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試乗してみた|あのロイヤルエンフィールドにアドベンチャーが初登場! その名は「ヒマラヤ」


クラシカルなバイクを生産することで知られているロイヤルエンフィールドから、オフロード走行も可能な初のデュアルパーパスモデルが登場。逞しさを感じるスタイルはアドベンチャーモデルともいえるもの。そのディテールと走行フィーリングをレポートしてみよう!




REPORT●横田和彦(YOKOTA Kazuhiko)


PHOTO&EDIT●佐藤恭央(SATO Yasuo)

ロイヤルエンフィールド・ヒマラヤ ・・・62万5000円〜

今回撮影した車両と、実際の製品とはバックミラーの仕様が異なります。

 イギリス生まれのロイヤルエンフィールドは数奇な運命をたどったメーカー。1901年に初のバイクを製造したという世界最古のバイクメーカーで世界的な名車を数多く生みだしたにも関わらず1960年代には他メーカーの台頭によって経営が傾く。1971年にはイギリスの本社が倒産してしまうが、エンフィールド・インディア(1955年設立)では生産が続けられ、ついにはインド資本となって現在に至っている。


 そのロイヤルエンフィールドがリリースした初のデュアルパーパスモデルがヒマラヤである。デュアルパーパスとは英語で「ふたつの目的」という意味で、舗装路(オンロード)と未舗装路(オフロード)を走るバイクという意味である。この場合の舗装路とは一般公道も含まれていて保安部品を装備しているモデルのことを指すことが多い。国産車ではCRF250Lやセロー250、KLX230といった車種が含まれるカテゴリーだ。オンもオフもそれなりに走れるバイクのことをデュアルパーパスと呼ぶと考えておけばよいだろう。


 メーカーはヒマラヤのことを「デュアルパーパス」と呼んでいるが、実車を目の前にすると「力強さ」や「タフさ」が感じられる。一緒に冒険の旅をする「アドベンチャーモデル」といった堂々とした面持ちだ。

 エンジンはシンプルな空冷のシングルシリンダー。6500回転で24.3bhp、24.6馬力を発生させる。丸形の大型ヘッドライトは高い位置にセットされ、クリアのスクリーンやサイドのガードとともに個性的なフェイスデザインを構築。フロントフェンダーはアップとダウンの2種類を装備している。ガソリンタンクは15ℓの容量があるため航続距離は長い。シート部分は見るからに低く設定されていて、スペック上も800mmという低さ。これが試乗の時にどう感じられるか楽しみだ。前後ともディスクブレーキを採用していて、現代のバイクとしては一般的なABSシステムも装備されている。


 堂々とした車体を見ると、軽快に野山を駆け巡るというよりも荒れた道でも戦車のように力強く走り抜けていくといった雰囲気。ゆえにアドベンチャーモデル的だと感じたのだ。

 こういうサスペンションストロークが長くて大柄な車体のバイクを前にすると、小柄な自分は少しためらってしまうことがある。しかしヒマラヤにまたがったとたん、それが杞憂であることがわかった。というのも、この手のモデルとしては抜群に足つき性が良いのだ。これにはビックリ。本当に安心できる。大きくえぐられたような形状のシートは伊達ではなかったのだ。着座位置が低いのでハンドルは少し高めに感じるが、操作性に問題はない。都市迷彩のような個性的なペイントが施された大きめのガソリンタンクも、ライダー側が絞られているのでニーグリップしにくくはない。僕は気分を良くエンジンを始動した。

 インジェクションを装備した空冷・単気筒エンジンは落ち着いたアイドリングをしている。アクセル操作に対する反応も過敏すぎずスムース。シフトペダルを踏み込むと1速にギヤを入れる。ストロークはやや長めだが確実にギヤは入る。クラッチをつなぐとスルスルと車体は動き出す。低〜中回転域のトルクが太いので大柄なボディでありながら、なかなかの加速を見せる。レッドゾーンまでストレスなく吹け上がるが、高回転域だとやや振動が出る。そのためあまり回転を引っ張らなくてもトルクが強い部分を使いながらシフトアップしていくと、スピードの乗りはよい。サスペンションの動きが良いこともあり車体の挙動は安定していて、余裕あるクルージングが味わえる。



 カーブに差し掛かる。ブレーキを握ると確実に減速。タッチは柔らかくコントロールしやすい。安定してフォークを縮めながら速度を落としていく。寝かし込みはゆったりした前輪が大きいデュアルパーパスらしいもの。バンク中は不安な感じはなく安定していて、立ち上がりもスムーズ。ここでも低〜中回転域のトルクの太さがプラスになる。


