ホンダの人気スクーター「PCX」「PCX160」「PCX e:HEV」がフルモデルチェンジされて2021年1月28日(木)に発売。ここでは125ccエンジン搭載の原付二種モデル「PCX」と、ライバル車であるヤマハNMAX ABSの諸元を比較。両車とも車両価格は35万7500円(消費税10%込)。利便性が高く、通勤通学に大人気の両モデルの特徴や違いを比べてみよう。

REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)

水冷4ストロークSOHC4バルブ124ccエンジン搭載の原付二種スクーター

ホンダ PCX(マットコスモシルバーメタリック)。フロントホイールは14インチ、リヤホイールは13インチに設定。

ヤマハNMAX ABS(ホワイトメタリック6)。前後ホイールは13インチに設定。

PCXのフロントマスク。ランプ類はフルLED。左右上端部がオレンジに光るウインカーランプ。その下にシグネチャーランプを挟んで3灯式のヘッドランプとしている。。
NMAX ABSのフロントマスク。ロービーム時は左右のLEDが前方を照射。ハイビーム時は中央のライトが追加され、3灯で照射するしくみ。
PCXのテール周り。テールランプの両端に、薄型デザインのウインカーランプを装備したシャープなデザイン。
NMAX ABSのテール周り。リヤスポイラー兼タンデムバーも装備。ストップ&ウインカーともにLEDを採用。

 新型のホンダPCXは、新設計の水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒124cc「eSP+(イーエスピープラス)」エンジンを搭載。前後にディスクブレーキを装備し、フロントブレーキのみ作動する1チャンネルABSを導入。また、Hondaセレクタブルトルクコントロール、充電などに便利なUSBソケット等も装備済みだ。



 新型PCXシリーズ最大の特徴は、シンプルな2バルブエンジンから、吸排気効率に優れた4バルブエンジンに進化したこと。スリップしやすい路面でも安心の電子制御システム「Hondaセレクタブルトルクコントロール」も新装備されるなど、動力性能、安全性、利便性のすべてにおいてグレードアップ。



 一方、ライバル車のヤマハNMAX ABSは、世界各国で支持されている「TMAX」「XMAX」のDNAを継承。斬新なスタイルとスポーティな走りなど、MAXシリーズの長所をコンパクトなボディに凝縮。通勤や街乗りに適した、優れたコミューターに仕上げられている。



 エンジンはPCXと同じく、水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒124cc。ヤマハ独自の「BLUE CORE(ブル-コア)」と呼ばれる最新テクノロジー満載のエンジンは、6000rpmを境に低速向けと高速向けカムが切り替わる可変バルブ機構(VVA)を採用。アルミ鍛造ピストンやアルミダイキャクトシリンダーを採用するなど、フリクションロスや高効率燃焼化も徹底追求されている。



 NMAX ABSは、PCXに採用のアンダーボーンフレームではなく、スポーティなバックボーンフレームを採用しているのも特徴の一つ。

外観・サイズ・足周りの違いをチェック

ホンダ PCX。ホイールベースは1,315mm。

ヤマハNMAX ABS。ホイールベースは1,350mm。

ホンダ PCX。全長×全幅×全高は1,935mm×740mm×1,105mm。

ヤマハNMAX ABS。全長×全幅×全高は1,955mm×740mm×1,115mm。

ホンダ PCX。車両重量は132kg。

ヤマハNMAX ABS。車両重量は127kg。

【ホンダPCX】

全長×全幅×全高:1,935mm×740mm×1,105mm

ホイールベース:1,315mm

シート高:764mm

最低地上高:135mm

車両重量:132kg

タイヤサイズ:F 110/70-13M/C 48P(チューブレス) R 130/70-13M/C 57P(チューブレス)

ブレーキ:F 油圧式シングルディスクブレーキ R 油圧式シングルディスクブレーキ ※ABSはフロントに装備

懸架方式(前/後):テレスコピック/ユニットスイング

フレーム:アンダーボーン



【ヤマハNMAX ABS】

全長×全幅×全高:1,955mm×740mm×1,115mm

ホイールベース:1,350mm

シート高:765mm

最低地上高:135mm

車両重量:127kg

タイヤサイズ:F 110/70-14M/C 50P(チューブレス) R 130/70-13M/C 63P(チューブレス)

ブレーキ:F 油圧式シングルディスクブレーキ R 油圧式シングルディスクブレーキ ※ABSは前後に装備

懸架方式:F テレスコピック R ユニットスイング

フレーム:バックボーン



 両車とも骨太なフォルムが大きな特徴。フレーム形式はPCXがスタンダードなアンダーボーン型。NMAX ABSは一般的に剛性に高く、ネジレに強いスポーティなバックボーン型を採用。



 NMAX ABSはホイールベースが35mm長く、ボディサイズはPCXよりもやや大柄なイメージ。しかしNMAX ABSの車両重量は、PCXよりも5kg軽いのが特徴。



