菰田潔さんが選んだ「美しすぎるクルマ」には、いすゞ117クーペとスバル360という2台の日本車がラインナップしたが、それらを抑えて1位に輝いたのはBMWの初代6シリーズ。最近巨大化する一方のキドニーグリルだが、この頃はまだこんなに小さかった!



TEXT●菰田潔(KOMODA Kiyoshi)

デザインが素晴らしい!と思う3台を選んだら、なんと日本車が2台入っていた。

第3位:いすゞ・117クーペ

独立したジョルジェット・ジウジアーロが立ち上げたイタルデザインの初期の作品が、1968年に発売されたいすゞ・117クーペだ。初期モデルの生産では手作業が多かったが、1973年には量産化の対応のため、写真の第2期モデルが登場した。

第3位は、ジウジアーロがデザインしたことで知られる「いすゞ・117クーペ」だ。



この後継車として登場したピアッツアも素晴らしかったが、117の美しく柔らかい面で構成されたエクステリアデザインは美術品を見ている気にさせられる。



特に斜め後ろから見た印象は、今見ても独自の個性と先進性を感じる。ボンネット、フェンダー、ドア、トランクリッドに特別なキャラクターラインが入っているわけでもないのに、ひとつの美しい塊として見ることができる。



これは机の上で線を描いてできたものではなく、最初から立体で造り始めたものではないか、と思っている。

第2位:スバル360

1958年に発表されたスバル360。デザインは工業デザイナーの佐々木希達三が担当

第2位は、スバル360だ。



試作車はスバルの前身である中島飛行機の職人の手によって作られた。大人4人が乗れること、バスが登れる道なら登っていけるエンジンパワーがあることを最低限の性能目標にした。そして出来上がったものは機能美というのに相応しいものだった。



開発を担当した百瀬晋六氏に生前お話を伺ったことがるが、スバル360はとことん機能を追求してできたものだという。ボディの剛性と軽量化は相反するものだが、飛行機を作るときと同じ手法を用い出来上がったものから過剰な部分を削っていくことで、剛性を保ったまま軽量化を実現したという。



機能美は何年経っても古くならないことをスバル360は証明している。

第1位:BMW 635CSi

1976年に発表された初代BMW 6シリーズは、78年に3.5Lエンジン搭載の635CSiをラインナップに加えた。デザインはポール・ブラックで、BMWの前はメルセデス・ベンツでW108やW115などにも携わっていた。

第1位は、BMWの初代6シリーズにあたる635CSi(E24)である。今となってはこの頃のキドニーグリルが一番小さかったかもしれないが、BMWデザインのすべてが盛り込まれたエクステリアデザインだと思う。



ボンネットを前に伸ばしてシャークノーズにしたり、サイドのキャラクターラインやらCピラーの根元が上に跳ね上がるホフマイスターエッケなどどこから見てもBMWだし、どこから見てもバランスが取れて美しい。きれいにレストアしている愛好家も少なくない。

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どんなに走りが楽しくても、どんなに乗り心地が良くても、ブサイクなクルマには乗りたくない。そう、デザインはクルマの命。ということで、これまで出会ったクルマの中からもっとも美しいと思ったベスト3を毎日、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 【美しすぎるクルマ・ベスト3(菰田潔)】この頃はキドニーグリルがこんなに小さかった! BMWらしさが凝縮されていた「BMW 6シリーズ」