 高速域では高い位置にセットされたスクリーンによる整流効果が高く、長距離移動するときのライダーの疲労を軽減するのに役立つ。バイクのキャラクターにあった走行フィーリングだと感じた。

 これはもう見た目通り「旅」に使うのがピッタリ。ちょっとした手荷物だけでフラッと走りに行くのも良いし、ガッツリと大荷物を積載して野営しながらの長期間ツーリングに出るのも良いだろう。足つきが良いので、キャンプ場にありがちな砂利道などにもためらわずに入っていける。そして逞しい姿はテントの横に佇んでいても絵になること間違いない。ヒマラヤは「タフで裏切らない旅の相棒」になりうる存在だといえよう。


 唯一気になるのは排気量だ。411ccのエンジンはトルクに余裕があるものの、日本では免許区分が大型二輪になってしまう。そこだけで判断されてしまうとヒマラヤの良さが伝わらない。フラットな目で見てもらいたいと思うのだ。

 シート部が低く設定されているので足つき性は抜群。他メーカーのデュアルパーパス、低シート高で有名なセロー250より低いといえば伝わるだろうか。これは街乗りではもちろん、オフロード走行時にも強い味方になる。僕のような小柄(身長165cm)なライダーにとってはメリットが多いのだ。

 歩くくらいのスピードでも扱いやすく、中回転域でも唐突にトルクが出る特性ではないので砂利道などの荒れた路面でもコントロールが容易。重心位置の低さも手伝って、オフロードにそんなに慣れていない人でも走れるだけの懐の広さを持っている。

ディテール解説

アナログメーターがずらりと並び、メカメカしさとレトロ感が共存するコックピット。左の一番大きのがスピードメーターで右上がタコメーター、下の二連メーターの左は燃料計で右は方位磁石になっている。

独特の迷彩塗装が施されたガソリンタンクの容量は15ℓ。航続距離はかなり長い。ライダー側が絞られているのでニーグリップもしやすい。タンクキャップはエアプレーンタイプ。

丸形ヘッドライトの上に装着された大型スクリーンによって防風効果は高い。左右のガードやアップフェンダーなどによりオフロードモデルとしては個性的なデザインになっている。

空冷フィンが並んだシリンダーが垂直にそそり立つ単気筒エンジンを採用。インジェクションを装備し始動性やレスポンスの滑らかさを実現。エンジン前面には油温の上昇に対応するオイルクーラーを設置している。

エンジン下部に金属製のゴツいエンジンガードを装備。これでオフロードバイクらしいシルエットになる。

フロントホイールは21インチという大径で走破性が高い。フロントブレーキのディスク径は300mmでABSを備えている。

ディスクローター径240mmのリヤブレーキにもABSを装備。タイヤはオンロードに最適化しつつオフロード性能も確保されているPIRELLI MT60。スリムなサイレンサーからは歯切れのよいサウンドが響く。

リヤサスペンションはシングルタイプ。ストロークは長めでギャップでの衝撃をスムーズに吸収してくれる。高速走行中の安定感も高く、ロングツーリングも快適。

タンデムシートは肉厚で座り心地が良いのでタンデムツーリングもこなせるだろう。丈夫なリヤキャリアが標準装備なのは嬉しい。

ハンドルスイッチ類は現行の国産モデルと大差ない形状。レイアウトも一般的なので操作に悩むことはないだろう。USB電源は純正装備ではないことをお断りしておく。

■主要諸元■

全長:2,190mm


全幅:840mm


全高:1,360mm


シート高:800mm


乗車定員:2人


排気量:411cc


重量:199kg


エンジン:空冷4ストローク 単気筒SOHC2バルブ


最高出力:24.3bhp/6500rpm


最大トルク:32Nm/4000-4500rpm


トランスミッション:5速マニュアル


フューエルタンク:15L


ブレーキ:Front=φ300mmディスク/ABS Rear=φ240mmディスク/ABS


タイヤ:Front=90/90-21 Rear=120/90-17

ライダープロフィール

横田和彦


1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得して以来、50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクを乗り継ぐ。普段から移動手段にバイクを使うことが多く、プライベートでもツーリングやサーキット走行、草レース参戦などを楽しむスポーツライディング好き。現在は雑誌やWebなど、さまざまな媒体で執筆活動をしている。

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