 フロントホイールはPCXが14インチ、NMAX ABSは13インチを採用(リヤはともに13インチ)。車両重量とフロントホイールサイズを鑑みた場合、PCX=安定感のある走り。NMAX ABS=小回りの効く軽快な走りを目指したと推測。



 前後ブレーキは両車とも、制動性に優れた油圧式ディスクを採用。フロントブレーキは、PCXがΦ220mmディスクローターに片押し型の2ピストン。NMAX ABSはΦ230mmディスクローターに1ピストンを組み合わせ。

 なお、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、PCXがフロントブレーキのみ。一方、NMAX ABSは前後ブレーキに導入。前後タイヤの幅と扁平率は、両車とも同寸法だ。

14インチホイール採用のPCXのフロント周り。Φ220mmのシングルディスクローターをリジッドマウント。油圧ブレーキキャリパーはNISSIN製2ピストンのピンスライド式。ABSはフロントのみに装備。

NMAX ABSのフロント周り。13インチホイール、Φ230mmディスクローター、1ピストンキャリパーを組み合わせ。前後にABSを装備。

PCXのリヤ周り。14インチから13インチにサイズタウンし、サスペンションのストローク量を稼いだのが新型のトピック。リヤのディスクブレーキも新採用で、ディスク径はフロントと同寸のΦ220mm。

NMAX ABSのリヤ周り。リヤディスクブレーキには、ABSも装備済み(PCXはフロントブレーキのみ)。

PCXはハンドルブラケットの下部にラバーマウント構造を採用。新たなエンジン懸架方式と相まって、振動の少ない快適な乗り心地に貢献。

NMAX ABSのハンドル周り。パイプハンドル採用のPCXに比べ、ハンドルカバーを採用したNMAX ABSは、シンプルでスッキリしたイメージ。

水冷4ストロークSOHC4バルブ124ccエンジンを比較

【ホンダPCX】

エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ

排気量:124cc

ボア×ストローク:Φ53.5×55.5mm

圧縮比:11.5

最高出力:9.2kW(12.5ps)/8,750rpm

最大トルク:12Nm/6,500rpm

燃費(定地燃費値):55.0km/L

燃料タンク容量:8.1L



【ヤマハNMAX ABS】

エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ

排気量:124cc

ボア×ストローク:Φ52.0×58.7mm

圧縮比:11.2

最高出力:9.0kW(12.0ps)/7,500rpm

最大トルク:12Nm/7,250rpm

燃費(定地燃費値):50.5km/L

燃料タンク容量:6.6L



 両車は水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ124ccエンジンを採用。最高出力はPCXが0.5馬力高く、回転数も1,250rpm高い。最大トルクは同じだが、PCXは1,000rpm低いのが特徴。



 両車とも、ボアよりもストロークの長い、ロングストローク型エンジンに設計。一般的にロングストローク型エンジンは、粘り強くてトルクフルな、街乗りに適したタイプ。



 ショートストローク率(ボア÷ストローク)は、PCXがΦ53.5÷55.5mm=0.963、NMAX ABSがΦ52.0÷58.7mm=0.885で、PCXのほうがショートストローク。



 一般的にショートストローク型エンジンは、一般的に回転を上げてパワーを稼ぐ、多気筒のレーシングモデルに多用。NMAX ABSよりも、1,250rpm高い回転数で最高出力を発揮するPCXのスポーティさは、この点でも伺える。



 PCXの圧縮比は11.5と高めだが、燃費はNMAX ABSを凌ぐ55.0km/Lを発揮。PCXの燃料タンク容量は、NMAX ABSの6.6Lよりも大容量な8.1Lを確保している。

PCXの新設計「eSP+」エンジン。新型のエンジンは、Y字のローラーロッカーアームを使用した4バルブに進化。シングル・カムシャフト(吸排カムプロフィール)以外は、125と160は共通部品を採用。

NMAX ABSのユニットスイング式パワーユニットは、「BLUE CORE」と呼ばれる最新鋭。エンジン右側には、アルミラジエターを装備。

メーター&シート下収納スペースを比較

PCXのメーターは、大きく見やすいデザインを採用。羽のように左右へ伸びるライン状の帯ライトは、緑色に光るウインカーパイロットとして点滅。

NMAX ABSのメーターは、丸型シングルの液晶ディスプレイを採用。文字やグラフ表示が大きめでとても見やすい。時計や平均燃費率等、表示内容も豊富。

PCXのシート下スペースは容量30L。ヘルメット2個が余裕で収納できる大きさを確保。

NMAX ABSのシート下スペースは容量24L。深さはやや浅めで、ジェット型ヘルメットは写真のような置き方で収納可能。

足着き性を比較(ライダー身長170cm)

PCXのシート高は764mm。膝に余裕を持って、両足はベッタリと地面を捉えることができる。

NMAX ABSのシート高は765mm。車体は特にワイドではないが、両足の接地点は少し広め。それでも膝に余裕を持って、べったりと地面を捉えることができる。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 【35万7500円】新型ホンダPCX125とヤマハNMAXは価格が同じだから悩む!|あれこれ比べてみた。