤショックの取り付けに関してなど、ディメンションがまったく一緒で、ボルトオンで載せ替えができるのだ。

リヤホイールはJOG90/アクシス90用が必要となり、フライホイールもJOG90/アクシス90用が必要。(今回の規制後車両にはグランドアクシス100用のフライホイールが必要で、ファンの取付に工夫が必要)

他のエンジンは乗せ替え可能?

ポン付けとはいかないが、グランドアクシス100、BW’S100系エンジンへの載せ換えが人気。理由はシリンダーやロングクランクが充実しているからで、JOG90のエンジンを用いるよりもパワーアップ面での拡張性が高い。エンジンハンガーにエンジン自体はそのままガチャっと載せれるのだが、リヤショックの取り付けラインが異なるので、アダプター等を作ってオフセットする必要がある。エアクリーナーボックスも車体と干渉するのを回避するなど工夫は必要となる。

IMPRESSION

「 一見、普通のアプリオなのだが、エキパイの太さが只者じゃない。スロットルをワイドオープンすると、周囲のクルマを蹴散らす程の勢いで加速。ヘタをすると前輪は簡単に浮いてしまう。しかもスピードの伸びは止まることを知らない程である。

アプリオが10インチの小径ホイールゆえに、その過激さは増して感じる。12インチ以上の落ち着きが欲しくなるのが正直なところではあるが、この小さな車体に過激なパフォーマンスを凝縮する、まさに原チャリチューニングの醍醐味とも言える楽しい1台だった」

主要諸元

●エンジン

・クランクケース JOG90純正

・シリンダー KN企画ボアアップキット(品番:JA01)改54mm→55mmボーリング

・クランク KN企画ミドルクランク 45mm(品番:CS02-1)

・キャブレター Stage6デロルト22Φ

・CDI グランドアクシス2型純正

・マフラー KN企画G03X

・エンジン周りその他ポイント スタータークラッチレス化によるセル無し仕様、軽量フライホイールでレスポンス良好



●駆動系

・プーリー KN企画ハイスピードプーリー(品番:7001)

・フェイス KN企画補修用ドライブフェース(品番:7001-8)

・Vベルト KN企画強化ベルトロングタイプ(品番:7020-L-SS)

・クラッチ KN企画補修用クラッチ(品番:7003-5)

・トルクカム KN企画トルクカム(品番:RL-02)

・クラッチアウター KN企画補修用クラッチアウター(品番:7003-5-OT)

・センスプ KN企画強化センタースプリング黄色(品番:7006-2)

・駆動系その他ポイント この車種では超定番となった組み合わせです。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 フツーのおばちゃんスクーターがメチャ速!ってどゆこと?|楽しいJOGアプリオ09